「君の名は。」「スラダン」聖地巡礼ブーム続く中国人観光客『同胞多すぎ、萎えた』との声も

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聖地巡礼といえば、アニメやドラマの舞台となった場所を訪れる行為のこと。昨年はアニメ・マンガの舞台を対象にアニメツーリズム協会が聖地88か所を制定したことでも話題になりました。

この「聖地巡礼」ムーブメントは日本人のみならず、海を超え海外でも話題となっています。特に、インバウンドで観光客数・消費額ともに最もシェアのある訪日中国人にも、その波が広がっています。中国SNSの投稿やランキングをもとに、詳しく見ていきましょう。

訪日外国人の「聖地巡礼」とは? 約100万人のインバウンド観光客の満足度84.9%

「聖地巡礼」という俗語をご存知でしょうか?もともとは宗教上の聖地や霊場などを参拝して回ることを...

インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするのが重要!おすすめのインバウンド対策を資料で詳しくみてみる

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聖地巡礼は日本旅行の常識!? SNSでは常に話題、思い思いの場所を訪れる旅行客たち

訪日中国人においても、聖地巡礼はホットトピックスです。中国の**旅行情報共有サイトの「Mafengwo(马蜂窝)」で「聖地巡礼」を検索すると、「スラムダンク」の聖地巡礼コースや、劇場版「名探偵コナン」の聖地巡礼まとめなど複数の情報がヒットします。

▲聖地巡礼をテーマにした旅行プラン(Mafengwoより)

▲聖地巡礼をテーマにした旅行プラン(Mafengwoより)

中国版Twitterである「Weibo微博/ウェイボー)」でも、ハッシュタグ「#聖地巡礼には8万件以上の口コミが集まり、23,151万PVが記録されています(2018年7月23日現在)。

昨年は2016年12月に公開された「君の名は。」のヒットでWeibo上には東京や飛騨の写真が、聖地巡礼のハッシュタグとともによく見かけられましたが、今年の夏は「ハリポタ」がブームとなってきているようです。

長野・岐阜でインバウンド需要3倍増見込み!? 映画「君の名は。」が海外でも大躍進

今年8月26日に公開された新海誠監督のアニメーション映画「君の名は。」。10月21日の台湾での配給開始を皮切りに、海外での配給が続々とスタートしています。中国では日本映画新記録を樹立しており、昨年100万人が実施した聖地巡礼に拍車がかかることが推測されます。 目次映画「君の名は。」の日本での興行収入、反響「君の名は。」の海外での公開状況:11月以降、主要訪日国で次々と公開「君の名は。」の海外での躍進:米映画賞受賞、中国では新記録インバウンドビジネスへの影響は?昨年は100万人弱の訪日外国人...

「何故訪日客は高山市に向かうのか」人口の5倍のインバウンドが殺到する岐阜県高山市 その背景にはいったい何が?

近年の日本国内の観光産業ではDMOを設立することによって 「稼げる観光地づくり」 が推進されています。日本国内ではすでに100を超えるDMOが存在しており、近年のインバウンド市場の好調ぶりから訪日外国人観光客誘致に乗り出すDMOも増加しています。こういったDMOでは、インバウンド誘致にどのような取り組みをしているのでしょうか。今回は、高山市ブランド・海外戦略部海外戦略課 の取り組みをご紹介します。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションの資...

▲中国版TwitterであるWeiboで、ハッシュタグ「#聖地巡礼」を検索した結果

▲中国版TwitterであるWeiboで、ハッシュタグ「#聖地巡礼」を検索した結果

では、2018年はどのような作品が聖地巡礼の代名詞となるのでしょうか?2月にWeiboに公開され現在25万PVを超えている聖地巡礼ランキング記事と、検索エンジン百度の「アニメ作品検索指数ランキング」から考察してみます。

「2018年日本の聖地巡礼TOP20」、インフルエンサーの旅行達人が総合的に判断、日本アニメファンが舞台をリアルに感じるのはここ!

まずは「2018年日本の聖地巡礼TOP20」です。このランキングは、旅行関連、アニメ関連の「達人」と呼ばれるインフルエンサーが、「聖地」の知名度、アクセスのしやすさ、現地のサービスや見応えといった複数の観点から採点してランク付けした結果です。

  1. スラムダンク(鎌倉市)
  2. 君の名は。(新宿区、飛騨市、諏訪湖)
  3. 千と千尋(道後温泉)
  4. あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(埼玉県秩父市)
  5. 秒速5センチメートル(栃木市、世田谷区、西表島)
  6. 蛍火の杜へ(熊本県)
  7. 崖の上のポニョ(広島県)
  8. 名探偵コナン(京都府)
  9. トトロ(所沢市)
  10. ラブライブ(神田明神)

引き続き、「スラムダンク」、「君の名は。」の人気が続きそうです。アクセスのしやすさが起因するのか、地域別では関東が最も多くランクインしています。11位以下では12位「もののけ姫」16位「風立ちぬ」とジブリ作品がランクインしており、宮崎駿作品への盤石な支持がうかがえます。

また15位「氷菓」(岐阜県高山市)については、日本で昨年11月に公開された実写版の感想がSNS上にアップされているなど注目が高まっているようです。一方で「氷菓の聖地巡礼完了!京都みたいに外国人観光客がたくさんいて個人的にはちょっと残念…」といった書き込みもあり、認知が拡大したことでコアなファンには物足りなさを与えてしまう様子が見られました。

▲聖地巡礼に高山駅に到着し、外国人旅行客が増えたと嘆く書き込み

▲聖地巡礼に高山駅に到着し、外国人旅行客が増えたと嘆く書き込み

百度検索ランキングと合わせて見えてくる「春日部」と「軽井沢」の可能性、クレヨンしんちゃんと風立ちぬが「コアなファン」の心を満たす!?

続いて百度検索指数(※日本アニメのみ)の7月某日のランキングも確認してみましょう。

  1. 銀魂
  2. ワンピース
  3. NARUTO
  4. 陰陽師
  5. ワンパンマン
  6. 進撃の巨人
  7. キングダム
  8. 僕のヒーローアカデミア
  9. 名探偵コナン
  10. ウルトラマン

架空の場所を舞台にした作品もランクインしているため、聖地巡礼と結びつけるには難しい作品も並びますが、実在の場所を舞台とした作品に注目してみると、検索指数が上昇しているのが15位の「クレヨンしんちゃん」

先ほどのWeibo記事でも19位にランクインしており、同記事では春日部にあるクレヨンしんちゃん記念館もとりあげられています。街全体でクレヨンしんちゃんのキャラクターがデザインされた広告やグッズをみつけることができ、ファンの楽しみが尽きない場所として紹介されています。

実はWeiboの中でクレヨンしんちゃんについて言及している口コミで多いのは、女性による「私の眉毛はしんちゃん眉毛」といったもの。こういった発言からは、眉毛が印象的なクレヨンしんちゃんの主人公への愛着を感じられます。関心の芽をうまく生かすことで、作品の舞台に足を運びたくなるようなムーブメントを発生させるチャンスもあるのではないでしょうか。

▲Weibo書き込み「クレヨンしんちゃんの眉毛になってしまった」

▲Weibo書き込み「クレヨンしんちゃんの眉毛になってしまった」

また24位の「風立ちぬ」は年初と比べると現在は順位が下降していますが、先ほどのWeibo記事では16位にランクイン、風景はもちろん、作中に出てくる建物には中にも入れるとしてお薦めされています。

軽井沢は「避暑地」であり、訪日中国人が最も多く訪れる夏でも過ごしやすい気候の地域の一つです。訪日中国人の好む北海道とも似た自然の多さと都会の洗練されたな雰囲気を兼ね備えた軽井沢は、ジブリファンという後押しを得て、この夏知名度を上げるかもしれません。

まとめ ~移り変わりの早い中国トレンド。先取り感とアクセスの良さで、訪日中国人の「私だけの」日本旅行、聖地巡礼をかなえるスポットが北海道に続く人気旅行先になる~

さまざまな日本アニメが中国でも人気となっていますが、必ずしも現実のスポットが舞台となっているわけではありません。また、7月の全体のアニメランキングでは、ベスト3を中国産のアニメが占めており(1位四海鯨騎、2位闘破蒼穹、3位炮炮兵、4位銀魂、5位ワンピース)、日本アニメは5作品のランクインでした。

3月時点では1位にワンピース、3位にドラゴンボールがランクインしていましたが、中国市場の特徴である流行の移り変わりの速さはここにも表れています。今後も訪日旅行検討層となるアニメファンの中国人の動向はこまめにチェックする必要がありそうです。

旅行達人の選ぶ聖地巡礼ランキングでは、東京近辺のスポットも複数ランクインしていました。訪日中国人の日本旅行の滞在日数は1週間に満たない数日の滞在も多いことから、聖地巡礼をテーマにした旅行ではアクセスの良さが一つの重要なファクターとなっていることがわかります。

また、あまりに聖地巡礼スポットとして知名度を高めてしまうと、作品の知名度が低かったころからその作品を支持していたような熱心なファンにとっては魅力が下がってしまう可能性も見えてきました。

こうした中で今回見てきた「クレヨンしんちゃん」の春日部市や、「風立ちぬ」の軽井沢は両方の条件を満たしており、今後訪日中国人に選ばれる人気旅行先となれるポテンシャルを秘めている地域だと言えるのではないでしょうか。

今や訪日中国人にとって「東京」「大阪」「沖縄」「北海道」は十分に有名な地域ですが、大勢が訪れている場所は行っても面白くない、でも周囲に説明して通じる場所でないと意味がないと考えるのもまた、自然な思考です。こういった中国人旅行客の潜在的なニーズに応えるスポットを先回りしてPRすることで、訪日旅行客の満足度も向上し、さらなる旅行客の呼び込みにもつながるのではないでしょうか。

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<参考>

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コロナ禍の収束後、インバウンド需要が順調に回復を続ける中、唯一回復が大きく遅れていた中国市場。

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そこで今回は訪日ラボから、複数の中国SNSで在日中国人インフルエンサーとしても活動中の熊 孟華(ユウ モウカ)と、中国最大級の店舗・施設検索プラットフォーム「大衆点評」などを活用した中国向けプロモーションのコンサルティングを行う金子 泰士が登壇。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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