世界最大手の民泊仲介サイト「Airbnb」は、英調査会社「エコノミストインパクト社」が実施した「持続可能なツーリズム」と「新型コロナウイルス感染症のパンデミック後のアジアのツーリズム」に関する意識調査の結果を発表しました。
本調査はAirbnbの委託を受けたエコノミストインパクト社が、アジア太平洋地域の9か国(日本、オーストラリア、インド、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ)に居住する約4,500名を対象に、2021年10月に実施したものです。
日本を含む上記の地域全体で、「自身の旅行が旅行先の地域社会にポジティブな影響を及ぼしたい」といった意識の高さが明らかになっています。
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パンデミック後のアジアのツーリズム:アジア太平洋地域への意識調査
「新型コロナウイルス感染症のパンデミック後のアジアのツーリズム」に関する意識調査については、アジア太平洋地域全域に居住の約4,500名を対象としています。
同調査では、以下の「持続可能なツーリズム」に関する意識について
- 回答者の3分の2以上「旅行をする際、旅行先の人々にポジティブな影響を与えることが重要」
- 回答者の58%「オーバーツーリズムに加担しないことが重要」
- 回答者の60%以上「多数の地域コミュニティは経済的回復が必要としていることを認識、今後の旅行には旅行先でのお金の使い方を銘記」
- 回答者の約60%「旅行先の地域コミュニティにとって重要なことは何か、旅行者はどのように寄与できるか、以前より意識的になる」
- 回答者の3分の2「旅行の重要性を地域のコミュニティやその地域の文化と有意義につながる方法として認識、また60%は、地域コミュニティに溶け込むことが重要」
上記の結果が得られています。
多くの人が地域社会にポジティブな影響を及ぼす旅行をしたいと考えていると同時に、旅行先のコミュニティに自らがいかにして溶け込み、そこに貢献するためには何が必要かを意識する旅行者が多くいると考えられます。
持続可能なツーリズム:日本人への意識調査
日本人(513名)を対象にした持続可能なツーリズムに関する意識調査では、コロナ禍が及ぼした「持続可能な旅行」への高い意識がうかがえる結果となりました。
- 68.6%「持続可能な旅行は自分にとって重要」(大変そう思う=26.5%・ある程度そう思う=42.1%)
- 約6割(58.3%)「新型コロナウイルスの感染拡大は旅行への考え方に大きく影響したと思う」(大変そう思う=24.8%・ある程度そう思う=33.5%)
日本国内では旅行先のコミュニティへの意識の高さが浮き彫りに
日本国内への旅行については旅行計画を検討する際に重要な事柄について、自身の旅行が旅行先のコミュニティ・地域経済にポジティブな影響を及ぼしているかどうかを半数以上の回答者が重要であると回答しています。
- 次の旅行計画を検討する際に重要だと思うこと
- 45.8%「自分が費やすお金が、地域コミュニティに良いことか否か」
- 53.0%「旅行先の人々にポジティブな影響を与えるか否か」
- 54.8%「自身の旅行が地域経済に貢献しているか否か」
- 45.6%「旅行は、普段とは異なるコミュニティや文化に有意義に触れることの可能な手段であると思う」
以上より、日本人消費者の旅行先の土地・文化に触れることへの有意義さに対する理解度がうかがえる結果となりました。
Airbnbアジア太平洋地域の公共政策担当ディレクターであるスティーヴン・リュウ氏は今回の意識調査の結果を踏まえ、以下のように述べています。
「Airbnbは各国の政府やコミュニティと提携して、旅行業界を取り巻く変革を進めることで、すべての人に具体的で永続的なメリットを提供する方法の創出に取り組んでいます。
この絶好の機会を最大限に活用するため、旅行業界と政府、両者の協力が非常に重要と考えます。」
関連記事:「すでに旅行先のリサーチ開始」59% トリップアドバイザーの調査が指摘
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