11月3日より、台湾最大の国際旅行博「ITF(台北国際旅行博)」が開催されます。昨年2022年は70の国と地域が出展、来場者数も19.5万人と、大いに盛り上がりました。日本ゾーンは55団体が出展し、参加国の中でも最大規模だったといいます。
一方、昨年は10月の水際対策緩和から約1か月後の開催で、旅行需要は十分とは言えない状況でした。今年は台湾の訪日客数がコロナ前水準まで回復していることから、旅行博も昨年以上の盛り上がりが期待されます。
そこで今回は「ITF開催直前企画」として、主催者である公益社団法人日本観光振興協会 交流促進部門 近藤 亜子氏に、今回のITFの見どころや、新たな取り組みなどについて伺いました。
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ITF(台北国際旅行博)とは
台北国際旅行博(台北國際旅展:ITF, Taipei International Travel Fair)は、1987年に始まり、今回で31回目を迎える台湾最大の国際旅行博です。
各国から観光関連の企業・団体が出展し、ステージイベントも催されます。毎年日本も大規模に出展しており、日本の自治体・民間事業者にとって、台湾の旅行者へ日本の観光地や旅行商品・サービスをアピールする絶好の機会です。
その日本ゾーンの取りまとめを行っているのが、公益財団法人日本観光振興協会です。今回は、同協会の近藤氏に、訪日ラボのインタビューへお応えいただきました。
ITF2023 日本ブースの盛り上がりは
ーー昨年は水際対策緩和後1か月での開催でした。今年はほぼコロナ前水準まで回復しており、台湾市場への期待感も大きくなっているものと思います。出展者の申し込み状況は、昨年と比較していかがでしょうか。
出展される団体は、昨年の55団体から70団体に増えております。今年は会場の広さに制約もあり、途中で締め切らざるを得なかったのですが、そうでなければもっと増えていたかもしれません。
ーーやはり昨年以上に申し込みが殺到しているのですね。具体的に、出展される企業・団体様はどういった状況でしょうか?
今年は全体的にブースの拡大傾向がみられ、過去になく大規模に出展いただいているところもありますね。たとえば東京観光財団様は7小間と過去最大の規模で出展いただいておりまして、今回の旅行博に大変期待をかけてくださっているのかなと思います。また、鳥取県様も定期便の就航を目指される等、台湾との交流拡大に大変力を入れておられ、単独初出展にして4小間と大きめのブースを構えていらっしゃいます。
新たな出展者の方としては、たとえば「農泊」様は、今回のITFが海外で初めての旅行博出展ということで、日本全国の農泊地域を伝えるブースになるそうです。
昨年も大変盛り上がりましたが、今年も様々な出展がありますので、大変期待しております。
出展者同士の連携も進む
ーー展示会の内容について、昨年と違う点や新たなチャレンジなどあれば教えてください。
今まで個別で出展されていた方が、地域で連携して1つのブースで出展したり、隣同士のブースで協力したりといった動きも出てきています。来場者の方々にとっても、関連した内容をまとめて見やすいのかなと思いますし、ブースを共同で出展する場合は出展費用が抑えられるメリットもあるといえます。
加えて、プロモーションの仕方も高度化と言いますか、連携することでさらに効果的になっている印象です。
ーー協力することで様々なメリットがあるのですね。プロモーションの連携についてはどのような事例があるのでしょうか。
たとえば岩手県様、JR東日本様が隣同士で出展しており、観光地と旅行商品を作る企業が協力して訴求できるような内容になっています。自治体と民間の連携という意味でも注目したい事例です。
また、「JAPAN Gateway」がコンセプトの日本空港ビルデング様と北海道エアポート様の共同ブースは、台湾人向け訪日メディア「ラーチーゴー」が企画運営していまして、航空券のような豪華景品が当たる抽選会もあるようで盛り上がりが期待できます。日本ゾーンのミニステージではTV局も呼んでライブ配信したりと、メディアも上手く活用しながら進めていらっしゃいますね。
台湾市場への注目度は
ーー台湾市場は訪日客数が順調に回復、消費額の構成比もコロナ前より高くなっています。市場への注目度、熱量はいかがでしょうか。
熱量は大変高いと思います。各所で公表されているインバウンド誘致に関するアンケート調査においても、「台湾に一番力を入れている」「期待している」という自治体・民間企業の方が最も多いですし、ポストコロナも引き続き注目の市場の一つとして認識されているのがわかりますよね。
出展者の方々とお話しする中でも、皆様の熱量が大変高いと感じておりますので、今回の旅行博も非常に盛り上がるのではないかと思います。
ーー台湾からの観光客は、比較的地方への訪問意向が高い傾向にあるかと思います。そのためか地方の自治体などの出展も多いように見受けられますが、いかがでしょうか。
確かに、誰でも知っている観光地だけでなく、地方の観光地に人気が集まる傾向にあるというのもあって、様々な地域の方々に出展いただいています。また、台湾の旅行会社様も連携して出展いただくのですが、そこでは立山黒部や、東北の樹氷などを紹介するそうです。
やはり他とは差別化された旅行商品を台湾の旅行者も求めているのかなと。今までの代表的な観光地だけでなく、地域の魅力が伝わるような展示会になればと思っております。
昨年以上にパワーアップしたITF。たくさんの旅行者に来てほしい
ーー最後に、ITF2023の開催へ向けた意気込みをお聞かせください。
ここまでご紹介してきたように、色々新しい試みもありますし、ブースもとても工夫が凝らされています。他にもVRを使った展示など新しいものもありますし、日本ゾーンのミニステージでは人気YouTuberのトークショーや、ゆるキャラや武将隊の登場もあるなど、大変楽しめるものになっています。
昨年以上にパワーアップして、面白くなっていると思いますので、ぜひたくさんの方に来ていただき、盛り上がりを体感していただけたら嬉しいです。
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以上、「ITF」開催直前企画として、日本観光振興協会 近藤氏へのインタビューをお届けしました。
ITF開催当日は訪日ラボ編集部も台湾へ赴き、現地の様子をレポートします。どうぞお楽しみに。
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