観光庁発表のデータによると、訪日フランス市場は一人当たりの旅行消費額が最も高く、今後のインバウンド業界に注目されている市場の一つです。
しかし現在は新型コロナウイルスの感染拡大により、観光を目的としたフランス人の日本への入国が制限されており、訪日フランス人観光客の数はほぼ消失している状況です。
一方で、このような状況下でも訪日潜在層とされる外国人は絶えず旅行に関する情報収集を続けており、アフターコロナに向けた旅マエ・プレ旅マエへの情報発信は重要です。そこで、訪日フランス市場へのアプローチ手段の1つとして把握しておくべきなのが、フランスで参考にされている日本の情報を発信するメディアです。
日本の旅行や文化を紹介するYouTubeチャンネルや旅行サイト、ブログは、フランス人の日本に対する関心事項がうかがえるほか、インフルエンサーを起用したプロモーション施策の参考にもなるでしょう。
本記事では、フランスで見られている日本情報メディアについて、YouTubeと旅行サイト、個人ブログの3つのカテゴリーから紹介します。
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フランスで見られている日本情報メディア:YouTube
フランスでは日本旅行や日本文化に関する情報収集の際に、YouTubeチャンネルからの情報を1つの参考にしています。ここでは、特にフランス人のファンが多い、日本情報を発信する2つのYouTubeチャンネルを紹介します。
Tev - Ici Japon
https://www.youtube.com/watch?v=BeRSDWO6gs4
「Tev - Ici Japon」は、フランス人YouTuberのテブニ・ブノア氏が2011年3月より運営するチャンネルで、登録者数は65.7万人です。
ブノア氏が代表取締役を務める、Ici Japon株式会社が運営する日本旅行に関するサイト「Ici Japon」や日本のコンテンツ作成と配信をする「Club Japon」、日本のお菓子のオンラインショップ「Candysan」の公式YouTubeチャンネルとしても知られています。
主な発信内容は、日本ならではのスポットや観光地の紹介となっており、カプセルホテルを紹介した動画は、134万回再生を記録しました。
日本の観光地の紹介では、これまでは東京や沖縄を舞台に、24時間や48時間で何ができるかといった、最小限の時間で最大限の体験をすることがコンセプトの動画が特徴的です。
なかでも24時間で東京の観光地をまわる動画「Tokyo 24」は、築地や渋谷などの場所別にエピソード1から4まで構成され、全てのエピソードを合わせると40万回再生を超えています。
フランス人にはアニメや漫画のファンも多いため、日本ならではの漫画カフェやゲームセンターを訪れる様子などが、フランス人視聴者の興味を引いたようです。
Ichiban Japan
https://www.youtube.com/watch?v=5ej0C0O93y8
「Ichiban Japan」は、日本在住のフランス人が2006年から運営するチャンネルで、登録者数は30.2万人です。運営者は日本へ8回旅行した後に、2017年4月より日本に移住し、日本に関するさまざまなトピックをYouTubeを通して発信しています。
具体的には、日本での生活における人との出会いや日本文化、食文化、地方を訪ねた旅行Vlogを中心に紹介しています。全てフランス語の動画ですが、動画によっては日本語や英語の字幕も選択可能です。
「フランス人の女子高1日体験」と題した動画は、337万回を超えています。日本の高校のなかでも女子校を訪問し、実際に授業に参加し様子を伝えたほか、女子高生にフランスのイメージなどをインタビューしました。他にも幼稚園や工業高校、男子校など、さまざまな種類の学校を訪問する動画があり、人気シリーズとなっています。
芸者と舞妓の生活に1日密着した動画「Une journée dans la vie d'une apprentie Geisha à Kyoto」では、歴史的な背景をはじめ、遊女と芸者の違いといった外国人が抱きやすい間違ったイメージをふまえ、正しい情報を詳しく説明している点が特徴的です。
フランスで見られている日本情報メディア:旅行サイト
日本への旅行を計画したいフランス人は、フランス語の旅行サイトもチェックしています。
Vivre le Japon
![▲[フランスの日本旅行の代理店が運営する旅行サイト]:「Vivre le Japon」 40年の歴史をもつ日本旅行に特化した老舗旅行代理店のサイト](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7562/main_ec1f78fadb33c91c0fc68f5a74af4b66.png?auto=format)
1990年にフランス初の日本旅行の代理店としてサービスを開始した、これまで約40年の実績を持つ「Vivre le Japon」のWebサイトです。旅行代理店としては、ユーザーの要望に応じたオーダーメイドの日本旅行ツアーを提供している点を強みとしています。
サイト上では、日本の現地ツアーやJapan Rail Passを含む交通手段、宿泊施設の情報をはじめ、日本に関するニュースや新型コロナウイルスの状況、日本旅行の前に知っておくべき旅行ハックまで、日本旅行に関する幅広い情報を提供しています。
Twitterのフォロワーは1万人で、日本旅行をフランス語(Voyage au Japon)でGoogle検索するとトップに表示されることから、多くのフランス人が参考にしている旅行サイトといえるでしょう。
フランスで見られている日本情報メディア:個人ブログ
フランス人が日本旅行に関する情報収集をする際には、フランス人が運営する個人ブログも参考にする傾向があります。フランス人の視点から見た、リアルな日本旅行のヒントやアイディアが得られる場として活用されています。
En Passant Par Le Japon
![▲[日本滞在経験のあるフランス人2人による日本の旅行ブログ]:ブログ「En Passant Par Le Japon」 フランス人が日本旅行に関する情報発信をするブログ](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7563/main_6f97e8e011e2eba59ac0886ee2c791cc.png?auto=format)
フランスのロレーヌ地方出身のCindyとMatthieuが運営する、日本の旅行ブログです。2人は日本への初めての旅行をきっかけに、2014年から本ブログを立ち上げました。
その後はワーキングホリデーで日本に1年間滞在し、自らが日本中を旅するなかで見つけた日本旅行に関する有益な情報や楽しむヒント・アイディアなどを発信しています。
具体的には、関東から九州まで日本各地の観光スポットの情報をはじめ、日本旅行の予算、新幹線や夜行バスのレポート、おすすめの持ち物、各都市のゲストハウスの宿泊レポートをまとめています。
フランス人目線から語られる日本旅行に関する情報は、日本旅行を計画するフランス人にとってより信頼できるものといえるでしょう。
日本情報メディアを通じてフランス人にアプローチ
フランス人が参考にする日本情報メディアについて、YouTubeと旅行サイト、個人ブログの3つのカテゴリーから紹介しました。
特にフランス人は英語ではなくフランス語で情報収集をする傾向にあるため、フランス人にアプローチしたい場合はフランス語による情報発信が重要です。そのためフランス人インフルエンサーを起用したプロモーションやキャンペーンの実施などは、訪日フランス市場へ訴求する1つの手段として有効でしょう。
現在はコロナ禍によりフランス人が日本へ旅行できない状態が続いていますが、アフターコロナの訪日旅行需要の回復期に向けて、訪日フランス市場へのアプローチは続けていくことが大切です。
フランスで見られている日本情報メディアを参考に、フランス人の日本や日本旅行に関する興味関心を探り、アプローチの施策を考えていくことも効果的でしょう。
<参考>
・訪日ラボ:訪日フランス人市場の特徴
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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