インバウンドに人気の商品・お土産ランキング【2024年版】「龍角散」や「休足時間」がランクイン、中国・台湾・香港などの市場で1位を独占したのは?

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外国人向けEコマース事業を手掛けるBEENOS株式会社は8月22日、「越境EC・訪日インバウンド×上半期トピックス発表会 2024」を開催。越境ECサービス「Buyee」の購買データに基づく海外消費者の消費トレンドについて発表しました。

また、発表会では訪日客向けショッピングサポートアプリを提供する株式会社Payke 代表取締役CEO 古田奎輔氏も登壇。同社が集計したアプリデータをもとに、外国人観光客に人気の商品など最新の消費動向について報告しました。

訪日ラボでは、発表会の内容を踏まえ、全2回にわたり訪日外国人の消費動向についてお伝えしていきます。後編となる本記事では、Paykeによるデータから、訪日外国人消費額の3割を占める「買い物」消費の動向について最新情報をまとめます。

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Paykeとは:訪日外国人向けショッピングサポートアプリ

訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke(ペイク)」は、商品バーコードを読み取ることで、商品の詳細情報を母国語で確認できるアプリです。

従来の翻訳アプリと異なり、「Payke」は例えば商品の使い方や魅力など、購入を検討する際に役立つ情報を多言語で提供します。これにより、外国人観光客は自国の言語で商品について詳しく理解し、安心して買い物が楽しめます。

2015年にサービスを開始し、累計ダウンロード数は500万を突破。ユーザーの96%が外国人で、言語は中国語(簡体字 / 繁体字)・韓国語タイ語・ベトナム語・英語・日本語の計7か国語に対応しています。利用者の多くが日本に旅行に来る前にアプリをダウンロードしており、ダウンロード後3か月以内に来日するケースが7割となっているそうです。

株式会社Payke 代表取締役CEO 古田奎輔氏
▲株式会社Payke 代表取締役CEO 古田奎輔氏:訪日ラボ撮影

Paykeのデータに見る訪日外国人の消費トレンド:買い物代は引き続き高いシェアを維持

観光庁が発表したインバウンド消費動向調査(2024年4月~6月)によると、訪日外国人の消費額に占める買い物の割合は31.1%(6,641億円)でした。モノ消費からコト消費への移行が進んでいると言われる中でも、買い物は全体の3割以上を占める高い割合を維持しています。

また、コロナ禍前と比べて日本を訪れる外国人観光客の国籍は多様化しています。2019年4月~6月には、消費額に占める中国人観光客の割合が36.7%だったのに対し、2024年4月~6月には20.7%に減少。一方で、台湾韓国香港など東アジアの国々の消費額が増加しており、タイシンガポールといった東南アジア諸国やアメリカオーストラリアからの消費も増えています。さまざまな国から訪れた旅行者が、日本での買い物を楽しんでいる様子がうかがえます。

買い物 消費属性 国籍分布 Payke
▲買い物消費属性の国籍分布:Payke資料より引用

<参照>

観光庁:インバウンド消費動向調査2024年4-6月期

2024年のインバウンド人気商品ランキング(国籍別):2019年との比較

Paykeでは、ユーザーのスキャンデータをもとに旅行者の国籍別に人気商品を集計しています。

コロナ禍前の2019年には、風邪薬や喉の薬、スキンケア商品が多くランクインしていました。一方、2024年には目薬、皮膚薬(スキンケア商品)、胃腸薬ブランドの人気が高まっています。特にスキンケアマスク「ダーマレーザー スーパーVC100マスク」は、中国台湾香港で人気商品の1位を獲得しており、国籍を問わず人気です。

中国人観光客の人気商品を比較すると、2019年の1位と2位、2024年は2位と3位に「龍角散ダイレクトスティック」がランクイン。コロナ前後で変わらず高い人気を誇っています。

台湾人観光客の人気商品を比較すると、2019年は「カップヌードル」が1位と3位にランクイン。一方、2024年は1位が「ダーマレーザー スーパーVC100マスク」、2位が「ロートリセコンタクトw(目薬)」、3位が「パブロンゴールドA微粒44包(風邪薬)」という結果でした。

韓国人観光客にとっては、2019年と2024年のトレンドは変わらず、風邪薬が人気です。2024年のランキング1位は「パブロンゴールドA微粒44包」で、これは2019年のランキング3位と同じ商品です。2024年の2位は「イブクイック頭痛薬 40錠(2019年1位)、3位は「太田胃散 分包 48包(2019年8位)」がランクインしています。

主要国籍毎の人気商品比較 2019年 Payke
▲主要国籍毎の人気商品比較(2019年):Payke資料より引用
主要国籍毎の人気商品比較 2024年 Payke
▲主要国籍毎の人気商品比較(2024年):Payke資料より引用

人気のブランドではロート製薬、ライオン、大正製薬などが伸長

続いてブランドごとの人気ランキングを見てみると、ロート製薬、ライオン、大正製薬といった医薬品・日用品メーカーが順位を上げています。

2024年 インバウンド 商品 ランキング
▲2024年は目薬・皮膚薬・胃腸薬が人気に:Payke資料より引用

インバウンドが買い物する店舗では「ドン・キホーテ」が圧勝

買い物店舗ブランドでは、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の売上が大きく伸びています。薬だけでなくスキンケアやお菓子、家電製品など、さまざまなジャンルの買い物ができる店舗業態が人気のようです。

一方、コロナ禍前に積極的にインバウンド消費を取り込んでいたドラッグストア家電量販店などでは、シェアがやや低下する様子もみられました。医薬品や日用品といったインバウンドに人気の商品販売において、競争が激化していることがわかります。

買い物店舗ブランド、訪日外国人消費、2024、Payke
▲全体に占める主要小売チェーン別訪日客推移:Payke資料より引用

2024年の人気買い物スポットランキング:2019年との比較

Paykeによる人気買い物スポットランキングでは、2019年には1位が大阪市中央区(大阪)、2位が新宿区(東京)、3位が台東区(東京)、4位が那覇市(沖縄)、5位が渋谷区(東京)でした。さらに、7位には札幌市中央区(北海道)がランクインするなど、地方都市の買い物需要も高い傾向にありました。

2024年の最新ランキングでは、1位が大阪市中央区(大阪)、2位が台東区(東京)、3位が新宿区(東京)と、上位の都市は変わらないものの、2019年に4位だった那覇市が16位、7位だった札幌市中央区(北海道)が14位と大きく順位を下げています。

コロナ禍後、旅行者が東京・大阪・京都・福岡といった「ゴールデンルート」の観光地に一極集中しているという問題が指摘されていますが、買い物スポットについても同様の現象がみられており、今後は地方誘客の促進が課題となります。

訪日外国人旅行者・人気買い物スポット Payke
▲訪日外国人旅行者・人気買い物スポット:Payke資料より引用

新たな人気買い物スポットとして成田市がランクイン

2024年に新たに人気買い物スポットとして、成田市(千葉:成田空港)や泉南郡田尻町(大阪:関西国際空港)など空港に近い都市がランクインしました。

成田市には多くの外国人が訪れており、商業施設などでインバウンド対応を強化しています。例えばイオンモール成田では、英語中国語だけでなく、タイ語など複数の言語に対応。また、周辺ホテルからのシャトルバスを運行し、利便性を向上させるとともに、「日本ならではのもの」を扱う店舗を増やしているようです。

このように、日本国内での消費需要や人気買い物スポットの動向には、地域や時期によってさまざまな変化があります。インバウンドの最新動向を把握し、適切かつ迅速な対応をとることが必要です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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