中国向け、中田英寿が厳選した「本物の日本の逸品」を届けるECサイトが開設。コロナ禍の新たな需要創出となるか?

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新型コロナウィルス感染拡大の影響によりインバウンド市場は大きな打撃を受け、また人の往来が回復する見込みも立っていません。

一方で中国への越境ECの市場は年々拡大しており、コロナ禍でも成長を続けています。2019年の経済産業省の試算では、中国向け越境ECの市場規模は2022年までに2兆5,144兆円に上るとされています。

そんな中、これまで化粧品や家電に偏っていた中国向け越境EC市場に対して、日本の日本のモノづくりや文化の素晴らしさを伝える商品を売り込もうとする動きがあります。

この記事では、そのような中国越境ECに向けた日本製品のアピールの取り組みを紹介します。

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中国越境EC「百分百」、厳選した日本の品を集めた「にほんものストア」開設

中国のIT大手バイドゥが運営する中国向け越境ECプラットフォーム「百分百(baifenbai/バイフンバイ)」で、厳選された日本の逸品を販売するオンラインストア「にほんものストア」の中国版が1月18日にオープンしました。

ストアの中国語表記は「霓虹好物」です。「霓虹」は中国語で「にほん」と発音が似ており、日本を指す用語として定着しています。

▲NIHONMONO STORE 公式サイト
▲NIHONMONO STORE 公式サイト

「にほんものストア」の商品は、元サッカー選手の中田英寿氏が47都道府県に自ら足を運んで厳選した、職人や生産者のこだわりが感じられる逸品で構成されています。またそれらをただ単に販売するだけでなく、生産者のことを知ってもらえるように情報発信も行っています。

百分百における「にほんものストア」は、日本のストアの中から酒類などを除く一部の商品が中国から購入できるようになったものです。日本版と同様、生産者や商品が作られた製法、背景などを含めた紹介が写真や文章を交えて展開されています。

現在(2021年1月)購入できる商品は日本茶、デザート・お菓子類、調味料、工芸品(包丁などのキッチン用品)の4種類に分かれています。サイトでの一番人気は和歌山県の早和果樹園で生産されている「有田みかんジュース・ジュレセット」です。

海外におけるEC販売プロジェクト、「JAPAN MALL事業」とは

企業の国際ビジネス展開を支援する日本の独立行政法人であるJETROは、「JAPAN MALL事業」と呼ばれる事業を開始しています。

JAPAN MALL事業とは、海外ECサイトを通じた日本商品の販売促進を目的とした事業で、各国の主要ECサービスの日本法人と提携し、日本の商品買い付けを支援する取り組みが行われています。

また、ECサイト側からはプロモーションや販売が実施された後のデータが日本企業側に提供され、海外で売れる商品開発やマーケティングに活かせるという利点もあります。

JETROはJAPAN MALL事業の一環として上述のバイドゥの日本法人と提携しており、日本商品調達の支援などを行っています。

中国での日本からの越境EC市場で扱われるのは大部分が化粧品やサプリメントなどのドラッグストア商品、または電化製品などに集中しています。一方でその他の分野の商品の参入は難しい状態が続いており、市場でもほとんど注目されてきませんでした。

しかし経済が十分に発達し、中国都市部ではすでにモノ消費からコト消費へのシフトが進んでいます。そのような流れの中、日本の伝統工芸品や商品に込められた「物語」への需要、そして単に高品質なだけではない日本のこだわりを感じさせるモノへの訴求も高まっていくものと考えられます。

コロナ禍のせいにはできない、これからのインバウンド:「欧米豪市場のモノ消費」が秘めるポテンシャルについて

今もなお世界全体を脅かしている新型コロナウイルスの感染状況は、未だ終息の兆しが見えません。先日発表されたJNTOの調査によると、2020年3月の訪日外客数は約19.4万人と、前年同月の約276万人から93%減少していることがわかりました。4月の訪日外客数はさらに減少が見込まれ、この厳しい状況はまだしばらく続くと思われます。訪日ラボは、この厳しい状況下を、今まで当たり前と思われていたインバウンド戦略のあり方を見つめ直す時間と捉えています。本記事では、インバウンド需要が「モノ消費」から「コト消...


中国市場向け越境ECの新たな可能性として

コロナ禍によってインバウンドの客足が止まってしまった現在、日本にとってECによる売り上げの拡大がより重要となることは論を待ちません。コロナ以前からインバウンドの最も大きな相手国であった中国への越境EC市場は、その中でも大きな意味を持ちます

近年は中国人が求めるものも変化してきており、消費者の好みにも多様性が広がり始めています。日本の製品に求めることとしても、以前は単純に失敗しない買い物としての「日本品質」が選ばれていましたが、今後はより個性的な、日本の伝統や文化を感じさせるものが選ばれるようになるかもしれません。

日本のこだわりや文化が受け入れられ、強い訴求力を持つようになれば、日本の製品は中国EC市場でもこれまで以上の存在感を発揮できます。インバウンドの止まった今だからこそ、日本のモノが持つ良さを世界に発信していくことがこれまで以上に重要です。

<参考>

・バイドゥ株式会社:プレスリリース

・海外におけるEC販売プロジェクト(JAPAN MALL事業):JETRO(日本貿易振興機構)公式サイト

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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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