堅実な成長を見せる「訪日フィンランド人」市場:5年間で訪日客数1.3倍増、誘致する上で押さえておきたい基本情報

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北欧地域からの訪日外国人観光客は年々増加傾向にあり、2019年度にはその数は141,004人と過去最高を記録しました。

このことから2020年度に北欧地域が「ビジット・ジャパン準重点市場」に追加され、今後成長の見込みのある市場として注目されています。

そこで本記事では、ビジット・ジャパン準重点市場で定義された北欧地域のスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークという4つの国の中でも、フィンランドに焦点を当て、国の基本情報や訪日フィンランド人観光客数の変遷、旅行の特徴などについて解説します。

北欧人はサイクリングで誘客せよ:訪日外客数14万人超、ビジット・ジャパン事業準重点市場の4か国の国民性とは?

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フィンランドがビジット・ジャパン準重点市場に追加

ビジット・ジャパン準重点市場」とは、国や地方公共団体、民間が共同で取り組む訪日プロモーション事業の対象のうち、今後の訪日インバウンドの成長が見込まれる国や地域のことを指します。

フィンランドは2020年度より、スウェーデンやフィンランドとともに北欧地域としてビジット・ジャパン準重点市場に追加されました。これにより、重点市場化に向けた市場調査市場調査や試行的なプロモーションが実施されます。

フィンランドを含む北欧地域が追加された理由は、2019年度の北欧地域からの訪日外国人観光客数が141,004人と過去最高を記録したためとされています。

日本への観光客数が増加傾向にある地域へ積極的にプロモーションをすることで、訪日外国人観光客数のさらなる増加や消費額の増加が期待されています。

この取り組みの一環として、JNTOが2021年1月にフィンランドのヘルシンキで開催される、北欧地域最大規模の旅行博覧会「Matka Nordic Travel Fair」に出展予定です。(新型コロナウイルス感染拡大のため、開催時期が2021年5月に延期されました。)

来場者5万人超 フィンランド開催の「Matka Nordic Travel Fair

Matka Nordic Travel Fair 2018は旅行と世界の食をテーマとする北欧最大規模の旅行博覧会です。毎年1月にフィンランドのヘルシンキで開催され、世界中から80カ国、1,000人以上の出展者が集います。イベントは期間を区切り、一般と業界関係者用の2部構成になっており、毎年50,000人を超える来場者と20,000人以上の旅行関係者が足を運びます。会場となったMessukeskus Helsinkiはヘルシンキ中心部からバスやトラムで15分ほどのアクセスの良い場所にあります...

官民一体で推進するビジット・ジャパン事業、2020年は「重点市場」に中東・メキシコを追加:新型コロナ収束の折には忘れず対策を

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フィンランドの基礎情報

フィンランドはヨーロッパの北に位置する国で、首都はヘルシンキです。

1917年に「フィンランド独立宣言」が採択されたことでロシアから独立し、「フィンランド共和国」が成立しました。

面積は33.8万平方キロメートルと日本よりもやや小さく、約551万人が生活しています。

1995年からEUに加盟し、国内では2002年からユーロが通貨として使われています。

主要言語はフィンランド語ですが、全人口の約5.2%はスウェーデン語を使っています。

信仰宗教としては、キリスト教の福音ルーテル派と正教会が多数となっています。

フィンランドの経済レベルはどれくらい?

国際通貨基金(IMF)の発表では、2019年のフィンランドのGDPは2,679億米ドルでした。

2019年の一人あたりGDPは、経済協力開発機構(OECD)によれば、51,414米ドルであったと発表しています。

なお同年の日本のGDPは4.91兆米ドルであり、一人あたりGDPは43,279米ドルという結果でした。

国全体としてのGDPを比較すると日本の方が大きいですが、一人あたりGDPを比較するとフィンランドの方が約8,000米ドルも大きい結果となりました。

フィンランド市場の訪日旅行データ

2019年度に141,004人と過去最高の人数を記録した北欧地域からの訪日観光客数ですが、フィンランドだけでみても訪日観光客数は増加しています。

ここからは、2015年〜2019年の過去5年間の訪日フィンランド人観光客数の変遷や、最も来日する時期、フィンランドでよく利用される情報収集手段の3つの側面からフィンランド市場を紐解きます。

訪日フィンランド人観光客数は過去5年間でどれくらい増えている?

日本政府観光局の発表では、訪日フィンランド人観光客は過去5年間で年々増加傾向にあります。

その変遷は2015年に22,655人、2016年に23,699人、2017年に25,310人、2018年に27,116人、2019年に29,437人と、堅実な増加を示しています。

▲[訪日フィンランド人観光客推移数推移(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]
▲[訪日フィンランド人観光客数推移(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]

訪日フィンランド人観光客は何月に日本にやってくる?

日本政府観光局が発表した「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2020年)」統計から、過去5年間の訪日フィンランド人観光客数を月別に分析してみます。

統計によると、訪日フィンランド人観光客が多く日本を訪れるのは3月~6月と10月であることがわかります。

花見でにぎわう時期の訪日客数が多いことから、「お花見」を楽しみに訪日するフィンランド人が一定数いそうです。

加えて、教育機関の夏休みにあたる5月、6月と秋休みにあたる10月にも訪日外客数が増加します。

▲[月別訪日フィンランド人観光客数(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]
▲[月別訪日フィンランド人観光客数(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]

訪日フィンランド人観光客の情報収集手段

We are socialが発表した「Digital 2020」から、フィンランド人の95%がインターネットを利用し、60%がSNSを利用していることが分かりました。

さらにSNS別に利用者数をみると、Facebookが270万人と最も多く、Instagramの190万人、Snapchat(スナップチャット)の110万人とつづいています。

またSNSの利用者層においては、25歳~34歳の若年層が23%と最も多くの割合を占めていることが特徴です。

これらのデータから、25歳~34歳のフィンランド人が日本への旅行を検討するときに、情報収集の手段としてFacebookやInstagramを用いていることが予想できます。


ビジット・ジャパン追加で注目集める訪日フィンランド人市場

2020年度よりフィンランドがビジット・ジャパン準重点市場に追加されたことで、フィンランド市場は大きな注目を集めています。

実際に訪日フィンランド人観光客数は年々増加傾向にあり、その数は2015年〜2019年の5年間で約1.3倍に成長していることが特徴です。

また、3月~4月、10月という日本の春や秋に多くの訪日フィンランド人観光客が訪れていることも判明し、この季節の日本旅行をアピールすることで訴求効果が期待できます。

さらに日本への旅行を検討する際に、FacebookやInstagramから情報収集している可能性が高く、これらのSNSを有効活用することでより多くのフィンランド人にアプローチできるでしょう。

訪日客5年間で1.5倍増、JNTOも注目している「意外な国」とは

北欧地域からの訪日観光客は年々増加傾向にあり、2019年にはその数は14万人を超え、過去最高を記録しています。このことから、2020年度より北欧地域が「ビジット・ジャパン準重点市場」に追加され、今後インバウンドの成長市場として注目されています。しかし北欧地域と一括りにしても、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークなどそれぞれの国によって特徴が異なります。そこで本記事では、デンマークに焦点を当て、訪日デンマーク人観光客のインバウンド市場の特徴を紹介します。インバウンド対策にお困り...

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<参考>

JNTO:国籍/月別 訪日外客数(2003年~2020年)

We are social:DIGITAL 2020: FINLAND

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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