「九州MaaS」8/1開始!公共交通のDXがインバウンド対策に有効な理由とは?

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8月1日、次世代移動サービス九州MaaS」が開始されます。2022年に「九州MaaSプロジェクト研究会」が設立されてから2年を経て、ついにサービス開始に至りました。

現在、公共交通機関は利用者減少や人材不足など様々な課題に直面していますが、近年増加するインバウンド客にとって、公共交通機関は日本国内を周遊する上で大事な足となっています。そのため、交通DXによる利便性向上がインバウンド対応の成功につながると期待されます。

本記事では、九州MaaSの全体像を紹介し、交通DXインバウンド対策においてどのように活用できるのかを解説します。

関連記事:MaaSに取り組む事業者を紹介 有名企業から国土交通省の支援する「日本版MaaS支援事業」まで


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注目を集める「九州MaaS」とは

九州MaaSとは、交通機関におけるデジタル技術を活用した取り組みで、「利便性が高く持続可能な地域交通ネットワーク」を構築することを目標としています。

その全体像は、4つの柱から構成されています。九州MaaSは、以下の4つの取り組みで移動手段として公共交通が選ばれる環境を生み出し、持続可能な地域公共交通の実現や観光分野を含む移動の円滑化による地域経済の活性化を目指します。

1.サービスプラットフォーム運用

1つ目が、地域住民・来訪者向けの「ボーダレス交通」サービスプラットフォームの運用です。

移動経路の検索・予約・決済、観光地やお出かけの情報、多様なデジタルチケットの販売などの機能を実装したサービスプラットフォームを活用することで、利用者に対し県を超えたボーダレスな交通サービスを提供するというものです。また、将来的には観光施設等の予約機能連携などの機能も実装される予定です。

2.データの利活用推進

2つ目が、交通事業者・自治体等向けのデータ利活用プラットフォームの運用です。

前述したサービスプラットフォームやICカードから得られた利用データを可視化し分析することで、運行計画の検討や地域店舗のマーケティングに活用するというものです。生活・観光シーンでの移動の実態を掴み、可視化・分析を通して需給調整や新商品・サービスの検討に活用することが期待されています。

3.フィジカル連携推進

3つ目が、フィジカル連携推進です。

乗り継ぎ時間を考慮したダイヤ編成や乗り継ぎ環境の整備など、フィジカル面での利便性を向上させるというものです。デジタル面での領域に限らず、フィジカル面での連携にも両輪で取り組むことが、九州MaaSの基礎理念となっています。

4.ナレッジ集約、人材育成・確保

4つ目が、ナレッジ集約、人材育成・確保です。

各地域での成功事例・失敗事例からの学びやデジタル関連や商品設計のノウハウなどを蓄積するというものです。また、実地でMaaSの運営に携わることで得られる知識や経験と今後の公共交通を見据えたスコープを持つ人材の育成も目指されています。2030年までに、九州MaaSの取り組みを通じて人材が育成されナレッジが継承されている状態を目指します。

交通DXがインバウンド対応に活用できる理由

九州MaaSのような交通DXがインバウンド対応にどのように活用できるか解説します。交通DXが解決できる課題は「周遊観光の促進」と「混雑回避」が挙げられます。

1. 周遊観光の促進

まず周遊観光については、地域一体で広域的なMaaSを導入することで対応できます。

九州は魅力あるコンテンツに恵まれつつも観光資源が広域に分散している状況で、公共交通を利用する場合、乗り継ぎなしで複数の観光地を巡ることは困難と言えます。そのため、九州インバウンド消費額が相対的に低い傾向にあります。

そこで、複数の公共交通サービスを束ねたネットワークを導入することで、乗り継ぎが簡易になり、さらに県を超えた移動も可能となります。これにより、複数の観光地での消費額が高まることが期待されます。

2. 混雑回避

次に混雑回避については、インバウンドの公共交通のニーズに対してデータ活用を行うことで対応可能です。

公共交通はインバウンドにとって貴重な移動手段であり、インバウンドの増加に伴い公共交通の需要は高まっていく見込みです。そのため、地域によって混雑する路線が発生すると予測されます。

そうした予測に対し、交通アプリやICカードのデータを活用し需給予測を行うことで、混雑路線への対応が可能となります。

交通DXの成功事例:JR東海バス

実際に交通DXを推進しインバウンド対応に成功した事例として、「JR東海バス」の取り組みを紹介します。

JR東海バスは2023年1月11日より、QRコードによる運賃支払いへの対応として、「AIrペイ QR」を導入。その背景には現金払いのニーズが減少傾向にあることや、インバウンド客に人気のルートでキャッシュレス対応のニーズなどが高まっていることがありました。

その後2024年7月には、新紙幣への対応コストも背景に、一部の路線を除いて運賃箱の運用は原則廃止されました。

QRコード決済システムの導入によって、インバウンド客のニーズに応えただけでなく、ドライバーの業務量も削減できた事例です。

関連記事:地域で進める「観光DX」3つの事例:箱根町・富士吉田市・妙高市が実施した取り組みとは【じゃらん観光振興セミナー vol.2】

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<参照>

一般社団法人九州MaaS協議会:九州MaaSとは

九州地域戦略会議:九州MaaSグランドデザイン概要版

株式会社リクルート:『Airペイ QR』がジェイアール東海バスに導入 ジェイアールバスグループで初 運賃支払いをキャッシュレスに

【7/23開催】育成だけではガイドは増えない!地域の魅力を最大化させる『ローカルガイド』を増やす打ち手とは

本セミナーでは、インバウンド観光における地方誘客や地域消費拡大の鍵として、「ローカルガイド」の可能性に焦点を当てます。

観光地では今なお、多言語で地域の歴史や文化を伝えられるガイドが不足しており、「訪日外国人の受け入れ体制が十分とはいえない」と感じている自治体も多いのではないでしょうか。

そこで注目されているのが、地域に根ざした人々が観光客を案内する「ローカルガイド」です。

2018年の法改正により、国家資格がなくても有償でガイドができるようになり、地域住民や移住者など、さまざまな人がローカルガイドとして活躍できる時代となりました

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本セミナーでは、株式会社羅針盤と株式会社movが共催し、インバウンドを地域でどう受け入れ、地域の魅力をどう伝えるか。そのために欠かせないローカルガイドを増やすための具体的な打ち手や、現場での実践例を詳しくご紹介します。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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