世界的に感染拡大した新型コロナウイルスですが、日本でも第2波が警戒されています。インバウンドや観光に携わる企業では、訪日外国人が新型コロナウイルスに対してどのように意識しているのか把握し、今後の対策を考えることが必要です。
在日外国人の新型コロナウイルスに関する調査結果を基に、事業者がどのような点に考慮していけば良いのか解説します。
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新型コロナ調査で分かった在日外国人の危機意識
マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマークは、2020年8月に全国の20歳以上の男女「在日外国人の新型コロナ調査 第一弾」を実施し、9月2日に調査結果を公表しました。
さらに、同社は過去に日本人へ向けて行った新型コロナウイルスに関する調査データと比較したレポートも発表しました。
コロナ渦で在日外国人たちが何を思うのか、そしてどのように生活しているのかを、この調査結果から読み解くことができます。
キャッシュレス決済の利用が増加
在日外国人への「新型コロナウイルスの流行によって変化したこと(増えたこと)はありますか。」という質問に対し、宅配利用率は70.0%と、日本人より積極的に利用していることがわかります。
さらに、スマホ決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済の利用率が62.7%と、こちらも日本人より多い割合となっています。
他にも、ネットでの日用品の買い物も65.3%であり、日本人よりも他人との接触を懸念していることが伺えます。
外出時はさらに危機意識を高く持っている
在日外国人への「新型コロナウイルス感染予防のためにしていることはありますか。」という質問に対し、遊びに行くのなら屋内より屋外を選ぶという人が66.3%を占めています。
一方で日本人は同回答者が27.0%であり、在日外国人と日本人の危機意識の違いが顕著にあらわれています。
また、「新型コロナウイルスの流行によって、日用品や食品の買い物において気にするようになったことはありますか。」という質問に対して在日外国人が最も多く回答したのが、83.0%を占めた「レジに並ぶ時などに人との距離をとるようになった」というものでした。
他にも、「人が多そうな時間帯を避けるようになった(67.0%)」「エコバッグを使うようになった(48.7%)」などが上位に上がっています。
しかし、日本人の上位には「特にない」という人たちが全体の26.4%を占めているため、生活に欠かせない「買い物」時にも在日外国人と日本人とで意識の差が大きく出ています。
医療機関への受診が気軽にできない外国人
調査結果から分かる通り、在日外国人は日本人と比較して新型コロナウイルスに対する予防意識が高いといえます。
この理由の一つとして、日本人に比べて医療機関の受診が気軽にできないという背景が考えられます。これは、訪日外国人も同様といえるでしょう。
訪日外国人の中には、日本語を完璧に話せない人や聞き取れない人は少なくありません。したがって、病気や風邪の症状を細かく医者に伝えたり、薬の処方に関する注意点を聞く際には、馴染みのない日本語が出てくるかもしれません。
医療機関の中には通訳の体制が整っていないところもあるため、日本語を完璧に話せない訪日外国人は診断を受けるために苦労することがあると考えられます。
第二に、日本国内の病院を受診する際、日本人であれば健康保険制度が適用されて自己負担額が軽減されます。
しかし訪日外国人の場合は海外旅行保険に加入していない場合、医療費が全額負担となる可能性もあります。医師の判断によって検査や治療などが必要となるほど、医療費も高くなるため、受診を躊躇してしまう訪日外国人が多いと考えられます。
感染対策を徹底して訪日外国人の受け入れ体制を整えることが大切
在日外国人は、インターネット通販やキャッシュレス決済を駆使し、人との接触をなるべく避けています。他にも出かける際には屋内より屋外を選ぶなど、日本人よりもコロナウイルス感染に対する危機意識が強いことが伺えます。
この理由の一つとして、訪日外国人は医療機関への受診も現地の日本人ほど気軽にできないというのが考えられます。訪日外国人を顧客として受け入れる店舗や事業者は、日本人よりもコロナウイルス感染に関して重く受け止めている在日外国人の現状を把握すべきです。そして、単に感染予防ルールをつくるだけで終わらずに、日本人を含めた顧客に徹底させることが重要でしょう。
<参考>
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