新型コロナウイルスの感染拡大は続き、まだまだ自由な外国旅行が見えていませんが、インバウンド業界では在留外国人が注目されています。
コロナ渦が落ち着き渡航制限が解除され気軽に旅行ができる時が戻れば、まずは日本にいる在留外国人と再会するために、現地の知人・親族が日本に訪れることが予想されます。これはVFR(VFR:Visiting friends and relatives)と呼ばれています。
在留外国人が多く住んでいる地域や、その周辺の商業地や観光おいて、コロナ収束後のインバウンド消費が期待されています。日本で在留外国人が多い地域はどこなのか、公的機関が公表している情報より、各国の外国人が居住する日本の自治体ランキングを紹介します。
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国籍別在留外国人の1位は中国、4位までをアジアが独占
令和2年末の日本の在留外国人を国籍別でみると、1位は中国で約78万人です。この数は在留外国人の27%に相当します。
2位以降は45万人のベトナム、43万人の韓国、28万人のフィリピン、21万人のブラジルと続き、以下ネパール、インドネシア、台湾、アメリカ、タイがいずれも数万人規模で続きます。令和元年から令和2年にかけて各国の在住者が減少する中、在留ベトナム人は36,000人増えた一方で、それまで2位だった在留韓国人と逆転しました。
また昨今、ベトナム料理屋やベトナム食材店は多く、以前に比べネパール人によるインド、ネパール料理屋も見かけるようになりました。そんな一方で、ブラジル人はネパール人に比べ2倍以上も多く在留しているのに、東京在住者でブラジルの店を街中で見かける人はあまりいないのではないでしょうか。
しかし、在留ブラジル人21万人のうち、約4割に当たる92,752人が東海地方に在住しているという事実から、日本の地域によってそこに在住する外国人構成が大きく異なることが伺えます。
そこで各外国人がどこの市町村に多く滞在しているのか、その最新統計は4年前の平成29年(2017年)と少々古いですが紹介します。
在留中国人が多い都道府県及び市区町村ランキング
まずは平成29年当時で79万人いた在留中国人数です。
最も多く住んでいる自治体は、都道府県別では1位が東京都で225,239人、このうち特別区に192,242人在住します。2位以降は埼玉県、神奈川県、大阪府、千葉県と続き、市町村別では横浜市が最も多く4万人超で、以下大阪市、名古屋市、川口市、川崎市と続きます。
ただ、2020年のデータでは川口市が最も外国人が多い自治体となっているため、現在は大きく状況が変わっているといえそうです。
東京の区部では、トップの江戸川区と江東区が僅差で16,000人超、その後に足立区、板橋区、新宿区、豊島区、葛飾区、北区が1万人以上で続きます。
在留韓国人が多い都道府県及び市区町村ランキング
続いて当時44万人いた在留韓国人数です。
都道府県別では1位が大阪府で96,000人、2位の東京都で92,000人を上回りました。3位以降は兵庫県、愛知県、神奈川県、京都府と続き、関西に韓国人が多いことが伺えます。
市町村別では東京都特別区が78,714人でトップになるも、それより全体の人口で大きく下回る大阪市が61,843人で2位となりました。。そのうちの約20,000人が生野区に在住します。3位以降は18,539人の京都市、15,519人の神戸市、15,265人の名古屋市と続きます。
東京都特別区では新大久保のある新宿区が1万人でトップで、以下足立区、荒川区の順となりました。
在留ベトナム人が多い都道府県及び市区町村ランキング
近年急増するベトナム人は当時42万人でした。
都道府県別で最も多いのが愛知県で41,655人、2位以降は36,000人強の東京都、36,000人弱の大阪府、28,807人の埼玉県、25,890人の神奈川県と続きました。
市町村別では28,262人の東京都特別区がトップで、17,475人の大阪市、10,364人の名古屋市、9,153人の横浜市、7,446人強の神戸市、6,721人弱の福岡市と続きました。特別区では豊島区が3000人強で最も多く、江戸川区、新宿区と続きます。日本全国に分散している傾向であることがうかがえます。
在留フィリピン人が多い都道府県及び市区町村ランキング
当時28万人のフィリピン人も、都道府県別では愛知県が最も多く39,209人です。2位以下は34,124人の東京都、23,578人の神奈川県、21,427人の埼玉県という結果になりました。
市町村別では25,541人の東京都特別区、約9,539人で名古屋市、大阪市、横浜市が続きます。東京都特別区では足立区が4,000人でトップで、以下は江戸川区、大田区の順でした。足立区では、竹ノ塚がフィリピンの店が多いことで知られています。
在留ブラジル人が多い都道府県及び市区町村ランキング
大きく傾向が異なるのが当時21万人いたブラジル人です。
都道府県別では61,599人の愛知県が1位、それに続いて31,153人の静岡県、14,047人の三重県、13,252人の群馬県、12,376人の岐阜県と中京圏が目立ちます。
市町村別でも10,062人の浜松市が1位で、以下8,931人の豊橋市、7,029人の豊田市、5,080人の名古屋市と磐田市、それに4,761人弱の大泉町が続きます。
中京圏では、工場勤務の日系ブラジル人が団地などに集住する傾向にあります。また大泉町は群馬県南東部に位置し、東武線の西小泉駅が最寄りのブラジリアンタウンとして知られ、ブラジルほかペルー、タイ、ネパール、カンボジアなど、様々な国籍の商店があり、地元の工場勤務の外国人労働者をサポートしています。
尚、東京都には4,000人弱が在留しています。
その他の都道府県、市区町村別の在留外国人ランキング
95,000人いるネパール人は、都道府県別では1位が東京都で25,000人(うち特別区が22,000人)、2位が愛知県で9,000人、3位が神奈川県で8,000人です。市町村別では多い順に東京都特別区、名古屋市、福岡市、横浜市となりました。
66,000人いるインドネシア人は、都道府県別では1位が愛知県で7,000人、2位が東京都で5,000人、3位が茨城県で4,000人です。市区町村別では多い順に東京都特別区、大阪市、横浜市となります。インドネシア人が多い茨城県ですが、具体的には東部の鉾田市、大洗町、小美玉市に集中しています。
59,000人いる台湾人は、都道府県別では1位が東京都で20,000人、2位が大阪府で7,000人、3位が神奈川県で6,000人です。市町村別では東京都特別区、大阪市、横浜市の順となりました。
57,000人いるアメリカ人は、都道府県別では1位が東京都で20,000人、2位が神奈川県で6,000人、3位が大阪府で3,000人です。市町村別では東京都特別区、横浜市、大阪市の順ですが、特別区の中でも最多の東京都港区と3位の大阪府が同数という結果になりました。
六本木をはじめ港区では外国人を多く見かけますが、それを裏付ける結果であると考えられます。
53,000人いるタイ人は、都道府県別では1位が東京都で8,000人、2位が千葉県で6,000人、3位が茨城県で5,000人です。市町村別では東京都特別区、横浜市、大阪市の順となりました。
このようにみると、外国人が多い地域では必ずしも全ての国籍の在留外国人が集まっているわけではなく、ある国の外国人が多く住んでいるというケースが一般的です。特定の国の在留外国人が多く住んでいる各地域の自治体は、その国籍の人々をターゲットとした局地的なインバウンド向け施策が効果的といえそうです。
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