訪日ラボ編集部は、11月10日に行われた、BEENOS株式会社による2020年の越境ECランキングの発表会に参加しました。
ランキングは、BEENOSグループの商品代理購入サービス「Buyee」における2020年1月1日~2020年9月30日の売上及び前年同期比のデータをもとに、独自に算出されたものです。
本記事ではBEENOSが発表した越境ECランキングの詳細をお伝えします。
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コロナ禍で「第3次」越境ECブームが到来
世界の越境EC市場規模は年々拡大しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響により人の往来は減ったものの、モノの往来は可能なため、越境ECはいっそうの注目を集めています。
「爆買い」の舞台は、リアルからオンラインに移行しており、越境ECのブームは、2008年頃の第一次、2014年頃の第二次に続いて、2020年に第三次ブームを迎え、2021年には定着すると予想されています。
2020年の消費傾向:「日本ロス 消費」
2020年の消費傾向の特徴としてあげられることとして、新型コロナウイルス感染拡大の影響により日本への旅行が難しくなったため、ECでの購買意欲の増加につながったことがまず考えられます。
外国人は訪日して日本のコンテンツや文化に直接触れることができなくなった分、巣ごもり需要や動画配信サービス等の影響でアニメなどがよく視聴されるようになり、グッズ消費にもつながりました。
インバウンド需要はリアルからオンラインに移行し、従来から人気のアニメやゲームといったJapanコンテンツ以外にも、ライフスタイルに寄り添う商品も日本からオンライン(EC)で購入する傾向がみられています。
2020年、世界で売れた日本商品ランキング
インバウンド需要のオンラインへの移行に伴い、Japanコンテンツ以外にも、ファッションや家電などの生活用品が売れました。
東アジア:Japanコンテンツが引き続き人気
東アジアは日本から近く、配送料が安く済むため越境ECとして相性が良く、流通規模も大きく成長しています。
日本のアニメの熱烈なファンが多く、フィギュアやトレーディングカードの需要が高いのも特徴です。
陶磁器やカメラ、ブランド品も人気で、万年筆、知育玩具などが伸長しました。
ユーザーアンケートの結果からは、動画サイトやFacebookグループで情報収集し、買い物の参考としている人物像がうかがえます。
東南アジア:日本ブランドへの信頼が高い
東南アジアでは日本ブランドへの信頼が厚く、バイクやカーパーツや時計といった高品質なアイテムが人気となっています。
それぞれの国や地域で異なる文化や消費行動があり、例えばマレーシアでは時計の需要が高い傾向があります。
バイクやカーパーツの人気は、東南アジアでオートバイや車の利用率が高いことも影響しており、それぞれの地域で異なるメーカーの需要があることも特徴です。
ゴルフやフィッシングなどのホビー用品も売れたほか、K-popの流行で韓国限定コンテンツも人気を集めており、日本限定商品が買われるといったトレンドもみられました。
そのほか、包丁などの調理器具も伸長しました。
ユーザーアンケートの結果からは、子供時代から日本のアニメに親しみ、新作アニメや動画サイトを買い物の参考にしている人物像がうかがえます。
南アジア:日本車・バイクへの需要が高い
南アジアでもオートバイや車の利用率が高く、自動車やオートバイ関連商品が売れています。
住まいジャンルでは環境測定器が伸長し、家電ではスマホや家庭用ゲーム機が人気でした。
ユーザーアンケートの結果からは、日本の越境ECに手頃で高品質な商品を求め、FacebookやTwitterといったSNSを参考に買い物をしている人物像がうかがえます。
アメリカ:Japanカルチャーの人気が高い
アメリカではJapanカルチャーの人気が高く、おもちゃやゲーム、コミック、アニメ系が人気になっています。
ビデオゲーム、アニメコンテンツが好きな人が多く、ゴジラなどの特撮系も人気で、レディースファッション商材も特に伸長しました。
ユーザーアンケートの結果からは、youtubeやfacebook、instagram、twitterなどSNSでの情報交換を駆使している人物像がうかがえます。
ヨーロッパ:伝統文化の志向が強い
ヨーロッパは日本から地理的な距離があり、配送料が高いものの、それでもこだわりの強い商品が売れています。
盆栽用具や浮世絵、武具など日本の伝統文化に関わる商品が人気を集め、洋楽CDやレコードなどオーディオ関連や楽器も売れました。
さらに昔のゲーム機も伸長しています。
ユーザーアンケートの結果からは、リユース・アンティーク商品への興味や、越境ECを活用した仕入れビジネスの展開、予算にとらわれず良いものがあれば購入するといった消費行動を持つ人物像がうかがえます。
今後の越境EC:本格的なグローバルECの幕開けに
BEENOSグループのBeeCruise株式会社執行役員で、グローバルマーケティングFromJapan担当の本間哲平氏は、2021年は「熱狂コミュニティ消費」のヒットが予測されると語っています。
日本やアニメ、ゲームなどの熱狂的な支持者のコミュニティが世界中に広がっており、コンテンツを通じて世界のファンがつながる傾向が2021年に加速するとみられます。
5Gの登場により動画配信はさらなる盛り上がりが期待され、世界的なスポーツイベントもあり、アニメ以外にも「熱狂コミュニティ」が広がる可能性があります。
メーカーでもコンテンツを起用したタイアップへの注目が高まると考えられます。
さらにBEENOS代表取締役社長の直井聖太氏は、海外で売れる商品ジャンルは多岐にわたり、今後越境ECが世界に普及すれば、多様なジャンルの商品が売れるとみていると語っています。
国によって利用者の属性が異なり、30代~40代の多い中国や台湾に比べて、アメリカは20代が圧倒的であり、ASEANも20代が多く、ユーザー属性等の違いを理解することで、新しいヒットの兆しをつかむことができるとしています。
日本の越境ECというと中国市場のイメージが強いものの、マーケットは中国だけではなく、エリアごとの購買ニーズを見ると、東アジアが1.87倍に対して東南アジアが2.14倍、アメリカが2.82倍、ヨーロッパが2.85倍と大きく伸びていることが分かります。
今後の越境ECは、本格的なグローバルECの幕開けの時代を迎え、国ごとの消費傾向の違いを理解し、商品ラインナップの磨き上げとプロモーション戦略の選定が必要とされるでしょう。
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<参照>
PRTIMES:~越境EC国内最大級・BEENOSグループの購買データから、アフターコロナの消費動向を分析~BEENOSが「越境EC世界ヒットランキング2020」を発表
BEENOS:越境EC世界ヒットランキング2020
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