11月10日、BEENOS株式会社による2021年の越境ECランキングが発表されました。
本ランキングはBEENOSグループの商品代理購入サービス「Buyee」における2021年1月1日~2021年9月30日の購買データ及び前年同期比のデータをもとに、独自に算出されたものです。
本記事ではBEENOSが発表した越境ECランキングの詳細をお伝えします。
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2021年の消費傾向「世界同時消費」2008年頃から中国を中心に盛んになった
2008年頃から中国を中心に盛んになった「越境EC」は現在、中国だけでなく北米やヨーロッパなどに広がっています。2021年は新型コロナウイルス禍により更なるDXが進んだことでEC=グローバルが当たり前になっています。
従来は国それぞれのプラットフォームで消費活動が行われていました。しかし近年、DXがグローバル化したことで世界のプラットフォームが共通になってきています。そこで可能となったのが「世界同時消費」です。

例えば動画配信サービスNetflix (ネットフリックス)のドラマ「イカゲーム」は世界同時配信され世界的にヒットしました。日本のアニメでは「呪術廻戦」が世界最大級のアニメ配信サイト「クランチロール」で最新話とほぼ同時に世界へ配信されることで海外でヒットしました。
上記のようにDXのグローバル化はヒットの時差を解消してくれます。日本国内でヒットした商品やサービスを世界に販売するのではなく、新商品を同時にリリースすることで時差を無くし、世界との取引はよりボーダレスになります。さらにコストの低下も実現することが出来ます。
共通プラットフォームによる世界同時配信やそれを可能にするリアルタイムでの翻訳機能により、ヒットの時差が縮まったことで世界同時消費が可能となっています。
2021年、世界で売れた日本商品ランキング
2021年、世界の越境ECにおける消費傾向は約2年のコロナ禍でオタク消費がより顕著になっています。
さらに、DXやSNSの浸透により世界共通のトレンドが同時にヒットしています。

東アジア:デザイナーズブランドなど高品質製品が人気
東アジアにはEC大国中国を筆頭に日常的にECが利用されています。越境ECへの抵抗感が低く、生活に浸透していることが背景にあります。
注目すべきは人気TOP5の4位にアンティーク商品がランクインしている点です。中国は近年レトロブームで、中国国内では「レトロ居酒屋」なども流行しています。また、レトロブームは最近の日本でも各所に見られます。

東南アジア:日本ブランドに安心感
NEXTチャイナともいわれる東南アジアでは、ECが急速に発達しました。経済成長時にECが当たり前の環境であったことが背景にあります。
注目すべきは人気TOP5の4位、時計です。マレーシアの時計需要が高く今年も継続しています。日本ブランドに安心感を持つ東南アジアの人々は訪日意欲も高い傾向にあります。

ヨーロッパ:カルチャー志向 音楽やゲームが人気
ヨーロッパはカルチャー志向が高く、音楽や釣り、ゲームやスポーツなどホビー用品がランクインしています。
注目すべきはメインユーザーの年齢層が比較的高い点です。日本から離れた距離にあるので配送料も高額になってしまうため、経済的に余裕のある世代が利用する傾向にあります。

北米:定番のアニメだけでなくVTuberのホロライブも人気
Buyeeの国別シェアトップであるアメリカはメインユーザーが20代前後と比較的若いことが特徴です。人気コンテンツはVtuberのホロライブで若年層のSNS利用が背景にあります。

「エンタメ」と「ファッション」が越境ECの2軸
越境ECでは現在、キャラクターとそれに付随するコンテンツ、コンセプトや世界観が明確であるブランドが売れる傾向にあります。その軸となるのが「エンタメ」と「ファッション」です。
エンタメ:オタク消費の機運が高まっている
エンタメ関連商品は2021年、2019年と比べて3.16倍に流通が拡大しています。背景には越境ECと相性のよい「コレクター」「資産価値」の流行があります。
アニメをはじめとしたエンタメ製品は限定商品などをリリースしやすく、特撮ヒーローのフィギュアなど「コレクターアイテム」はエンタメで人気の製品です。
「資産価値」は遊戯王などのトレーディングカードに見られます。レアな商品が海外では日本よりも高額で流通し、投資の対象となっています。また、幼少期の再発掘として再ブームが起こっていることも背景にあります。
「コレクター」と「資産価値」によるオタク消費やロングテールの人気が越境EC内のエンタメを支えています。
ファッション:人気を博したのはデザイナーズブランド
ファッション関連商品は2021年、2019年と比べて4.82倍に拡大しました。背景にはの明確なブランドコンセプトを持ったデザイナーズブランドなどが発信をし続けていることがあります。
例えば2001年にスタートした裏原系ラグジュアリーブランドの「visvim」はロンドンやイタリア、ニューヨークに店舗展開をしています。ソール交換の可能な「履き続けられる」スニーカーは海外のインフルエンサーで話題となり、世界的ヒットをしました。
SNSが主流の現在、インフルエンサーらによる現地でのコミュニティで人気が熟成するケースも出てきています。
今後の越境EC「ブーム」ではなく「スタンダード」に
BEENOSグループのBeeCruise株式会社執行役員の本間哲平氏は、越境ECは今後ブームではなくスタンダードになると述べています。経済産業省の令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)によると世界の越境ECの市場規模が2026年には2019年の6倍以上になると予想されています。
さらに、インバウンド再開が予想される今後の越境ECの在り方にも期待できます。
Buyeeのお客様に対するオンラインアンケート(2021年9月実施)ではコロナが収束し、訪日ができるようになっても越境ECを使用したいと答えた人は95%以上でした。
また訪日した後に、越境ECで気に入った商品をリピート購入したいと答えた人も92%以上でした。
「越境ECは世界中にニーズがあり海外対応しないと機会損失になってしまう。」「コロナ収束でインバウンド再開する今、より多くの企業がECに重点を置き海外向けの販売環境を整えることでインバウンド再開に備えることが重要である。」と本間氏は述べています。
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<参考>
BEENOSプレスリリース:https://beenos.com/news-center/detail/20210629_bns_pr/
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。
本セミナーでは、インバウンド戦略の基本を押さえた上で、「中国市場の最新動向」と「具体的な対策」について、わかりやすく解説します。
<本セミナーのポイント>
- インバウンド戦略の基本が学べる!
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詳しくはこちらをご覧ください。
→消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント【7/9開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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