アメリカ発祥で、最近では日本でも少しずつ浸透してきているショッピングイベント「ブラックフライデー」。クリスマスを含む年末商戦のはじまりとして、世界各地で大きな盛り上がりを見せています。
2023年は11月24日(金)がブラックフライデーで、コロナ禍後としては初の開催となり、年末消費拡大のきっかけになると期待されています。
本記事では、注目度高まるブラックフライデーについて、近年の開催状況を踏まえてまとめます。
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1. ブラックフライデーとは?2023年はいつ?
ブラックフライデーは、主に11月の第4金曜日に開催されるECセールのことです。小売店を中心に、大規模な値引きやキャンペーンが行われます。特に欧米圏では、クリスマスから年末にかけてのホリデーシーズンのはじまりを告げるイベントとして定着しています。
アメリカでは毎年、11月の第4木曜日が「感謝祭(サンクスギビングデー)」という祝日にあたり、家族やパートナーなどと時間を過ごします。その翌日の金曜日に休みを取る人が多いこともあり、それに合わせて大型店舗や小売店の多くで大規模なセールが開催されるようになりました。
気になるのが、なぜ"黒い金曜日"と名付けられたのかという点。その理由には諸説あるそうで、「小売店がセールで忙殺されるから」「デパートの収支が黒字になるから」「交通整理や万引きなどの犯罪を取り締まる警察官が最も多忙な日だから」などと言われています。
2. 各国のブラックフライデーの特徴
アメリカ発のショッピングイベントであるブラックフライデーですが、近年ではドイツやイタリア、ブラジル、中国など世界各地に広がっています。日本でも小売店やECサイトなどでセールが開催され、だんだんと知名度が高まっています。
ここでは、アメリカ、日本、ドイツ、中国のブラックフライデーについて紹介します。
2-1. 本場・アメリカの盛り上がりは
ブラックフライデーの発祥の地であるアメリカでは、今年も大規模なセールが行われます。
Amazon、スーパーマーケットチェーンのウォルマート、家電量販店ベスト・バイ、さらにはコストコ、Apple、IKEAなど、有名企業がこぞってセールを展開。
例えばテレビが1,600ドル(約23.6万円 ※11/21時点)割引されたり、各種家電・寝具・衣料品などが最大40〜50%割引されるなど、消費者にとっては見逃せない安さとなっています。
一方で、環境への意識の高まりから、あえてブラックフライデーへの不参加を表明し、大量消費に反対する企業も出てきています。
2-2. 日本でもイオン、Amazonなどがセールを開催
日本のブラックフライデーは、2014年にアメリカ発の玩具量販店「トイザらス」が関連セールを行ったことがはじまりと言われています。
国内企業としてはイオンが2016年からブラックフライデーセールを開催し、その後、小売店を中心にセールを実施する企業が増えていきました。2023年もイオンでは、11月17日〜26日の期間で限定企画やキャンペーンを実施中です。
オンラインショッピングでは、Amazonが日本国内向けのブラックフライデーセールを2019年から開催しています。2023年は11月24日〜12月1日の日程で開催される予定です。11月22日0:00から先行セールも予定されていて、開催前から大きな話題となっています。
欧米諸国と比べるとセールの規模や知名度は劣りますが、年々、消費者の注目も高まっている様子です。コロナ禍や物価高の影響で低迷する国内の買い物需要回復に向け、購買意欲の火付け役となることが期待されています。
2-3. 欧州でひときわ盛り上がるドイツ
ヨーロッパでは、ブラックフライデーは主要なショッピングイベントのひとつで、とくにドイツでの盛り上がりが大きいようです。ドイツでは毎年、11月の第4金曜日の前後1週間を「ブラックフライデーウィーク」と定め、大規模なセールやキャンペーンが展開されています。
ドイツでの知名度を高めるきっかけとなったのは、2006年にアメリカのApple社がドイツ国内でブラックフライデーセールを開催したこと。もともと、クリスマスシーズンの購買活動が活発だったこともあり、各地で関連セールやキャンペーンが行われるようになりました。
クリスマスホリデーを盛大に祝うヨーロッパの人たちにとって、ブラックフライデーはシーズンの到来を告げるビックイベントになっています。
2-4. 盛り上がりに欠ける中国
中国でもブラックフライデーを導入する企業は年々増えていますが、アメリカやヨーロッパと比べると少し盛り上がりに欠けるようです。
その理由は、中国独自の特大セールの影響が挙げられます。毎年11月11日は、中国最大のECセール「ダブルイレブン」の日。ECサイト大手のアリババが仕掛けたもので、2019年には1日で4兆円以上の取引を記録するなど、中国で最も注目度の高いショッピングイベントです。
毎年“爆買い”が行われるダブルイレブンの陰に隠れて、ブラックフライデーはイマイチ盛り上がりにかける状態に。ただしセール自体は毎年開催されていて、徐々に国内の知名度は高まってきており、今後の盛り上がりが期待されます。
3. ブラックフライデーだけじゃない!ほかにもある世界の「お買い物イベント」
各地で大規模なセールが開催されるブラックフライデーですが、世界にはほかにも注目すべきショッピングイベントがあります。ここでは代表的なふたつのショッピングイベントを紹介します。
3-1. ダブルイレブン(独身の日):11月11日
中国最大のECセールとして大いに盛り上がる「ダブルイレブン」。11月11日は「1」が4つ並んでいることから中国では「独身の日」と呼ばれ、もともとはパートナーのいない若者が集まって婚活パーティなどを開催していました。
その盛り上がりに注目した中国ECサイト大手のアリババは、2009年11月11日に独身者向けに大規模なセールを開催。売上は上々で、大きな話題になりました。
その後、独身者に限定せずにセールが開催されるようになり、“中国最大のショッピングイベント”と言われるまでに規模が拡大。近年では11月11日を「独身の日」よりも「セールの日」や「買い物の日」と考える人が多いようです。
詳しくは「ダブルイレブンとは?中国発・11/11開催の大規模ECセール、人気カテゴリや2023年の注目ポイントを解説」で紹介しています。あわせてご確認ください。
3-2. サイバーマンデー:感謝祭の次の月曜日
「サイバーマンデー」とは、アメリカの祝日である11月の感謝祭(第4木曜日)の次の月曜日からはじまるセールのことをいいます。アメリカではブラックフライデーを含む4日間の連休が明けた月曜日、オンラインショッピングの売上が急増することからその名がつきました。
アメリカでは伝統的に、感謝祭の休暇には実店舗で買い物を楽しみ、連休が終わった後は自宅や職場でオンラインショッピングを楽しむ人が多い傾向にあります。
また、かつてはインターネット回線が今ほど安定していなかったため連休明けに職場の回線を使って買い物をする人が多かった時代がありました。各家庭のネット回線が安定した今でも、連休明けの月曜日にオンラインショッピングの売上が増加する傾向は続いているようです。
2020年のサイバーマンデーの売上は108億ドル(約1.1兆円)を記録し、アメリカの1日あたりの通販売上の記録を更新。コロナ禍が明けた2023年は、当日と同じく需要の高まりが期待されています。
4. ブラックフライデーは年末消費の起爆剤になるか
2023年も世界各地で大規模なセールが予定されているブラックフライデー。地域によっては1年で最も売上が伸びる日でもあり、規模は年々、拡大傾向にあるようです。
とくに2023年はコロナ禍が収束してから初のブラックフライデーとなり、一段と注目度が増しています。ここ数年、冷え込みが続いたクリスマスと年末消費の起爆剤となることが期待されます。
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