イースターは日本語で「復活祭」といい、キリスト教において最も重要な祝日のひとつです。
日本ではクリスマスやハロウィンほど浸透していませんが、ヨーロッパや香港などでは学校が長期休暇となる場合もあり、この時期に訪日する旅行者も少なくありません。
春の桜のシーズンと重なることもあり、インバウンド担当者にとっては注目したいタイミングのひとつです。
本記事では、イースターの基礎知識とインバウンドとの関係について紹介します。
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イースターとは?
イースターとはキリスト教における「復活祭」のことで、十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、3日目に復活した奇跡を祝う大切なイベントです。
キリスト教ではクリスマスと並ぶ重要な行事とされ、多くの国では家族や友人と集まって食事を楽しんだり、さまざまなイベントが行われたりします。
諸説ありますが、「イースター(Easter)」という言葉は、ゲルマン神話に登場する春の女神「エオストレ(Eoster)」に由来するといわれています。キリストの復活と春の訪れが重なることで、生命の再生や繁栄を象徴するお祭りとして広がっていきました。
2025年のイースターは4月20日
イースターの日付は毎年変わります。「春分の日のあと、最初の満月を迎えた次の日曜日」と決められているためです。
キリスト教には「西方教会」と「東方教会」というふたつの大きな教派があり、西方教会はグレゴリオ暦に基づいてイースターの日付を計算する一方、東方教会はユリウス暦に基づいてイースターの日付を計算します。
2025年は、どちらも同じ4月20日がイースターにあたります。
重要な存在の「イースターエッグ」「イースターバニー」
イースターで重要な存在といえば、「イースターエッグ」と「イースターバニー」です。
イースターエッグは、新しい命の象徴とされる卵をカラフルにペイントしたものです。飾りとして楽しむほか、子どもたちが隠されたエッグを探し集める「エッグハント」や、スプーンにのせて運び、速さを競う「エッグロール」などの遊びにも使われます。また、卵から生まれることから、ひよこもイースターのモチーフとして使われることがあります。
イースターバニーは、子どもたちにイースターエッグやお菓子を届けるキャラクターです。イースター前夜にバスケットを準備しておくと、そこにイースターエッグやお菓子が入っているという風習もあります。
うさぎは繁殖力が強く、「生命」や「繁栄」の象徴とされてきた動物です。そのため、イースターに登場するようになったといわれています。

イースターは何をする日?
イースターでは、春の訪れとキリストの復活を祝うさまざまなアクティビティが行われます。
代表的なものとして、イースターエッグを使ったゲームや装飾、特別な料理などがあります。以下に、主な行事をご紹介します。
エッグペイント
「エッグペイント」は、家族や友人と楽しむ伝統的なイベントです。
卵の殻にカラフルな絵の具やシールで装飾し、個性豊かなデザインを施します。食紅を使って染めたり、アクリル絵の具で模様を描いたりする方法もあります。
ペイントした卵は、飾りやエッグハントなどのゲームに使用されます。

エッグハント
「エッグハント」は、イースターに行われる伝統的な遊びのひとつで、庭や室内に隠されたイースターエッグを探し出す「卵探し」ゲームです。
見つけた卵の数に応じてプレゼントをもらえたりと、宝探しのような感覚で楽しめます。プラスチック製の卵の中にお菓子や小さなおもちゃを入れるなど、工夫次第でより盛り上がります。
エッグロール
「エッグロール」はスプーンやお玉にイースターエッグを乗せて転がし、ゴールまでの速さを競うゲームです。
卵は予測不能な方向に転がるため、バランス感覚と集中力が求められます。個人戦やチーム戦など、さまざまな形式で楽しめます。
ボンネットパーティー
「ボンネットパーティー」は、花やリボンで飾った帽子(ボンネット)を身につけて参加するイベントです。
ニューヨークでは1870年代から続く「イースターパレード&ボンネットフェスティバル」が有名で、五番街を舞台にして華やかなパレードが行われます。
イースターデコレーション
イースターの装飾は、春らしい明るい色合いと自然素材を取り入れるのが特徴です。
花やリボン、ヤナギの枝などを使ったリースや、カラフルなイースターエッグを用いた装飾品などが一般的です。家の中や玄関先を華やかに彩り、季節の変わり目を感じさせてくれます。
イースターでは何を食べる?
イースターは、家族や親しい人たちと食卓を囲んで、ごちそうを楽しむ日でもあります。
キリスト教にはさまざまな教派が存在しており、イースターの前に断食を行う習慣がある教派も存在し、復活祭当日はその解禁日になります。卵料理や肉料理、甘いお菓子などを食べて、イエス・キリストの復活を祝います。
ここでは、イースターに食べられる代表的な料理をご紹介します。
卵料理(デビルエッグなど)
イースターの定番といえば、生命や復活の象徴とされる卵料理です。見た目も華やかな「デビルエッグ」は、イースターを象徴する前菜として人気です。
ゆで卵の黄身にマヨネーズやマスタード、パプリカパウダーなどを混ぜて白身に詰めるだけと、手軽に作れるのも魅力です。パーティーメニューとしても重宝されます。

ラム肉
キリスト教において、子羊は純潔や平和の象徴とされる特別な存在です。そのため、多くのキリスト教文化圏では、イースターのメインディッシュとしてラム肉を使った料理が定番となっています。
なかでも、ラム肉を香ばしく焼き上げた「ローストラム」がイースターの代表的な料理のひとつとして知られています。
ハム
アメリカではとくに、イースターにハムを食べる習慣が根付いており、時期が近づくとスーパーには大きなハムの塊がずらりと並びます。
なかでもオーブンで焼いた「ベイクドハム」は、イースターの定番料理のひとつとして非常に人気で、厚切りにしたものが食卓に並びます。
ホットクロスバンズ
イギリス発祥の「ホットクロスバンズ」も、イースターの定番スイーツのひとつです。
クロス(十字)の模様が特徴の甘い菓子パンで、スパイスの香りとドライフルーツがアクセントになっています。魔除けや幸運を呼ぶとも言われ、イースター前に食べる習慣があるそうです。

うさぎの形のケーキやお菓子
繁栄や豊穣の象徴であるうさぎも、イースターならではのモチーフです。
うさぎ型のケーキやチョコレート、クッキーなど、かわいらしいスイーツが多く登場し、イースターの楽しい雰囲気を盛り上げるのに一役買っています。
国や地域によっては長期休暇が 桜シーズンと重なることも
日本ではまだイースターの認知度は高くありませんが、ヨーロッパやオーストラリア、香港などではイースターが国の祝日になっています。国や地域によっては、学校の長期休暇も設定されています。
また、こうしたイースター休暇は春の桜のシーズンとも重なることがあり、そのためこの時期の訪日需要は高まる傾向にあります。
日本政府観光局(JNTO)が発表している訪日外客統計では、2024年3月の訪日外国人数は単月として過去最高を更新しました。その要因のひとつには、春の桜シーズンとイースター休暇が重なったことがあります。
春のインバウンド集客はイースターにも注目
イースターはイエス・キリストの復活を祝う宗教的な行事であり、キリスト教国では春のイベントとしても定着しています。近年は日本でもテーマパークやホテル、飲食業界などを中心に、関連イベントや商品が増えてきました。
春の桜シーズンはインバウンド対策を行う上で重要な時期ですが、イースターと重なることで、さらなる集客が期待できる可能性があります。春の集客の準備として、意識しておくとよいかもしれません。
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