日本政府観光局(JNTO)が2022年5月の訪日外客数推計値を発表しました。
5月の訪日外客数は147,000人で前年同月比1,364.9%増となりました。4月に引き続き、2か月連続で10万人を突破し、前年同月比では約13倍となりました。
本記事では、5月の訪日外客数について、各市場のデータと動向をふまえて解説します。
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5月の訪日外客数は147,000人
5月の訪日外客数は147,000人で、前年同月比1,364.9%増でした。4月は2年ぶりに訪日外客数が10万人を突破しましたが、2か月連続で10万人を超えました。
6月以降の見通しについて、入国者数の上限が2万人にひきあげられたほか、外国人観光客の受け入れが開始されることからさらなる増加が見込まれます。
また、入国者数の上限が撤廃される、との声もあり、観光ビザの発給も含めて夏の観光シーズンに向けてどれほど緩和できるのかが焦点となりそうです。
東アジア
5月の東アジア各国の訪日客は、韓国が8,800人、中国が17,600人、台湾が1,900人、香港が700人となりました。
韓国は、6月8日からワクチン未接種者も含め、すべての人に対し入国後の隔離義務が撤廃されました。
6月から日本への渡航に関して、日本政府は「青」「黄」「赤」の3色に区分し、入国制限の内容を変化させています。
訪日外客統計が取られている東アジアの国・地域はすべて「青」に区分され、観光目的でのビザの発給が可能となりました。
ただし、中国では実質的に観光目的での渡航が不可能な状態が続き、台湾、香港でも日本は海外旅行自粛の対象となっています。
東南アジア
5月の東南アジア各国の訪日客は、タイが2,900人、シンガポールが1,200人、マレーシアが1,600人、インドネシアが8,700人、フィリピンが6,700人、ベトナムが39,000人、インドで4,500人となりました。
タイでは、6月1日以降、日本からタイへ入国する場合は原則隔離が免除されます。これはワクチン未接種者も対象です。
ただし、「オンアライバルビザ」の対象ではなく、日本から入国する場合は事前にビザの取得が必要です。「オンアライバルビザ」の対象国は中国、インドをはじめとした21ヵ国に限られています。
訪日外客統計が取られている東南アジアの国では、日本政府によってベトナム、インドが「黄」に区分され、その他の国はすべて「青」に区分されています。
またこれらの国の中で、インド政府のみ日本を渡航自粛要請の対象としています。
豪州・北米
5月の豪州・北米からの訪日客は、オーストラリアが1,500人、アメリカが8,100人、カナダが900人、メキシコが200人でした。
オーストラリアでは、ワクチン接種済みであれば外国人の入国が可能です。
また、5月には旅行博「Snow Travel Expo」が開催され、オーストラリアでも白馬村やニセコ町への人気が高まっている様子がうかがえました。
アメリカのCDCは、6月12日からアメリカ行航空便の搭乗前に義務付けていた陰性証明等を撤廃すると発表しました。
この影響で、ワクチン接種者であれば隔離も免除されたまま検査なしに渡航することが可能になりました。
カナダでも、航空及び鉄道の搭乗及び乗車のために義務付けられていたワクチン接種証明書の提示は6月20日より停止されています。
訪日外客統計が取られている豪州・北米の国は、日本政府によってすべて「青」に区分されています。
関連記事:「早く日本に行きたい...」「すでに予約した」豪・旅行博Snow Travel Expoの盛況ぶりからわかること
欧州
5月の欧州各国からの訪日客数は、イギリスが1,900人、フランスが2,000人、ドイツが2,200人、イタリア900人、スペイン500人、ロシアが400人となりました。
フランスでは、同国観光開発機構が観光ワークショップ「Sakidori France」を3年ぶりに東京でリアル開催しました。フランスに観光客を呼び込もうと、情報発信を続けています。
ドイツでは6月11日から、日本を含む欧州域外からの入国でも新型コロナウイルスに関する証明提示を求めなくなりました。これにより、観光や知人訪問(VFR)を目的とした入国も可能になりました。
イタリアでも、6月1日から新型コロナウイルスに関する各種証明書の提示が不要になりました。マスク着用義務も、5月1日から公共交通機関の利用時を除き撤廃されています。
またスペインでも、5月21日から日本を含むEU・EFTA域外でもワクチン未接種、陰性証明書のみで入国できるようになりました。
スペイン国家統計局によると、4月に同国を訪れた外国人観光客は610万人で、前年同月比の約10倍となっています。外国人観光客の支出額も新型コロナウイルス禍前の水準近くに回復しています。
訪日外客統計が取られている欧州の国は、日本政府によってすべて「青」に区分されています。
ただし、サル痘など新たな感染症が広がりつつあり、サル痘に関して緊急事態宣言がWHOから出されるのか、それによって入国制限がどのように変化するのかが注目されます。
中東
4月の中東地域の訪日客は、600人となりました。
中東でも、入国制限の緩和が進んでいます。5月10までに、バーレーンとクウェートは入国者に対する新型コロナ関連の規制を全て撤廃しました。
アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、オマーンでも、ワクチン接種済みであればPCR検査や隔離なしで入国が可能となっています。
現地紙によると、サウジアラビア観光大臣は6月7日、観光訓練を実施するために、10万人以上の若者に1億ドルを投資すると発表しました。今後も中東で観光産業が振興するのか、注目されます。
訪日外客統計が取られている中東の国では、主にバーレーン、アラブ首長国連邦などが「青」として区分されていますが、大半の国が「黄」区分にとどめられています。
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<参照>
イタリア政府観光局:≪2022年6月23日更新≫ 渡航に際する情報
外務省:国際的な人の往来再開に向けた措置について
外務省:新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置
スペイン政府:Spain recovers 85% of its international visitors in April and total spending is close to prepandemic levels
フランス観光開発機構:SAKIDORI FRANCE 2023 プレスワークショップ
ASIANET:Saudi Arabia Launches One Of The World's Biggest Investments In Next Generation Of Tourism Professionals
CDC:CDC Rescinds Order Requiring Negative Pre-Departure COVID-19 Test Prior to Flight to the US
JETRO:スペイン入国条件を緩和、陰性証明書だけでも入国可能に
JETRO:ドイツへの入国規制を緩和、暫定的に観光目的の入国も可能に
JETRO:GCC諸国が新型コロナ関連の入国規制を緩和、バーレーンとクウェートは全て撤廃
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