【海外の反応】日本から台湾へのワクチン提供はどう受け取られたか?過去の日・中「マスク援助」との違い

日本政府は2021年6月4日、新型コロナウイルスの感染拡大でワクチン確保に苦しむ台湾に対し、国内供給用に調達した英製薬大手アストラゼネカのワクチン約124万回分を提供しました。

台湾の人々からも大きな反響が起きました。その一方でワクチンという性質からか、慎重な声や、反発する声も見られます。

昨年には日本と中国がコロナ禍で不足していたマスクを寄贈し合い、「絆」を感じさせた出来事がありました。それと今回のケースとではどう異なるでしょうか。

日本政府、台湾の感染急拡大受けワクチン提供

日本政府によると、6月4日アストラゼネカ製ワクチン約124万回分を積んだ輸送機が台湾に到着すると発表されました。

台湾衛生福利部疾病管制署は、今回のワクチン提供に対し、2021年5月26日に中央流行疫情指揮センター(CECC)から日本に深い謝意を表明するとのプレスリリースを出しています。

また、台湾の蔡英文総統も、自身のTwitterで日本語で感謝の意を表明しています。

台湾総統が日本語で感謝の意を表明:Twitter
▲台湾総統が日本語で感謝の意を表明:Twitter

Twitter:蔡英文氏の投稿(https://twitter.com/iingwen/status/1398276244219727872

台湾の人々の反応はおおむね好意的、ただし副反応を恐れる声も

日本から台湾へのワクチン寄贈について、インターネット上では台湾の人々から様々な意見が寄せられました。

台湾人の人はおおむねワクチン寄贈に対し好意的な印象を示し、日本への感謝を示すメッセージが発信されていました。

さらに「不愧是台灣人的好朋友。(さすが台湾人の良き友人だ。)」

「下次去日本旅遊, 換我拿牌子上面寫“感謝日本朋友”(次に日本に遊びに行くときは「日本の友人に感謝」と書いたプラカードを掲げようと思う。)」

のような、日台の友好的関係を後押しするメッセージも見られました。

しかし、日本からのワクチンに対し不信に感じる人も存在していることも事実です。インターネット上ではこのような声も見られました。

「台灣在東日本311大地震,民間自發性為日本出錢出力,捐款世界第一,日本卻給會有血栓副作用,太多不需要的AZ疫苗,因為日本老人多怕血栓,所以没什麼好感謝的!

(東日本大震災のとき、台湾では民間が自発的に日本に募金し、その金額は世界一となったにもかかわらず、日本は血栓の副作用が出るため不要になったアストラゼネカのワクチンを(台湾に)押しつけている!日本は高齢者が血栓を恐れて(アストラゼネカのワクチンを)打たないからだ。何に感謝しろというのか!)」

このように一部の人々からは、ワクチンの副反応への恐れから批判的な声があがりました。

コロナ禍での助け合い、関係改善からインバウンド獲得へ

今回の国境を越えた物資の援助は、昨年のコロナ禍初期にみられた日本と中国のマスクの贈り合いを思い出させます。

昨年1月から2月にかけて、新型コロナウイルスの感染が最初に確認された中国でマスク不足に陥ったことから、日本から中国へマスクの寄贈が行われました。

厚生労働省によると、2020年1月29日にマスク約1万5,000個が武漢に送られています。

また、武漢市と40年以上友好都市関係を結んでいる大分市では同年1月27日、「武漢加油!(武漢がんばれ)」と書かれた段ボールに入ったマスク3万枚が送られました。

この援助について、中国国民からは感謝の言葉や日中関係改善に期待する声が多数寄せられました。

人民日報がWeiboでこのニュースを投稿したところ、2万5,000回シェア、また2万7,000件のコメントがつきました。コメントには「謝謝(ありがとう)」などの感謝の言葉や「(この寄贈を)忘れません」というメッセージが並びました。

また2020年4月ごろ日本がマスク不足に陥った際には、中国から日本に多数のマスクが寄贈されました。

4月23日には、武漢市からマスク送付のお礼として5万3,000万枚のマスクが大分市に届きました。

また、北九州市と友好都市関係を結ぶ大連市では、2月に北九州市から大連市に260枚マスクを送ったところ、4月には769倍(20万枚)のマスクが大連市から「北九州加油!日本加油!(北九州がんばれ、日本がんばれ)」のメッセージと共に送られてきました。

一方で今回の台湾へのワクチンの支援については、マスクとは違う事情も絡みます。

新型コロナウイルスのワクチンはきわめて短いスピードで開発・承認されたことから、その信頼性について不安感を覚える人もいます。その不安感から批判的な意見を持つ人がいても無理はないでしょう。日本と台湾の歴史的な関係性を振り返っても、日本政府に対して今回の寄贈の意図を深読みする人が現れることは不思議ではありません。

今回のケースに限らず、台湾を「親日国」という一面的な捉え方で認識することはトラブルの要因にもなりえます。

とはいえこうした助け合いの積み重ねが信頼を生み、訪日観光客の往来再開の際インバウンド需要を後押しする要因となることが期待されます。そのためには、台湾現地の空気や感情を理解した情報発信やコミュニーケーションが求められます。

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<参照>
外務省:チャーター便の武漢到着:支援物資の中国側への引き渡し
北九州市:友好都市中国・大連市からのマスク20万枚の提供について
台湾衛生福利部疾病管制署:CECC expresses gratitude and respect to Japan for considering providing COVID-19 vaccines to Taiwan
毎日新聞:新型コロナ 友好都市・中国の武漢市、大分市にマスク5万枚 市長「大変感謝している」 /大分

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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