6月の訪日外客数は120,400人、3か月連続で10万人突破 前年同月比12倍に

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日本政府観光局JNTO)が2022年6月の訪日外客数推計値を発表しました。

6月の訪日外客数は120,400人で前年同月比1,201.5%増となりました。3か月連続で10万人を突破し、前年同月比では約12倍となっています。

本記事では、6月の訪日外客数について、各市場のデータと動向をふまえて解説します。

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6月の訪日外客数は120,400人

6月の訪日外客数は120,400人で、前年同月比1,201.5%増でした。4月に2年ぶりに訪日外客数が10万人を突破して以降、3か月連続で10万人を超えましたが、5月からは2万人程度減少しました。

6月からは外国人観光客向けに添乗員付きパッケージツアーの受⼊れが再開されましたが、世界的な目線で見るとまだまだ旅行への制限が多く、夏休みシーズンを迎えた外国人のニーズに十分に応えられなかった結果、微減したと考えられます。

7月以降、日本国内ではオミクロン株の感染者が爆発的に増加しています。行動制限を伴う緊急事態宣言は現在のところ発出されない様子ですが、外国人観光客の受入れ環境が改善される様子は見られず、このまま10万人規模の受入れを保ち続けることができるのかが焦点となりそうです。

また7月23日、サル痘の緊急事態宣言がWHOから制限されました。世界的に渡航制限が再び課されることとなるのか、注目されます。

訪日外客数推移
▲訪日外客数推移

東アジア

6月の東アジア各国の訪日客は、韓国が11,200人、中国が14,700人、台湾が2,400人、香港が800人となりました。

ただし、中国では現在も実質的に観光目的の渡航が不可能な状態が続いています。

一方で、6月から日本への渡航に関して、日本政府は「青」「黄」「赤」の3色に区分し、入国後の対応を定めています。

訪日外客統計が取られている東アジアの国・地域はすべて「青」に区分され、日本内の手続きとしては観光目的でのビザの発給が可能となりました。

6月22日には、香港から新型コロナウイルス禍後初のツアー客が来日するなど、訪日旅行に対する期待度がうかがえます。

また7月25日には羽田ー金浦線(韓国)が増便され、観光客の増加が期待されています。

台湾でも、入境制限が緩和されワーキングホリデー、研修を目的とする外国人に対しビザが発給されるようになりました。

実質渡航が不可能な中国でも、大手EC会社アリババが6月18日に行った「天猫618セール」では日本企業の商品が人気を博していました。

新型コロナウイルス禍以前、最も訪日層のパイを占めていた東アジアの需要をどこまで早く取り戻すことができるのかが焦点となりそうです。

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東南アジア

6月の東南アジア各国の訪日客は、タイが2,500人、シンガポールが1,400人、マレーシアが1,200人、インドネシアが7,000人、フィリピンが5,900人、ベトナムが22,900人、インドで3,500人となりました。

タイでは7月1日以降、すべてのタイプのビザ申請を受け付けています。さらに同日よりタイ入国前の事前許可申請システム「Thailand Pass」は撤廃されました。

訪日外客統計が取られている東南アジアの国では、日本政府によってベトナム、インドが「黄」に区分され、その他の国はすべて「青」に区分されています。

豪州・北米

6月の豪州・北米からの訪日客は、オーストラリアが1,600人、アメリカが9,700人、カナダが1,200人、メキシコが300人でした。

アメリカでは、入国後3~5日以内の検査が推奨されていますが、ワクチン接種者に対しては隔離が撤廃されています。なお、ワクチン接種については義務化されています。

カナダでは、入国時ランダムにPCR検査が行われています。

オーストラリアでは、南豪州では陰性証明が必要ですが、その他の地域では、ワクチン接種状況に関わらず陰性証明、隔離が不要です。

訪日外客統計が取られている豪州・北米の国は、日本政府によってすべて「青」に区分されています。

欧州

6月の欧州各国からの訪日客数は、イギリスが2,000人、フランスが2,400人、ドイツが2,100人、イタリア1,000人、スペイン500人、ロシアが500人となりました。

これらの国では、イギリス、ドイツ、イタリアにおいて新型コロナウイルス関連の規制は撤廃されています。フランス、スペインでもワクチン接種もしくは陰性証明があれば、基本的に隔離はありません。

引き続きウクライナとの戦争が続いていることから、ロシアへの渡航は渡航中止勧告(レベル3)又は退避勧告(レベル4)が発出されており、ワクチン接種いかんにかかわらず往来が難しい状態が続いています。

また、ドイツを除き欧州各国の航空便は減便、運休が続いています。

なお感染状況に基づき、訪日外客統計が取られている欧州の国は、日本政府によってすべて「青」に区分されています。

中東

6月の中東地域の訪日客は、800人となりました。中東でも、各国で入国規制の撤廃、緩和が進んでいます。

アラブ首長国連邦(UAE)ではアブダビ首長国、ドバイ首長国ではワクチン接種済みでなくても、検査によって隔離が不要となりました。しかし、その他の首長国ではワクチン接種に関わらず、検査結果がでるまで隔離が義務付けられています。

サウジアラビアでも、新型コロナウイルス治療費等をカバーする医療保険への加入が義務付けられるのみにとどまっています。

訪日外客統計が取られている中東の国では、主にバーレーン、アラブ首長国連邦などが「青」として区分されていますが、大半の国が「黄」区分にとどめられています。

日本の入国制限、撤廃の時期が焦点

日本では国内の感染状況と照らし合わせ、世界各国から見ても入国規制の緩和が遅れています。

イギリスの調査会社「ヘンリー&パートナーズ」は、「ヘンリー・パスポート・インデックス2022」の中で、事前のビザなしで渡航できる「世界最強のパスポート」として日本が首位になった、と発表しました。

しかし、実際には渡航制限によって「世界最強のパスポートは、世界で最も移動の自由がない」と痛烈に批判されています。

外交上の問題をクリアしているのにもかかわらず、公衆衛生上渡航が実質的に難しい状態が続いており、次のバカンスシーズンに向けて早期の入国制限緩和が目指されるでしょう。

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<参照>
外務省:国際的な人の往来再開に向けた措置について
外務省:新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置
JNTO:訪日外客数(2022年6月推計値)〜 6月:120,400人、3 か月連続で10万人を上回る〜

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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