髙島屋京都店、および専門店ゾーン「T8(ティーエイト)」からなる商業施設「京都髙島屋 S.C.」が10月17日(火)に開業しました。
現代アートやアニメ、ゲームなどのジャパニーズカルチャーを積極的に取り入れたフロア構成は、髙島屋グループとしては初の試みです。
T8には日本のサブカルチャーのトップランナーが多数出店。中には京都初出店の店舗もあるそうで、訪日外国人を含め、より幅広い客層が楽しめる買い物スポットを目指しているといいます。
本記事では、新たにオープンした京都高島屋S.C.の詳細や、インバウンド関連の情報について紹介します。
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地域と共生する髙島屋のまちづくり戦略
髙島屋グループは、同社が定める「まちづくり戦略」に基づき、地域の特性に合わせた百貨店を核に、専門店を融合させた次世代型 SC の開発・運営を進めてきました。その取り組みは、日本初の郊外型ショッピングセンター「玉川髙島屋S.C」が開業した1969年から続いています。
まちづくり戦略では、「街のアンカーとしての役割」と「館の魅力最大化」という2つの考え方が基礎にあります。髙島屋グループのシナジーを最大限発揮した施設づくりにより、地域全体を活性化させることを目指す試みが髙島屋のまちづくり戦略です。
- 街のアンカーとしての役割:集客力の強い商業施設を作ることで、人の流れを新たに生み出し、街をより賑わせる役割。地域との共生を目指します。
- 館の魅力最大化:百貨店を中心に、髙島屋グループのノウハウを結集し、お客様満足度を追求した施設づくりを行うことを指します。
近年では、国内だけでなくシンガポールやベトナムなど海外事業でも同様の施設運営を展開。国内外で地域の特性に合わせた新しいコンテンツを提供する「次世代型SC」の導入を進めています。
「京都で一番の待ち合わせ場所」を目指す
現在、京都には市内だけで約145万人が住み、年間観光客数は約4,361万人にのぼります。(2022年時点)
文化、芸術、伝統の街として知られる京都ですが、近年、特に日本文化の発信地としての役割が色濃くなっています。2007年には「京都文化芸術都市創生計画」が策定。京都ならではの文化芸術によるまちづくりが進められてきました。さらに2023年3月には文化庁が京都に移転し、名実ともに日本の文化・芸術の中心地となっています。
今回、京都髙島屋 S.C.が開業した四条河原町は、観光地とオフィスエリアに隣接し、曜日を問わず人通りが多く賑わいのある地域。観光、ビジネス、ショッピングなど街を訪れる人の目的も様々です。
その四条河原町で、京都髙島屋 S.C.は「京都で一番の待ち合わせ場所」をコンセプトに、これまで百貨店では扱いの少なかった現代アートの分野に注力。アニメや漫画、ゲームなどのサブカルチャーも日本のアートの1つとして捉え、様々な専門店が出店しています。また、人と人、人と文化が“であう”場として、交流スペースや多目的スペースも多数設けられています。
〈参照〉
【広報資料】令和4年(2022年) 観光客の動向等に係る調査について
日本の芸術・文化の発信基地に
新設された専門店ゾーン「T8」についてご紹介します。T8は地下1階から地上7階の全8フロアで、各階で髙島屋京都店と通路でつながっています。T8には京都初出店の店を含めて、計 51 店舗の専門店が出店。特にT8の4階〜7階は「アート&カルチャー」をテーマに、日本が誇るサブカルチャーやエンターテイメントの有名店が勢揃いしています。
・Nintendo KYOTO(7階)
東京、大阪に続いて国内3店舗目となる任天堂直営のオフィシャルストア。ゲーム機やソフト、キャラクターグッズの販売のほか、イベントの実施やゲームの体験などもできます。国内の任天堂の情報発信拠点として、多彩な楽しみ方が用意されています。
・京都 蔦屋書店 (5階・6階)
「アートと文化の伝統と最先端が共振する場」をコンセプトに、約683坪の店舗面積に約6万冊のアート書籍と文具、工芸品を揃えるアート書店。日本の伝統工芸品も多数取り揃えていて、訪日外国人の需要に合わせた品揃えも強化している様子でした。併設するアートスペースでは若手作家から著名作家まで幅広い現代アート作品が展示されるそうです。有料で使えるシェアラウンジもあり、勉強やテレワークの場所として、また会議やイベントなど様々な用途に利用可能です。
・まんだらけ(4階)
漫画やゲームなどの買取り販売を行う「まんだらけ」は、京都初出店。百貨店への出店も初の試みです。東京都中野にある本店には国内外から漫画やアニメのファンが集い、訪日外国人にとっては観光地の一つにもなっています。日本のサブカルチャーを代表する企業の一つとして、国内外のゲストに日本の漫画やアニメの魅力を発信していきます。
専門店ゾーンだけでなく、今年開業73年を迎える百貨店エリア「髙島屋京都店」でも、京都らしさを感じる店がラインナップ。京料理や呉服販売など、訪日外国人にも人気が集まる京都の伝統、文化を発信していくとしています。
訪日外国人含め、新たな顧客層の獲得を目指す
百貨店の中でも特にインバウンド対策に成功していると言われる髙島屋。増加するインバウンド需要に合わせ、早い時期から対応を強化してきました。
さらに円安の影響もあり、これまでインバウンド需要を牽引してきた中国だけでなく、東南アジアや台湾、韓国などからの訪日客も増加傾向にあります。そうした状況を受け、髙島屋ではこれまでの中国向けメインだったプロモーション方針を修正。Googleマップの店舗情報を英語、中国語の他、韓国語やタイ語などの言語に対応し、情報発信を強化しています。
京都高島屋S.C.のインバウンド対策について聞くと、テナントでは各店舗でばらつきがあるものの、高島屋スタッフはポケトークを利用するなどの対策をしているとのことです。2023年の訪日外国人の一人当たりの消費額は、コロナ禍前の2019年を超えるとの予想もあります。京都髙島屋 S.C.は、引き続き好調なインバウンド需要に対応するとともに、より幅広い顧客層の取り込みも狙えると期待されています。
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<参照>
2023 年 10 月 17 日「京都髙島屋 S.C.」が誕生 専門店ゾーン「 T8(ティーエイト)」開業(髙島屋プレスリリース)
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