大阪万博の経済効果とは?IRとの相乗効果で東京五輪を上回る経済効果発生も。

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2025年に大阪で1970年以来二度目の万博が開催されます。新型コロナウイルス感染拡大の影響により東京五輪が当初ほどの経済効果を見込めない中で、3年後に開催される大阪万博の経済効果に注目が集まっています。

加えて、現在大阪では2020年代後半に開業が予定されているIntegrated Resort(統合型リゾート、以下IR)構想の実現化が進んでいます。

そのため、2025年大阪万博の経済効果はこのIR構想にも大きく影響する可能性があります。この記事では大阪万博の生み出す経済効果の試算について、大阪IR構想への影響も含めて紹介します。

関連記事:大阪万博とは?2025年の開催概要、経済効果、1970年の模様まで

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大阪万博とは

大阪万博が開催されるのは、大阪港に浮かぶ「夢洲(ゆめしま)」という人工島です。この場所には、万博後に大阪IR構想により様々な商業施設が誘致される予定になっています。

大阪万博の経済効果を考えるときには、同じ場所に設置される予定のIRの経済効果も含めて考えることで、より正確に経済効果を把握することができると考えられます。

この章では、そもその大阪万博とは何なのか、そして大阪IR構想とは何なのかについて紹介します。

大阪万博とは

まず、万博とは「国際博覧会条約」という国際条約に基づいて、複数の国が参加して行われるイベントです 。大阪万博は2025年4月13日から10月13日に開催され、万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」 となっています。

このテーマに従い、大阪万博の5つの基本計画として、

  • 海と空を感じられる会場
  • 世界中の「いのち輝く未来」が集う万博
  • 未来の技術と社会システムが見える万博
  • 本格的なエンターテインメントを楽しめる万博
  • 快適・安全安心・持続可能性に取り組む万博

があげられています。

大阪IR構想とは

IRとはIntegrated Resort(統合型リゾート)の略称で、カジノや劇場、国際会議場や展示会場などのMICE施設、ショッピングモールなどを建設し、このリゾート一体で休暇をすべて過ごすことのできるような施設の集合体の観光施設を表す言葉です。

代表的なIR観光地としては、アメリカのラスベガスを思い出していただくとよいかもしれません。

大阪のIR構想は、2013年12月に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(通称IR推進法案)が上程されたことを受け、大阪府大阪市が連携して立地準備に取り組むための「大阪府IR立地準備会議」が設置されたことから始まりました。

今年3月に設定された大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備 実施方針」によると、2021年9月頃に事業予定者を選定し、翌年2022年4月頃には国へ区域整備計画の認定申請を行う予定です。

なお、IRの開業については、2020年代後半を想定しています。

関連記事:55年ぶりの大阪万博が2025年に開催!「未来社会」や「持続可能性」を重視し、1970年を超える開催規模に

大阪万博の経済効果

この章では、大阪万博の経済効果について、誘致したときの試算や企業各社の予想、そして交通の便から見る経済効果について検証します。

経済波及効果試算

2015年4月に行政・経済界・有識者で構成する「国際博覧会大阪誘致構想検討会」が発表した「国際博覧会大阪開催検討データ収集等調査より中間報告」という資料によると、大阪万博の経済波及効果を2兆8,859億円と試算しています。

この経済波及効果には、会場建設費・運営費・大阪府内全体の建設・運営・消費支出から生まれる経済波及効果が含まれ2005年に開催された愛知万博のデータをベースとしています。

そこから大阪万博の直接的な経済効果(入場料収入やオーダーメイド型医薬品・医療サービスの普及、次世代型ウェアラブル端末等の普及・定着、次世代型携帯端末機器の普及等)として生み出される金額を1兆1,279億円と試算する一方で、万博のあとに生み出される間接的な経済効果を482億円と試算しています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、万博開催前の観光収入は減少する可能性がありますが、それでも大阪万博による経済の波及効果は十分に見込めるものと考えられます。

関西企業各社の予想

一方、2021年1月5日に発表された日本経済新聞のアンケートによると経済効果が見込める今後の大型プロジェクトとして、関西主要企業の88%が万博を挙げると同時に、47%の企業が大阪IR構想を挙げています。

大阪万博開催期間中の経済効果は、短期的に見ると東京オリンピックには及びません。しかし、イベント単位の金額として考えると、大阪万博のほうが東京五輪よりも経済効果が大きいといえます。

参考までに最近開催された国際的な万博の経済効果を見てみると、2010年の上海万博の経済効果は1.5兆円である一方で、2015年のミラノ万博でミラノ市は1.3兆円の経済効果を試算しています。

しかし、新型コロナウイルスのため、パビリオンの建設が遅れていることに加え、企業の財政的負担が増していることに不安を抱く意見もあります。

交通の便から見る経済効果

また、万博を景気にして大阪圏の交通の便が改善することで、経済効果を期待する声も多いです。まず、関西国際空港へのアクセスが良くなることで、隣接するりんくうタウンのアウトレットを訪れる観光客が増えることが予想されます。

しかし、万博会場の「夢洲」に行くためにはJR大阪駅から約30分かけて地下鉄中央線のコスモスクエア駅に行き、そこからバス移動することが必要になります。

万博開催時までには大阪中央線が延長される予定ですが、新型コロナウイルの影響で工事等に遅れが出ており、JR西日本を含む鉄道各社は延伸は万博までには間に合わないとしています。

IRとの相乗効果

この章では、大阪万博のあとに開業を予定しているIRの経済効果を検証します。

IRの経済効果について

2016年時点で大阪府は、IRにより約2,200万人の集客が見込まれ(内外国人観光客は約700万人)、IR開業に伴う経済波及効果は約19,600億円に及ぶこと、IR開業に伴う税収効果はカジノ特有の納付金等含めて約2,500億円となると試算しています。

関連記事:日本のIR(統合型リゾート)はどうなる?コロナの影響・観光業との関係・懸念事項

関西圏の経済の希望となる万博とIR

新型コロナウイルスの影響で経済界にも明るい話題が少ない中、大阪そして関西の企業にとって大阪万博IRによる経済効果は、十分に将来に希望を持つことができる金額となっています。

また、大阪万博IRも2020年代後半の開催となるため、新型コロナウイルス対策をすすめるまでの時間も多くのこされています。

東京五輪では予定通りの経済効果が見込めないなか、大阪で開催される2つのビックイベントは関西圏はもちろん、日本全体への経済的な相乗効果をうみだすことが期待されています。

関連記事:【独自】万博を見据え、関西観光本部が掲げる「2025に向けた3つの挑戦」とは デジタルマーケティング室長・桑原氏インタビュー

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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