北欧地域からの訪日観光客は年々増加傾向にあり、2019年にはその数は14万人を超え、過去最高を記録しています。
このことから、2020年度より北欧地域が「ビジット・ジャパン準重点市場」に追加され、今後インバウンドの成長市場として注目されています。
しかし北欧地域と一括りにしても、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークなどそれぞれの国によって特徴が異なります。
そこで本記事では、デンマークに焦点を当て、訪日デンマーク人観光客のインバウンド市場の特徴を紹介します。
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デンマークがビジット・ジャパン準重点市場に追加
ビジット・ジャパン事業(VJ)とは、官民一体で取り組む、訪日外国人観光客の増加を目的とした訪日プロモーション事業です。
この事業の対象市場は、訪日インバウンドにおいてもっとも重要なターゲットである「重点市場」と、今後の訪日インバウンドの成長が見込まれる「準重点市場」に分かれます。
今回の記事で紹介するデンマークは、2020年度より北欧地域として、ビジット・ジャパン事業の準重点市場に追加されました。
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重点市場
中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、メキシコ、中東地域(サウジアラビア・UAE・バーレーン・オマーン・カタール・クウェート・トルコ・イスラエル) -
準重点市場
オランダ、スイス、ニュージーランド、北欧地域(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク)、ブラジル
準重点市場に追加されることで、デンマークはJNTOの重点市場化に向けた市場調査や試行的なプロモーション等を実施する対象となっており、今後さらなる訪日観光客数の増加が期待できます。
実際の取り組みとして、2021年1月にJNTOが観光見本市「The Quality Travel Fair」に出展する予定です。
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デンマークの基礎情報
まず、デンマークという国に関して簡単に振り返ります。
デンマークとはヨーロッパ北部に位置する国です。フェロー諸島とグリーンランドの2つの地域で構成されています。スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、アイスランドなどとともに北欧諸国の一つとされています。
面積は約4.3万平方キロメートルと、九州とほぼ同じです。人口は約581万人となっており、兵庫県の人口に相当します。
主要言語はデンマーク語です。信仰宗教としては福音ルーテル派が多数となっています。
デンマークはEU(欧州連合)の加盟国ですが、独自の通貨デンマーク・クローネを採用しているため、基本的にユーロを使用することはできません。
デンマークの経済状況
IMFのデータによれば、2019年のデンマークのGDPは3,470億米ドルで、一人あたりGDPは5万9,770米ドルです。
OCEDの発表によると、2019年のデンマークの平均年収は57,150米ドルです。
デンマークの物価を概ね把握するためにThe EconomistのThe Big Mac indexを見てみると、スウェーデンではビッグマックの値段は4.58米ドルです。
日本の場合は3.64米ドルです。このデータから、デンマークの物価は日本より高いようです。
デンマーク市場の訪日旅行データ
2019年に訪日デンマーク人観光客数は過去最高を記録し、インバウンド市場として拡大しています。
訪日デンマーク人観光客向けのインバウンド対策を行うためには、観光客数や訪日時期、情報収集手段などの訪日旅行データを事前に把握しておくことが必要です。
5年間、1.5倍増加する訪日デンマーク人観光客数
ここ5年間、訪日デンマーク人観光客数が順調に伸び続けています。
JNTOの発表によれば、2015年においては21,717人だった訪日デンマーク人観光客数は、2019年には約1.5倍となる32,893人と過去最多を記録しています。
訪日デンマーク人観光客に人気の訪日時期は?
JNTOの統計によれば、過去5年間の月別の訪日デンマーク人観光客数を見てみると、訪日デンマーク人観光客数が最も増加するのは7月です。
7月はデンマークの夏休みであるため、この長期休暇を利用し日本を訪れた人が多くいます。
加えて、桜シーズンの3月〜4月と秋休みにあたる10月にも訪日観光客数が増加します。
デンマーク人の情報収集手段
We are socialの「Digital 2020」によれば、デンマークにおけるインターネット普及率は98%に達しています。
インターネット利用者のうち93%がスマホ、78%がPC(複数回答)となっています。日本の数値はスマホ83%、PC76%なので、スマホ普及率はデンマークの方が高い点が特徴的です。
デンマーク人の71%がSNSを利用し、1日あたりのSNS平均利用時間は約1時間半です。
もっとも利用されているSNSはFacebookで82%、YouTubeが80%、Facebook Messengerが70%、Instagramが56%となっています。
このことから、訪日デンマーク人観光客はFacebook、YouTube、Instagramを介して、日本旅行に関する情報を収集する可能性が高いといえるでしょう。
そのため訪日デンマーク人観光客へのプロモーションを行う際には、Facebook、YouTube、Instagramなどデンマークでよく使用されるSNSから検討する必要があるでしょう。
ビジット・ジャパン追加で注目を集めるデンマーク市場
5年連続で増加を遂げているデンマークからの訪日観光客は、2020年にビジット・ジャパンの準重点市場に追加されたことにより、一層注目を集めています。
最も多くのデンマーク人が日本に訪れた月は7月で、その他、春(3、4月)と秋(10月)にも他の月にと比べて多くの訪日デンマーク人観光客が訪れています。
デンマーク人の98%がインターネットを、71%がSNSを活用しており、特に利用率が高いSNSはFacebook、YouTubeとInstagramです。
これらのSNSで情報発信やプロモーションを行うことで、デンマーク人に対する訪日旅行の需要喚起や来店の促進に寄与することができるでしょう。
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<参考>
We are social:DIGITAL 2020: DENMARK
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