インバウンドの「コト消費」需要が高まる中、株式会社玉寿司は9月20日、「寿司にぎり体験 浅草道場(Asakusa sushi making studio by Tsukiji Tamasushi)」を東京・浅草にオープンしました。コースの価格は1万1,000円で、90分間で本格寿司にぎり体験から職人の技術ショーまで楽しめる内容となっています(9,900円で60分間の気軽な体験コースも用意)。
訪日ラボは18日に行われたメディア発表会に出席し、インバウンド客の集客・受け入れに向けた工夫を取材してきました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
インバウンド向け本格寿司にぎり体験専門店「寿司にぎり体験 浅草道場」開業の経緯
今回「寿司にぎり体験 浅草道場」を開業した株式会社玉寿司は、2010年から「築地玉寿司 晴海通り店」にて、寿司にぎり体験を1日1組限定で提供してきました。
需要急増に伴い実施店舗を系列3店舗に拡大していましたが、それでも予約で満席の状態が続いたことから、新業態として寿司にぎり体験に特化した専門店をオープンする運びとなったといいます。代表取締役社長の中野里氏は、「ただ寿司屋をやるだけでなく、寿司という日本が誇るコンテンツに何か新しい価値を提供できないか、模索してきた」と話します。
場所は東武鉄道浅草駅直結の商業施設「浅草EKIMISE(エキミセ)」の7階と好立地。当日ふらっと来店しても気軽に参加できるよう、言語対応や予約システムの整備を進めました。
これまでは日本語のみの対応で通訳ガイドの同行を必須としていましたが、新店舗では寿司職人とともに通訳ガイドが入ることで言葉の壁を乗り越え、個人旅行者でも気軽に参加することができるようになるといいます。
寿司にぎり体験の様子
体験コースの内容は、本物の職人さながらに白衣を身に着け、自分でにぎった寿司を実食するにぎり体験に加え、本わさびをすって味わう体験や、職人が目の前で作る手巻きや本格玉子焼きの実食、職人の包丁技術ショーなど多彩なプログラムが用意されています。
講師は玉寿司の熟練職人が務め、ネタも既存店舗同様に鮮度の高い上質な素材を使用。にぎりの技術はもちろん、寿司文化の歴史や背景まで丁寧に伝えます。
メディア発表会では、外国人モデルを起用したデモンストレーション、職人による包丁技術「飾り切り」の披露、寿司にぎり体験が行われました。

これまでもインバウンド客を受け入れてきた中で、課題となっていた点や工夫した取り組みについて聞くと、「作る寿司ネタの種類を変更した」とのこと。「ネタによってにぎり方が変わるのが面白いから、体験してほしい」との思いでアジや穴子など色々なネタを提供していたものの、苦手な方も多く、廃棄になってしまっていたといいます。まぐろ、サーモン、えび、いくら軍艦の4つのネタに変更したところ、廃棄物がほとんどなくなり、フードロス削減にもつながったそうです。
また、以前は素手で寿司にぎり体験をしていましたが、シャリが手につきすぎるなどして造形が崩れ、失敗し挫折してしまう人が多かったのだそう。そこで手袋を着用してもらうようにした結果、素手より綺麗に握れることで成功体験になり、より一層喜ばれるようになったということです。
「外国人が外国人を呼ぶ」口コミが何よりの宣伝
インバウンド向けの情報発信については、海外メディアに取り上げてもらうなどの取り組みもありつつ、一番は「実際に来て体験した外国人客による、SNSなどでの口コミ」が何よりも宣伝になるといい、「外国人が外国人を呼ぶ」理想的な状態が実現できているそうです。
中野里氏のインバウンドに対する思いは熱く、「海外から来た方に、何か楽しいことを提供したい」「せっかく日本に来たからには日本を良い国だと思って、大好きになってほしい」と語りました。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年7月前編】「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年7月前編】
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