日本のWi-Fi環境は不十分?インバウンド対策に無料Wi-Fiを導入

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インバウンド対策を行なう上で大切なことの一つは、訪日外国人の方々が旅行しやすい環境を整えることです。

近年、私たちの生活においてスマートフォンやパソコン、タブレットなどのデジタル機器は生活の必需品となりました。訪日外国人の方々も同様で、スマホを使って地図を見たり、支払いをしたりとあらゆる場面で活用しています。

一方、日本は諸外国と比較すると無料Wi-Fi(Free Wi-Fi)の環境整備が遅れているように思えます。顧客満足度を高めるためにも、日本のデジタル化、特にWi-Fi環境の整備は急務の課題となっています。

この記事では、インバウンド対策に必要な無料Wi-Fiについて詳しくご紹介します。

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日本のWi-Fi環境は不十分?

日本のWi-Fi環境は、諸外国と比較すると利用できるエリアが限られています。空港や鉄道には無料Wi-Fiスポットが多く設けられていますが、公園や道路、飲食店には少ない傾向にあります。

東京都では、東京オリンピックに向けて官民一体で無料Wi-Fiスポットを拡大してきたため、利便性が高まっています。また都内の主要公園や観光案内標識、デジタルサイネージ、公衆電話に無料Wi-Fiスポットを設ける取り組みを行っています。

一方、地方ではまだまだ無料Wi-Fiの設置が浸透していません。有名な観光地であっても、観光スポットの周辺エリアでは無料Wi-Fiが使えないケースも多々あります。

訪日ラボでは、47都道府県のJapan Free Wi-Fi設置状況をまとめています。「都道府県別でのインバウンド需要」から、各エリアのページを経由して、都道府県別の整備状況を確認することができます。

関連記事:2021年観光白書徹底解説 6. 2021年から実施する政策 インバウンド特化編

海外では無料Wi-Fiがあたりまえ

アメリカでは飲食店やショッピングモールはもちろんのこと、公共機関や交通機関でも無料Wi-Fiが利用可能です。ほとんどの無料Wi-Fiはメールアドレス登録が不要なため、誰でも簡単にアクセスできます。

州によってばらつきはありますが、ホテルや飲食店、商業施設では高確率で無料Wi-Fiが利用できるようです。また、台湾の台北では観光スポットや駅、公園、地下街などで利用できる無料Wi-Fiスポットが約9,000か所もあります。無料Wi-Fiスポットの数はアジアトップレベルを誇り、無料Wi-Fiの先進国とも言えるでしょう。

イギリスのロンドンでは、飲食店や商業施設だけでなく、道路や街頭でも無料Wi-Fiを利用できます。地図で行き先を調べたり、電車やバスの時刻を調べたりするのにも非常に便利です。多くの海外では、無料Wi-Fiを使える環境が当たり前となっています。

2017年に観光庁が行った調査によれば、訪日外国人が訪日旅行中に最も利用した通信手段は「無料Wi-Fi」が53.8%と、2位のモバイルWi-Fiルーター(33.8%) を大きく引き離してトップとなりました。

2018年では訪日外国人旅行者を対象に、「旅行中に困ったこと」を尋ねたところ、無料Wi-Fi環境について困った場面が挙げられ、主に観光地・公共交通機関での対策のニーズが高い結果となりました。

訪日外国人の方々の満足度を高めるためには、無料Wi-Fiスポットの拡大が急務だと言えるでしょう。

関連記事:訪日外国人 困ったこと1位は「ゴミ箱の少なさ」/「困りごとなかった」は38.6%で過去最高【観光庁】

顧客満足度を高め、集客に繋がる

スマホやタブレットを持つことが当たり前になった現代では、インバウンド対策に無料Wi-Fiを導入することが重要なポイントとなります。

最近は訪日外国人の方々だけでなく、日本に住んでいる人でも「ゆったり過ごしたい」「気兼ねなくインターネットを使いたい」という理由で無料Wi-Fiが設置されているお店を選ぶ人が増えています。

快適なインターネット環境を提供することは、お店やホテルのサービスの一環として捉えています。さらにインターネットを自由に使える環境は、顧客満足度の向上にも繋がります。

最近はSNSで有益な情報を共有している人も多く、便利なものを見つければ口コミでどんどん広まっていきます。訪日外国人の方々も同様で、便利な施設やサービスをSNSにアップして情報発信をしているのです。

以下の表で示されているのは、2021年の全世界でのOTA(Online Travel Agent、インターネット上だけで取引を行う旅行会社)アプリダウンロード数トップ10です。

▲apptopia:2021年に最もダウンロードされたOTAアプリトップ10
▲apptopia:2021年に最もダウンロードされたOTAアプリトップ10

このうち、9位のOYO以外には予約サイトやアプリ内に口コミ機能・星評価機能があります。そのため、旅行者がOTAを通して宿泊施設やサービスを手配する際には、必ずと言っていいほど口コミ・星評価が目に入る状況といえます。

無料Wi-Fiが使えれば待ち時間にSNSに写真や情報を投稿することもできます。料理や魅力的な店内の写真がアップされれば、自然と店舗のアピールにつながります。

無料Wi-Fiが使えるお店やホテルは非常に有益な情報になります。リピーター獲得だけでなく、新規顧客獲得も期待できるでしょう。店側で英語ができなくても、訪日外国人の方々が生の声を発信してくれるのでいい口コミ効果を得られるでしょう。

関連記事:インバウンド対策に「口コミ」が重要なこれだけの理由

無料Wi-Fiを最大限に活用

無料Wi-Fiに接続するには、以下5つの方法があります。

  1. 自動接続
  2. ユーザー証人による接続
  3. 手動での接続
  4. 規約に同意して接続
  5. アプリを使って接続

無料Wi-Fiを最大限に活用するためにも、利用する場所や状況に適したものを選ぶことが大切です。しかし必要以上にハイスペックなものを選んでも費用が高くなってしまうため注意してください。

インバウンド対策で無料Wi-Fiを導入する場合は、アクセスのしやすさにも注目してみましょう。たとえばWi-Fiを接続するためのアプリを登録すれば、無料Wi-Fiスポットに行くだけで接続できます。実際に訪日外国人の方々は、携帯電話業者の無料Wi-Fiサービスや無料Wi-Fiを利用するための「JAPAN Free Wi-Fi」という無料アプリを使っている人が多くいます。

無料Wi-Fiを導入する際は、セキュリティにも注意が必要です。きちんとセキュリティ対策がされていない無料Wi-Fiだと遠隔操作や不正アクセスのリスクが高まります。安心して使ってもらうためにも、信用の置ける無料Wi-Fiを選ぶようにしましょう。

さらに快適なネット環境を整えるには、接続範囲や通信速度も大切です。せっかく無料Wi-Fiを見つけたのに接続範囲が狭すぎてアクセスできなかったり、通信速度が遅いため必要な情報が得られなかったりするとストレスになってしまいます。顧客満足度も得られず、せっかく整備したものが無駄になる可能性が高いと考えられます。

関連記事:在留・訪日外国人向け「eSIM対応データプラン」登場:そもそもeSIMとは?海外で急速に進むスマホ事情の変化

訪日外国人を受け入れる準備が急務

日本は観光魅力度ランキングで1位を獲得するほど、海外から注目されている観光スポットです。

しかし、まだまだ訪日外国人を受け入れる環境に改善の余地があるように思えます。特に無料Wi-Fiの環境整備は諸外国と比較して遅れを取っています。訪日外国人の方々が快適に旅行を楽しみ、顧客満足度を高めるには無料Wi-Fiスポットの整備が急務です。

今や無料Wi-Fiの有無は、お店やホテルを決める大きなポイントとなっています。快適なインターネット環境を整え、訪日外国人の方々を受け入れられるように準備することが必要です。

関連記事:観光魅力度ランキングで日本が初の1位に!日本の魅力と今後の課題

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<参照>

観光庁:「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」結果

apptopia:The 10 most downloaded Travel apps of 2021

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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