中国では、7月ごろから芸能人の不祥事が次々と明らかになり、官民を挙げてのバッシングに発展しています。
その理由は様々で、強姦や脱税などに加えて、精日(精神的日本人)だからという理由や、ファンへの管理不足なども挙げられています。
これらのうち、強姦や脱税など日本でも違法となるものを除いて、中国独自の部分について解説します。
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中国、不可解な理由で”消される”芸能人
中国では、不祥事により芸能界から「消される」事件が相次いでいます。
韓国アイドルグループEXOの元メンバーで、中国SNSのWeiboでフォロワー5,000万人を誇るカナダ国籍の中国人スター、呉亦凡(クリス・ウー)の強姦容疑逮捕事件を皮切りに、次々と人気芸能人が事実上追放されています。
その理由は様々ですが、なかには日本では「消される」理由に当たらないようなものも存在します。
精日(精神的日本人)により仕事を干されることも
「山河令」などのドラマで爆発的人気を博した張哲瀚(チャン・ジャーハン)は、明治時代の陸軍大将である乃木希典をまつった乃木神社で撮影した写真や、靖国神社で写真を撮っていた過去が暴かれ、「精日(精神的日本人)」として激しいバッシングを浴びました。
特に第二次世界大戦に関する歴史をめぐっては厳しい反応を受け、結果的に張哲瀚はコカ・コーラ社など20社以上の企業からCM契約を打ち切られ、中国ファンに対して謝罪文を発表しました。
さらに中国の国民的美少女女優として知名度を広げ、トップ女優として活躍していた趙薇(ヴィッキー・チャオ)も、突如検索できなくなりました。
彼女は2001年11月のファッション誌のグラビアで、旭日旗に似たデザインのドレスを着用し「売国奴」と大バッシングを受けた過去があります。
突然追放された理由ははっきりしないものの、趙薇は「精日」と批判された張哲瀚の所属する事務所を経営しており、彼女自身も元祖・精日として取り締まられた可能性を疑う声も上がっていたようです。
ファンクラブで消された事例
また最近、ファンクラブ内での揉め事によって消される芸能人も増えています。
2021年8月下旬、中国の人気女優、趙麗穎(チャオ・リーイン)と、若手俳優である王一博(ワン・イーボウ)のドラマ再共演が報じられた際、趙麗穎のファンコミュニティがネット上で猛烈な反対活動を展開しました。
ネット上で趙麗穎と王一博の熱狂的ファングループが互いに罵倒する「ファン戦争」に発展すると、スターおよび芸能事務所のファンに対する管理不足だとバッシングを受け、趙麗穎のアカウントは15日間凍結の処罰を受けました。
中国政府、「習近平の思想を学ぶように指示」
芸能人の追放が相次ぐなか、中国当局は芸能人を対象として「習近平国家主席の思想を勉強するように」と指示しました。
澎湃など現地メディアによれば、中国文化観光部は2021年8月、「芸能人の教育管理と道徳性強化策」を発表し、習近平主席の文化芸術関連の発言を芸能人が勉強し、意味と本質を理解しなければならないとしました。
違法・不道徳的行為で摘発された芸能人には、舞台とプラットフォームを提供しないとの強力な措置を予告しています。
日本人・日本企業ができることは?
中国独自のタブーをめぐっては、中国の芸能人やインフルエンサーを起用している場合や、日本人が中国をターゲットとしてSNS上での活動を展開する場合など、日本人として慎重な対応が必要となります。
政治的な投稿は避ける、また発信日にも注意
日本人においては、特定の政治的日程において中国のSNSで投稿ができなくなるなど一部制約があることに注意し、また戦争関連や中国の政治に関する発言については避けた方が無難でしょう。
公式情報としては発表されていないものの、Weiboでは中国政府による検閲が存在するといわれています。
特に中国の政治に関する話は、アカウントが削除されたケースもあり、投稿内容には細心の注意が必要です。
中国人にとって政治的にセンシティブな日は、中国国外からの投稿に一定の制限がかかる可能性があるほか、中国で閲覧できないFacebookやYouTubeなどのリンクを掲載した場合も、トラフィック制限(投稿に成功してもフォロワーに表示されない)がかかる恐れがあります。
中国では、ファンクラブに対する監視が特に強まっているといわれています。
日本人としては、芸能人を熱烈に応援し過ぎない(ファン同士の間でもめない)ことや、政治的な動向は発信しないことなどが求められるでしょう。
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