ダブルイレブンとは?中国発・11/11開催の大規模ECセール、人気カテゴリや2023年の注目ポイントを解説

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ダブルイレブン(W11)とは11月11日に開催される中国最大規模のECセールです。

もともと中国で独身者向けのイベントとしてスタートしたもので、いまでは東南アジアなどでも開催されています。

この記事では、ダブルイレブンの詳しい意味や、人気カテゴリ、2023年の注目ポイントについて詳しく解説します。

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ダブルイレブンとは?

ダブルイレブン(W11)とは、11月11日に開催される世界最大規模のECセールのことです。

元々、11月11日は「1」が並んでいることから中国で「独身の日」と呼ばれており、独身者向けのイベントが開催され、次第にプレゼントを贈り合うなど大きな盛り上がりを見せるようになりました。

その盛り上がりに注目したのが中国のEC大手アリババです。アリババが独身者向けに11月11日にECセールを仕掛けたことからはじまり、現在では独身者に限らず、中国最大規模のECセールとして大きく発展。東南アジア諸国でも開催されるようになっています。

独身の日のほか、世界で有名な大型セールとしてはアメリカ発の「ブラックフライデー」が知られています。ブラックフライデーは11月の第4木曜日である「サンクスギビングデー(感謝祭)」の翌日の金曜日に開催され、現在ではドイツやイタリア、ブラジルなどにも広がっています。日本でもイオンやAmazonがブラックフライデーの企画を行うなど知名度が高まりつつありますが、その規模はダブルイレブンには及びません。

ブラックフライデーについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。合わせてご確認ください。

ダブルイレブンが中国最大のECイベントと呼ばれる理由

なぜダブルイレブンは、中国最大のECイベントと呼ばれるのでしょうか。その理由を解説します。

開始数秒で莫大な流通額を記録

アリババグループが運営する中国の大手ECサイト「Tmall(天猫)」では、2009年の開始以来ダブルイレブンの取引額が大きく成長しています。

2009年には取引額が0.5億元(約8億円)だったのに対し、アリババが上場した翌年にあたる2015年には取引額が1兆円を突破しました。

2016年になると2兆円を超え、2017年にはセール開始11秒で10億元(約153億円)を達成。最終的な取引額総額は1,682億元(約2.5兆円)を記録しました。

さらに2018年には2,135億元(約3.2兆円)、2019年は2,680億元(約4.1兆円)、2020年は4,982億元(約7.7兆円)、2021年は5,403億元(約9.6兆円)と右肩上がりで記録を更新しています。

2022年は具体的な金額は発表されていないものの、「昨年に引けをとらない流通総額(GMV)を記録した」としています。

急成長を遂げた理由

このようにダブルイレブンが急成長を遂げた理由としては、市場規模がもともと大きいこと、そして中国ECサイトのクオリティが向上したことの2点が挙げられます。

人口が多い中国では国が発展するに伴って高所得者が増加し、ECサイトを利用する人も増えています。

さらに取り扱う商品の種類や数が豊富になって配送スピードもあがるなど、中国のECサイトのクオリティが向上して多くの人がより頻繁にECサイトを利用するようになりました。

ネットショッピングをリアルなイベントとうまくリンクさせていることも、ダブルイレブンが人気を集めている理由のひとつです。

単にインターネット上で買い物をするだけで終わらせるのではなく、アイドルや有名スポーツ選手、モデルなどを招待してイベントを開催し、その様子を生中継しています。

さらに大型ビジョンにリアルタイムで売上額を表示し、秒単位で上昇していく売上額が消費者の購買意欲をあおる仕組みになっています。

そうして2009年に0.5億元(約8億円)だった取引額が2021年は5,403億元(約9.6兆円)に到達するなど、爆発的な成長を遂げたのです。

2023年のダブルイレブンの注目ポイントは?

毎年莫大な売り上げを記録するダブルイレブンですが、2023年はどうなるのでしょうか。

コロナ禍収束にともなうリベンジ消費が期待される一方、中国国内の景気が悪化している点がどのように影響されるか注目されます。

注目のカテゴリとともに、2023年のダブルイレブンの注目ポイントを解説します。

リベンジ消費に期待

「リベンジ消費」は、コロナ禍で余儀なくされた自粛生活の反動として期待される消費活動のことをいいます。

日本では多くの人が今の生活様式に慣れてしまったことから、リベンジ消費がそこまで大きなムーブメントとはなっていません。いっぽう中国では、高級ブランドの売上が回復し、外国に旅行できない富裕層が金銀宝飾類を買い求めるなど、リベンジ消費が盛り上がりを見せました。

一方で…中国の景気は悪化している

中国では不動産大手「恒大集団」の破産に伴う“不動産バブル崩壊”のリスクを抱えているほか、不動産業界以外でも比較的景気が悪い状態です。

若年層の失業率も20%超と高く、将来を不安視する人も多いとみられ、消費より貯蓄を優先する傾向が強まっていくとの見方もあります。

中国日本商会が中国にある日系企業に2023年9月8日~22日にかけて行った調査では、およそ6割が「中国国内の景気が悪化した」と回答しました。

悪化する中国の景気が、ダブルイレブンにどのように影響するか注目されます。

注目のカテゴリは?

2022年のダブルイレブンにおいてTmallのカテゴリ別売上でトップとなったのは「美容・スキンケア」で、今年も注目するべきカテゴリのひとつといえます。

美容店舗別売上では首位の「ロレアル パリ(L'Oreal Paris)」に「エスティ ローダー(Estee Lauder)」「ランコム(Lancome)」が続き、日本ブランドも「資生堂(SHISEIDO)」が10位、「ヤーマン(YAMAN)」が14位、「クレ・ド ポー ボーテ(Cle de Peau Beaute)」が15位にランクインしました。

なかでも資生堂が健闘していて、人気の「バイタルパーフェクション ホワイトRV」のセットが美容売れ筋商品の2位を獲得しました。

アパレルや携帯電話、家電製品なども前年同期比で減少しましたが、ゴールドを使った商品などジュエリーの売上は47.88億元で48.3%の増加を記録しています。

さらにペット部門の売上高も38億400万元で前年比30.9%と大幅に増加しました。近年のペットブームでペット関連のブランドが急増し、ペットの健康や栄養に関する商品の需要も高まっているようです。

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<参照>

NRI:【2022年10月更新】コロナ禍収束にともなう「リベンジ消費」は限定的
中国日本商会:
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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