世界の入国規制緩和がさらに加速...日本は?【新型コロナ海外・7月動向まとめ】

7月15日のロイターの集計によれば、新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で5億5,634万人を超え、死者は677万9,979人にのぼっています。

世界全体でコロナ禍は、徐々にではあるものの回復基調にあります。

世界保健機関(WHO)は8月3日、日本での7月25日~31日の1週間の新型コロナウイルス感染者数は約138万人で、2週連続で世界最多だったと発表しました。

アメリカが92万3千人、韓国が56万4千人と続いており、同期間の世界全体での新規感染者は約656万人で、前週よりも9%減少しました。

またWHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は7月19日、欧州でのオミクロン株派生型の流行に伴う感染者急増を踏まえて、秋・冬にかけて厳格な制限措置を導入せずに済むよう、今すぐに対応する必要があるとの認識を示しました。

【東アジア】中国で入国規制緩和も、武漢でロックダウン

東アジアでは、中国で入国規制の緩和が行われるも、武漢ではロックダウンが実施されました。

いっぽう香港では新規感染者数が9日連続でゼロとなり、娯楽施設や飲食店の営業が再開されました。

日本 官房長官、新型コロナの2類から5類への変更「現実的でない」

松野官房長官は7月13日、新型コロナウイルスの新型コロナウイルスの感染法上の位置付けをめぐり、2類相当から5類への変更について「現実的でない」との見解を示しました。

2類とされる疾病は、医療費は公的負担となり、入院勧告や就業制限、保健所への届け出などが要請されます。

いっぽう5類では一般のインフルエンザ同等の扱いとなり、上記の制限が課されず、治療費の公的負担もなくなります。

一部の自治体関係者から5類への変更を求める声が上がるなか、松野官房長官は、専門家らはオミクロン株であっても致死率や重症化率がインフルエンザより高くさらなる変異の可能性も指摘しているとして、警戒局面にある現時点での変更は現実的でないと述べました。

韓国 感染再拡大に備え追加防疫対策を発表

韓国の保健福祉部は、7月11日から、新型コロナウイルス感染に係る医療費の一部を患者負担とすると発表しました。

これまでは国籍などを問わず、診察や入院、検査などの費用は政府による支援の対象でしたが、今後は薬局・薬剤費も一部が患者負担となります。

また保健福祉部は7月20日には、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、「感染者急増(1日あたり感染者が30万人)に備えた追加対策方案」を発表しました。

臨時検査所の設置を段階的に拡充するほか、既存の施設でも週末の検査時間を延長し、自己検査キットで陽性となった場合に週末でも医療機関での診断を受けやすくなるよう態勢を構築します。

北朝鮮 コロナ流行以来初の「発熱者ゼロ」主張も、死者5万人の可能性

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は7月30日、同国で5月中旬に新型コロナウイルスの流行が認められて以来、初めて国内で新たな発熱者が出なかったと報じました。

7月29日時点で204人の発熱患者が治療中で、移動治療部隊が引き続き警戒態勢を取っているとしています。

ただしWHOなどの専門家は、北朝鮮による同国の感染症対策が効果を上げているという主張に疑問を呈しています。

北朝鮮は7月5日時点で、発熱による死者が74人としていましたが、ソウルの漢陽大学医学部の申栄全教授は7月29日、死者は最高で5万人に達している可能性があるとの分析を公表しました。

中国 米国人の入国規制緩和、武漢ではロックダウンも

在ワシントンの中国大使館は7月1日に通達を出し、中国が米市民の入国制限を緩和し、第3国を経由する入国を認める方針を明らかにしました。

また北京市では、7月11日から一部施設への入場に際し、新型コロナワクチン接種が義務付けられました。

いっぽう中国湖北省武漢市の江夏区では、新型コロナウイルスの無症状感染者が4人確認され、区当局は7月27日、都市部を対象として3日間のロックダウンを発表しました。

なお中国の国家移民管理局は7月26日、2022年上半期(1~6月)の同国の出入境者数は3,229万3,000人で、前年同期から51.8%減少したと発表しました。

感染拡大防止のための各種移動制限が影響したとみられ、貨物輸送も大幅に停滞しています。

台湾 「デジタル新型コロナ健康証明」システム、国際規格に対応

台湾の中央流行感染症指揮センター(CDC)は7月13日、「デジタル新型コロナ健康証明」システムに、SHC(スマートヘルスカード)規格のデジタル証明機能を追加すると発表しました。

同システムは新型コロナウイルスワクチンの接種証明や、検査結果証明を発行するものです。

SHC規格は日本や米国などのワクチン接種証明システムで採用されている国際規格で、これらの国・地域へ渡航する際、ワクチン接種証明として使用することができます。

香港 マカオ、感染9日連続ゼロで娯楽施設や飲食店再開へ

マカオ当局は8月1日、新型コロナウイルスの新規感染者数が9日連続でゼロとなったことを受け、娯楽施設の営業やレストランでの飲食などを翌2日から再開すると発表しました。

美容院やバー、フィットネスセンターも営業再開が許可され、保健当局は住民に対し、大半の施設利用時に3日以内の検査で陰性だったことを示す必要があるとしており、外出時のマスク着用も求めています。

マカオでは6月半ば以降に約1,800人の感染が報告され、カジノなど多くの施設が閉鎖されましたが、規制の段階的緩和に伴い7月23日にカジノの営業が再開されていました。

【東南アジア】シンガポールでコロナワクチン定期接種を検討

東南アジアでは、これまでに在住者の約6割が新型コロナウイルスに感染したとみられるシンガポールで、ワクチンの定期接種が検討されています。

またマレーシアでは入国制限が緩和され、ワクチン未接種でも検査や隔離が撤廃されました。

シンガポール 在住者の約6割が感染、ワクチン定期接種を検討

シンガポールのオン・イエクン保健相は8月1日、これまでに同国在住者の推定約6割が新型コロナウイルスに感染したとの見方を明らかにしました。

さらに新型コロナウイルスが変異を続けるとの科学者の見解を指摘し、集団免疫を獲得するのは難しいとの考えを示しました。

そのうえで同国では今後、新型コロナウイルスワクチンの定期接種を実施する報告で検討していると述べました。

バングラデシュ 政府、マスク着用など感染予防の徹底を再要請

バングラデシュ政府は6月28日、新型コロナウイルスの国内での感染拡大を受けて、メディアや国民に対し、マスク着用など感染予防の徹底を再度要請しました。

同国では店舗やショッピングモールなどで原則として全ての者にマスク着用が義務付けられており、違反者には公的措置が講じられます。

ミャンマー 水際対策強化し、入国時の新型コロナ陰性証明書が必要に

ミャンマー保健省は8月1日、同国に入国する外国人の入国条件を一部変更し、到着前48時間以内に実施した新型コロナウイルス検査の陰性証明書の提示が必要となりました。

これまでワクチンを接種した人は陰性証明の提示は不要でしたが、各国での感染拡大を受けて水際対策を強化したとみられます。

なお同国到着後は、空港でRDT検査(迅速抗原検査)を実施し、陰性なら空港を出ることができますが、陽性の場合は保健省の指示に基づき隔離されます。

マレーシア 入国制限緩和、ワクチン未接種でも検査や隔離を撤廃

マレーシアでは8月から入国制限が緩和され、新型コロナウイルスワクチンを未接種または未完了でも、検査や隔離が不要となりました。

政府の新型コロナウイルス対策アプリ「MySejahtera」(マイセジャテラ)内で発行されるトラベラーズカードも取得不要となり、ワクチン接種ステータスに関わらず入国手続きが原則として不要となっています。

【南アジア】インド、期間限定でブースター接種を無料に

南アジアでは、インドで一般成人向けのブースター接種について、期間限定で無料接種が行われています。

カンボジアでは入国規制が緩和され、ワクチン未接種でも入国時の隔離が不要となりました。

インド 一般成人向けブースター接種を無料化、期間限定で

インド政府は7月15日、一般成人が対象の新型コロナウイルスワクチンの3回目(ブースター)接種について、7月15日から75日間の期間限定で無料接種を開始しました。

同国内のワクチン接種回数は、7月17日に累計20億回を突破したものの、うち97.4%は1、2回目の接種で占められており、ブースター接種は全体の2.6%にとどまっています。

同国では感染第3波が沈静化した2022年2月下旬以降、感染状況が落ち着いていましたが、6月から緩やかな増加に転じており、当局はさらなる感染拡大を回避したい考えです。

カンボジア ワクチン未接種でも入国時の隔離が不要に

カンボジアでは7月11日から、ワクチン未接種の旅行者に対する入国規制が緩和され、保健所が指定するホテルでの7日間の隔離が不要となりました。

ワクチン未接種の場合は、入国時に抗原検査を実施し、陰性なら隔離なしで旅行を継続でき、陽性でも旅行者の費用負担で自宅などでの隔離・療養が可能となっています。

【北・南米】米CDC、中米など6か国を高リスク「レベル3」に追加

北・南米地域では、アメリカのCDCが中米など6か国を高リスク「レベル3」に追加しました。

またカナダでは、一時停止されていた空港での新型コロナウイルス無作為検査が再開されています。

アメリカ CDC、中米など6か国を高リスク「レベル3」に追加

米国では6月17日に、新型コロナウイルスワクチンの対象年齢を生後6か月以上に引き下げると発表されました。

しかし同国内の非営利団体が実施した調査によれば、米国で5歳未満の子どもを持つ保護者の43%が、自身の子どもに接種させたくないと考えていることが分かり、接種率はそれほど向上しない可能性があります。

またCDC(米疾病対策センター)は7月25日、渡航警戒レベルのリストを更新し、中米などの6か国について、高リスクを示す「レベル3」に追加しました。

レベル3は、28日間の感染者数が10万人あたり101人を超えた国・地域で、CDCはレベル3の渡航先に訪れる前に、ワクチン接種を済ませるよう勧告しています。

リスト上の約235か国・地域のうち、レベル3は120か所以上と、半数を超えています。

またCNNは8月3日、CDCが近く新型コロナウイルス感染拡大防止のためのガイドラインを緩和する見通しだと、関係者の話として報じました。

濃厚接触者が求められていた自宅での丸5日以上の隔離が不要となり、学校では6フィート以上の距離隔離の推奨が撤回されるとしています。

カナダ 入国時無作為検査を再開

カナダ公衆衛生庁は7月14日、空港での新型コロナウイルス無作為検査を、7月19日から再開すると発表しました。

バンクーバーなどカナダ主要4空港に空路で入国するワクチン接種済みの渡航者が対象で、6月11日付で一時停止されていました。

同国への渡航に際しては、従来通り入国時にワクチン接種完了証明が必要で、連邦政府指定のアプリ「ArriveCAN」による健康情報の提出が義務付けられています。

またカナダでは、オンタリオとケベックの両州が新型コロナウイルス感染第7波に入ったと確認されていますが、公衆衛生上の追加制限措置は取られていません。

チリ 入国制限緩和で観光客増加に期待

観光次官官房発表のデータによれば、2022年1~5月にチリを訪れた外国人観光客数は44万306人で、前年同期比約6.7倍となりました。

前年は国境封鎖や入国制限の影響を受け大幅減だったためで、コロナ禍以前の2019年1~5月対比では80%減となっています。

同国では入国制限が大幅に緩和されており、8月4日には2年以上国境封鎖が行われてきた、観光名所のひとつイースター島行きの航空便の運航も再開され、今後の観光客の増加が期待されます。

ブラジル 3~5歳にも新型コロナワクチン接種へ

ブラジル保健省傘下の国家衛生監督庁(ANVISA)は7月13日、3~5歳を対象とした新型コロナワクチン「コロナバック」の緊急使用を承認しました。

コロナバックは、中国のシノバック・バイオテックと、サンパウロ州立のブタンタン研究所が提携して開発したワクチンです。

今回の緊急使用の承認は、同ワクチンの3~5歳への接種が先行しているチリの研究結果を踏まえたものだとしています。

【オセアニア】豪、全渡航者へのワクチン接種要件を廃止

オセアニアでは、オーストラリアで、同国に入出国するすべての渡航者に対し、新型コロナウイルスワクチンの接種要件が廃止されました。

オーストラリア 全渡航者へのワクチン接種要件を廃止

オーストラリア連邦政府は7月3日、同国に入出国する全渡航者に対し、同月6日から新型コロナウイルスワクチンの接種要件を廃止すると発表しました。

ワクチン接種証明書やデジタル渡航者申告(DPD)の提出、ワクチン未接種者に対して求められていた入国例外措置の申請が不要となり、入国後の行動制限については各州・準州政府の規制に従う必要があります。

いっぽう同国内での入院者数は約5,300人と過去最多に迫っており、当局は7月20日、在宅勤務の推進を求めるとともに、国民に対し屋内でのマスク着用とワクチンの追加接種を至急受けるよう呼びかけました。

【ヨーロッパ】欧州の感染者数300万人に、世界の約半数占める

WHOによれば欧州では7月中旬、新規感染者数が300万人にのぼり、世界全体の感染者数のほぼ半数を占めました。

入院率も倍の水準に増加し、週間の死者も約3,000人にのぼりました。

クルーゲWHO欧州地域事務局長は、ワクチン接種の加速やマスク着用義務の再導入により対応するよう各国に呼びかけました。

フランス 衛生パスとコロナ関連入国規制を廃止

フランスでは8月1日、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため導入された特例措置を終了する法律が施行されました。

これにより医療機関や高齢者施設訪問時に提示が必要だった「衛生パス」が廃止されました。

さらに新型コロナ関連の入国規制も全廃され、すべての国・地域からの渡航者は、同国入国時にワクチン接種証明や陰性証明などの入国書類を提示する必要はなくなりました。

ドイツ 市民向け新型コロナ抗原検査を有料化

ドイツでは7月1日から、新型コロナウイルス抗原検査が有料化されました。

抗原検査はこれまで、連邦政府が全市民向けに週1回まで無料で提供してきました。

ワクチン接種の進展に加えて、主流となっているオミクロン株変異株は重症化リスクが低いとされることなどを受けて、市民全員を対象とする広範な検査を実施する意義は薄れたと判断したものです。

オーストリア 感染者の隔離措置廃止

オーストリアでは8月1日、新型コロナウイルス感染者に対する隔離措置が廃止されました。

抗原検査またはPCR検査で陽性となった場合、自宅での自主隔離ではなく接触制限措置が取られ、感染報告義務はこれまで通り継続されます。

ベルギー 2回目のブースター接種実施へ、9月から

ベルギー連邦政府厚生省は7月6日、2回目となる追加接種(ブースター接種)について、9月から段階的に実施すると発表しました。

同国では第7波が進行しており、今冬以降に新型コロナウイルスが再度感染拡大する可能性に備えるものです。

イタリア 60歳以上の全員に2回目ブースター接種開始へ

イタリアのスペランツァ保健相は7月11日、60歳以上の全員を対象として新型コロナウイルスワクチンの2回目追加接種(ブースター接種)を開始すると発表しました。

同国では7月以降に感染者が増加し、この前の週には1日当たり感染者数が2月以来初めて10万人を突破し、入院者数も増加しています。

スペイン 牛追いで有名な「サン・フェルミン祭」、3年ぶり開催

スペイン北部のパンプローナで7月7日、3年ぶりに「サン・フェルミン祭」が開催されました。

伝統の牛追いで有名ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続で中止されていました。

牛追いには数千人が参加するなど、同国では観光再開への動きが活発化しています。

【東欧】ロシアで入国規制緩和、陸路入国が可能に

東欧では、ロシアで入国規制が緩和され、陸路での入国が可能となりました。

ロシア 入国規制緩和で陸路入国可能に

ロシア政府は7月15日、入国規制措置を緩和し、外国人の鉄道や自動車での陸路による入国が可能となりました。

同国では6月14日以降、空路・海路での外国人の入国が可能となっていましたが、陸路による入国は一部を除き認められていませんでした。

ロシア国内では規制の緩和が進められており、7月2日からは公共交通機関などでのマスクの着用義務や、飲食店の深夜営業禁止措置などが撤廃されています。

【中東】サウジアラビア、メッカ大巡礼に100万人受け入れ

中東では、サウジアラビアでメッカ大巡礼が行われ、制限緩和により100万人を受け入れました。

サウジアラビア メッカ大巡礼、コロナ制限緩和で100万人受け入れ

サウジアラビア西部のイスラム教の聖地メッカでは7月8日、大巡礼(ハッジ)の最も重要な日を迎えました。

コロナ禍以前には毎年200万人以上が訪れていましたが、同国政府は2020年以降、大巡礼を国内の信徒に限定して人数を大幅に制限していました。

今年は65歳以下でワクチン接種済みの人を対象に大幅に増やし、入国前の陰性証明を条件として国外からの受け入れも再開し、国外者85万人を含む100万人まで拡大しています。

【アフリカ】コートジボワール、「公衆衛生上の緊急事態」を3か月延長

アフリカでは、コートジボワールが7月1日から「公衆衛生上の緊急事態」を3か月延長しました。

コートジボワール 「公衆衛生上の緊急事態」を3か月延長

コートジボワールは7月7日、「公衆衛生上の緊急事態」を7月1日から3か月間延長することを決定しました。

コロナ禍に加え、サル痘やデング熱、近隣国でのラッサ熱の発生状況を議論した結果で、今後事態が急激に悪化した場合、当局が迅速に新たな制限措置を発動できるようにしました。

同国では新型コロナウイルスの陽性者数は6月以降増加傾向にあり、サル痘、エボラ出血熱、ラッサ熱も断続的に報告が続いています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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