中国で使えるVPN4選:香港デモ・コロナでますます強まる中国ネット規制

公開日:2020年09月18日

中国のインターネット環境は日本やアメリカとは少々事情が異なり、海外のサイトにアクセスする場合にはVPNサービスを利用する必要があります。

これは中国政府が国内のインターネットに対してグレートファイアウォールと呼ばれる規制をおこなっているためです。

この記事では、中国におけるインターネット規制の流れや、中国滞在中に使用するVPNサービスの選び方のポイント、おすすめのVPNサービスについて紹介します。

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VPNとは?

VPNは「Virtual Private Network」の頭文字を取った略称で、多くの人々が共同で利用する通信回線に設けられる仮想の専用回線のことです。

VPNを使用することで、通信内容の漏洩や改ざんを防ぐことが可能であり、インターネット規制が行われている国でも規制対象となっているサイトを閲覧したり使用することができるようになります。

ここでは、中国でVPNが欠かせない理由や、中国におけるインターネット規制の流れについて紹介します。

中国でVPNが欠かせない理由

インターネットは日本をはじめとする各国では自由に使えるものですが、中国では当局による監視が24時間365日行なわれています

中国国内におけるインターネットの規制と検閲技術は、万里の長城(グレートウォール)とインターネットのセキュリティシステムを指すファイアウォールにちなんで、グレートファイアウォール(金盾)と呼ばれています。

グレートファイアウォールの規制対象は、中国政府に対して批判的な団体やニュース、ポータルサイト、ウェブサイト、アダルトサイトなど多岐にわたります。

そのため、中国国内から日本やアメリカのインターネットに接続することはできず、Google、FaceBookをはじめとした海外サイトやSNSも中国国内では使用できません。

しかし、中国へ旅行や出張に行く際に使い慣れた検索エンジンやSNSを使用したいという場合はあるでしょう。

その時にVPNを利用することで、中国国内でも検閲システムに規制されることなく海外のインターネットにアクセスことが可能です。

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2020年までのインターネット規制の流れ

中国では2017年6月にインターネット上における安全保障体制強化を目的としサイバーセキュリティー法が施行されました。

これにより、VPNサービスにも一部規制がかかるようになっており、これまで利用が可能だった各種無料のVPNが次々と利用できなくなりました。

2018年4月より一部の有料VPNも規制対象になってしまっているようです。

2019年から激化した香港での逃亡犯条例改正案に対する香港市民のデモも、中国のインターネット規制に大きな影響を与えています。

2020年7月には、香港国家安全維持法第43条に基づいて香港におけるインターネット規制の強化が行われ、これに反すると罰金や禁固刑の対象になることがあります。

香港ではVPNがなくてもGoogleやFacebookにアクセスできますが、今後監視や規制が強化されることを懸念し、香港におけるVPN需要も高まっています。

2020年5月に、香港ではVPNに対する需要が6倍以上増えたと海外のメディアに報道されました。

また、2020年5月からは「自然災害や重大事故への適切でない評論」もインターネット規制の対象とされており、新型コロナウイルスに関する中国への批判や、調査検証に関する情報は一層規制が強化されています。

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中国向けVPNを選ぶにあたっての3つのポイント

徐々にVPNを利用した通信にも規制がかかり始めている中国ですが、現時点では中国国内から海外のインターネットに接続したい時に、VPNは依然として有用な手段だと考えられています。

VPNサービスを選ぶときに注目するポイントは、安定性、コストパフォーマンス、サポート体制の3点です。

運用しているのが企業なのか個人事業主なのか、日本語の対応があるのか、サーバーの数などをあらかじめ確認し、中国のインターネット規制に対する対処法の有無などもチェックしておくとよいでしょう。

安定性

VPNは仕組み上サーバーが必要であるため、サーバーの数と回線容量がどれだけあるかが通信の安定に関わっています。

VPNサービスを選択する際は、サーバーと余力があるかどうかを確認できることが重要です。

また、VPNに限らず通信サービスは常に使えることが必要で、何かトラブルがあれば提供側が即座に対応できる体制があるかどうかも選ぶポイントになります。

中国当局は、各VPNサービスに対して突然規制をかけることもあり、利用中に急きょ使えなくなってしまう可能性もあります。

そのような場合に、規制に対して即座に対応し復旧できるかどうかVPNサービスの安定性を見極める一つのポイントといえます。

コストパフォーマンス

現在、中国当局の規制を突破できるVPNサービスの多くは有料です。

中国に旅行や駐在している間インターネットにアクセスする場合、利用が長期間に及ぶ場合もあります。

VPNサービスは使用期間によってさまざまな料金プランがあるため、コストパフォーマンスを考慮しつつ、利用需要に応じるサービスを選定しましょう。

サポート体制

中国でのVPNサービスは、政府による規制で不安定になることが多く、トラブルが発生することも少なくありません。

そのような事態の時に適切なサポートが受けられるかどうかの確認も必要です。

また、サポート方法や日本語でのサポート対応の有無などを事前に調べておくことで、トラブルが起こった場合もスムーズに対応できます。

中国で使えるおすすめVPN4選

ここでは、安定性やコストパフォーマンス、サポート体制で評判されている、中国国内で接続可能なVPNサービスを4つご紹介します。

ただし、こちらは2020年9月現時点の情報であるため、今後の規制によっては接続できない可能性もあります。

1. セカイVPN

セカイVPNは、日本に本社を置く通信プロバイダであるインターリンクが運営しているVPNサービスです。

料金は月々1,080円とお手ごろな価格でありながら、1アカウントで3台の端末が同時に接続できます。

日本語のカスタマー対応があり、日本で発行されたクレジットカードでの決済も可能です。

日本やアメリカ、韓国など5か国にサーバーを保有しており、高セキュリティ、安定している通信には定評があります。

2. Express VPN

Express VPNは、世界90以上の国と地域に2,000か所以上のサーバーを設置しており、海外VPNサービスの中でも接続スピードと安定性が高いといわれています。

また、サーバー上に活動ログと接続ログを収集しないのも1つの特徴で、ユーザーのプライバシー保護に徹底しています。

カスタマー対応について日本語は非対応となっていますが、公式ホームページでは接続方法やサービス情報については日本語で確認できます。

ただし、2020年に中国の一部の地域ではExpress VPNが繋がりにくいという状況も報告されているため、30日間返金保証期間中に滞在先で実施に使うことができるのかを確認する必要があるでしょう。

3. Nord VPN

Nord VPNは、Express VPNと同等レベルの安全性、安定性、接続スピードをもつVPNサービスとして評価されています。

しかも、Express VPNより料金が安く、日本語でのカスタマーサポートもあります。

支払いには、各種クレジットカード以外に中国国内でのメジャーな決済サービスであるWeChat PayやAlipayにも対応可能です。

4. UCSS

UCSSはShadowsocksを専門に取り扱うプロバイダです。

Shadowsocksとは、Clowwindyという中国人が中国政府のグレートファイアウォールを突破して海外のインターネットに接続するために開発した通信の暗号化プログラムです。

UCSSはこのShadowsocksをリリース直後から長く運用しており、中国国内からの高速通信に対応しています。

中国当局によるネット規制を突破する専用回線を保有しており、通信速度や安定性は他のVPNサービスよりも高いといえます。

本社が韓国にあり突然サービスが停止してしまうリスクも低く、日本語でのサポートにも対応しているため、安心して使用できます。

中国でVPNを利用するにあたっての注意点

中国国内でVPNを利用するには、まず中国に入国する前にVPNサービスをインストールしておく必要があります。

それは、中国のApp StoreではほとんどのVPNサービスが削除されており、Android端末の場合、Google PlayストアにアクセスできないためVPNサービスを入手することが難しいからです。

また、中国のVPN規制が常に変化しており、規制の強まりによってこれまで使用していたVPNサービスが急きょ繋がらなくなる時もあります。

複数のVPNサービスを事前に用意しておくことで、どのような状況でもスムーズに対応することができるでしょう。

VPN接続については常に最新情報のチェックを

中国国内から日本やほかの国のインターネットに接続するためにはVPNサービスの利用が必須です。

しかし、中国当局によるインターネットやVPNサービスの規制は年々強化されており、今後は、香港情勢や新型コロナウイルスの感染拡大により規制はますます強まることが予想されています。

これらの規制の影響を受けずに中国国内で日本のインターネットを使用するには、通信速度や安定性、滞在の期間に応じた料金やセキュリティなどの面を複合的に考慮し、VPNサービスを選定する必要があります。

また、VPNやインターネットの規制は日々情報が変化しています。中国国内の規制状況についてこまめにチェックし、使用するVPNサービスが接続可能かどうかを把握しておくことが重要でしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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