リスティング広告とは?意味・費用・運用方法・効果を解説

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【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】

本連載では、国内外問わず通用するマーケティング施策を取り上げ、インバウンド対策にも役立つヒントをお届けします。

リスティング広告とは検索連動型広告を意味し、SEOやローカルSEO施策と並び、オンラインにおける集客対策のひとつとして活用されています。

ユーザーのニーズに応じた広告を表示できる点がリスティング広告のメリットであり、高い宣伝効果が期待できます。

この記事では、リスティング広告の仕組みや費用、運用方法や効果について解説します。

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リスティング広告とは

リスティング広告(検索連動型広告)とは、GoogleやBingなどの検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、検索結果の上位に表示される広告のことです。

広告対象が特定のキーワードを検索したユーザーに限定されるため、あらかじめニーズを持っているユーザーに広告を見てもらうことができるというメリットがあります。

ユーザーのクリック数ごとに広告料が発生するPPC(ペイパークリック)広告で、Googleをはじめとする検索プラットフォームに広告を出稿できます。

コンテンツ連動型広告、リターゲティング広告、SEOとの違い

続いて、コンテンツ連動型広告やリターゲティング広告、SEOとの違いについて解説します。

コンテンツ連動型広告とは

コンテンツ連動型広告とは、GoogleやYahoo!、YouTube、その他あらゆるサイトで表示されるコンテンツと同じWebページに、その内容と連動して関連性の高い広告を掲載する広告の一分類です。

コンテンツ連動型広告は、リスティング広告と同じくクリック課金型広告 (PPC広告)です。バナー広告やインフィード広告などの形式があります。

コンテンツ連動という名前は、GoogleやYahoo!の採用するプログラムがWeb ページの情報を分析して、自動的にそのWeb ページのコンテンツにマッチする広告を掲載することを表しています。

この場合は、過去に閲覧したコンテンツの内容によってリスティングするケースが一般的です。

自らが運営するWebサイトやその他のオンラインコンテンツを閲覧したユーザー向けにも広告は表示されます。コンテンツ連動型広告は、リスティング広告と同様に、ある商品に対してニーズを有すると考えられるユーザーに対してダイレクトにマーケティングを行うことができます。

リターゲティング広告とは

特定のWebページ(自社サイト)を閲覧したユーザーを追跡して広告を表示させる「リターゲティング広告」という広告もあります。過去に接触したユーザーに再アプローチできるため、コンバージョン率が高いという特徴があります。

リスティング広告の場合はテキストでの出稿になりますが、コンテンツ連動型やリターゲティング広告では画像や動画で出稿できるので、視覚や聴覚に訴えることもでき、訴求効果が高くなります。

自然検索(SEO)とは

SEO(Search Engine Optimization)とは、Webサイトの内容や構造を改善し、検索エンジンの評価を高めることで、検索結果の上位に表示されるようにする手法です。

広告費なしで掲載できるため、長期的に安定した集客が期待できます。

ただし、検索結果で上位に表示されるまでには時間がかかり、ユーザーに見つけてもらうには質の高いコンテンツが欠かせません。

一方、リスティング広告は広告を出稿すればすぐに上位に表示されるため、即効性がありますが、クリックごとに費用が発生します。SEOは無料で継続的な集客が可能ですが、上位表示には時間と労力が必要になります。

リスティング広告のメリット

リスティング広告はオンラインにおけるユーザーへの訴求手段として有名ですが、リスティング広告における具体的なメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

以下では、リスティング広告の主なメリットについて解説します。

メリット1:ニーズが明確なターゲットへアプローチができる

検索連動型広告やコンテンツ連動型広告について紹介しましたが、リスティング広告では少なからずニーズを抱いているユーザーへの直接的なマーケティングが可能な点が大きなメリットです。

ニーズを持つユーザーのみを対象として訴求できるという点はまさにオンライン広告の強みを活かした戦略であり、広告主に対しては高いコンバージョン率を提供することが可能になります。

メリット2:データを基に臨機応変な運用ができる

リスティング広告では、広告に関するさまざまなデータを簡単にまとめられる点もメリットといえるでしょう。

オフラインにおける広告ではどれほどの人々の目にとまり、どれほどの人々が当該広告から掲載されているサービスへと流入したかが把握しにくい一方、リスティング広告ではクリック数やインプレッション数、コンバージョン数を正確に把握することが可能です。

そのため、思うような結果につながっていない広告については掲載を停止したり、仮説に基づき施策を変更したりといった運用ができます。

メリット3:掲載場所をコントロールできる

リスティング広告では、広告料を支払うことによって検索結果画面のどこに広告を表示させるかをある程度調整できます。

SEO施策による検索結果の上位表示や、SNSの拡散によって情報拡散を狙う場合にはさまざまな創意工夫や努力、時間が必要ですが、リスティング広告ではそのような必要はありません。

表示される場所をコントロールしやすいため、訴求力のある広告なら比較的早い段階で結果につながると考えられます。

リスティング広告のデメリット

リスティング広告には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。

ここでは、リスティング広告の主なデメリットを紹介します。

デメリット1:費用・運用コストがかかる

リスティング広告を出稿するにはコストがかかります。SEO施策やSNSでの情報拡散を狙った施策の中には無料で取り組めるものもあり、このコストは負担に感じられるかもしれません。

ただし、TVなどのマスメディアを利用したマス広告に比べれば基本的にはリスティング広告の出稿にかかる費用はそこまで大きくありません。

デメリット2:ユーザーから敬遠される

リスティング広告には広告ラベルが表示されるため自然検索による上位表示コンテンツとは区別されます。

基本的には検索結果画面の1ページ目に表示されるので一定の効果や影響力はありますが、リスティング広告として最も上位に表示されているコンテンツよりも自然検索内の上位に表示されているコンテンツのほうがクリック率が高いことがわかっています。

広告であるということは当然ユーザーに明示されていますので、広告を避けたいユーザーには敬遠されてしまうこともあるようです。

リスティング広告の費用

リスティング広告出稿や運用にはコストがかかります。このコストがどのように計上されていくのか、リスティング広告の出稿と運用の詳細を決めていくにあたり理解が欠かせません。

以下では、リスティング広告の費用について解説します。

クリック課金制

リスティング広告ではユーザーが広告をクリックするごとに広告料金が加算されます。

1クリックあたりの広告料は広告主が設定した入札価格や広告の内容、品質をもとに決定され、この広告料にクリック数をかけ合わせた金額がクリック課金額となります。

広告料金の設定は入札形式

広告料金の設定にあたり、広告主は入札制により金額を自ら設定できます。

最低入札価格はキーワードや広告の品質、入札者数によって異なります。SEO施策において競合率の高いキーワードや業界では最低入札価格も高くなる傾向があります。

広告掲載順位は「入札価格」×「広告品質」で決まる

広告欄にも、検索結果の表示と同様に掲載順位があります。複数の入札があるキーワードについては広告ランクによって掲載順位が決定されます。

広告ランクは入札価格と広告の品質をもとに決められるもので、入札価格が高額だったり広告の品質が高かったりするほどランクは高くなります。

広告ランクを上げるには?

高品質な広告であると認められれば、入札価格を上げなくても広告ランクを向上させられます。広告主の立場から言えばコストをかけずにユーザーに対しての訴求力を強めることができるということになります。

広告の品質は、推定クリック率、検索語句と設定キーワードのマッチング、設定キーワードと広告文のマッチングなどを判断材料として決定されます。広告の品質次第では低額な入札価格で最上位に表示させることもできるため、コスト面でアドバンテージを得ることが可能です。

リスティング広告の出稿方法

リスティング広告を出稿するには、Google広告やYahoo!広告などの広告プラットフォームを利用し、適切なキーワードやターゲット設定を行う必要があります。以下、基本的な出稿の流れを詳しく解説します。

1. 広告プラットフォームの選定とアカウント開設

リスティング広告を出稿するには、まず広告を掲載するプラットフォームを選び、広告アカウントを作成します。

▼代表的なプラットフォーム

  • Google広告
  • Yahoo!広告
  • Bing広告

2. キャンペーンの作成

広告アカウントを開設したら、新しい広告キャンペーンを作成します。

設定する主な項目は以下の通りです。

  • キャンペーンの目的を選択(例:ウェブサイトの訪問数増加、商品購入促進 など)
  • 広告の掲載場所を設定(Google検索のみにするか、ディスプレイ広告も含めるか など)
  • ターゲット地域を指定(日本国内、特定の都市、海外向け など)
  • 言語を設定(ターゲットユーザーが使う言語を選択)
  • 予算と入札戦略を決定(1日あたりの広告費、入札単価の調整方法 など)

3. キーワードの選定と設定

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示されるため、適切なキーワード選定が重要です。

キーワード選定では、以下のポイントを確認しましょう。

  • 検索ボリュームがあるか(多く検索されるキーワードか)
  • 購入意欲の高いキーワードか(例:「東京 ホテル おすすめ」→ 予約につながりやすい)
  • 競合が多すぎないか(競争率が高いとクリック単価が上がる)

「マッチタイプ」は広告の配信範囲を調整するための設定で、以下の3種類があります。

  • 完全一致:「東京 ホテル おすすめ」と完全一致する検索語句のみ対象
  • フレーズ一致:「東京 ホテル」+他の単語が組み合わさった検索語句(例:「東京 ホテル 格安」も対象)
  • 部分一致:関連する広範なキーワード(例:「東京 宿泊」も表示対象になる)

4. 広告文の作成

続いて、広告文を作成します。リスティング広告の広告文(タイトル・説明文)は、ユーザーがクリックするかどうかを左右する重要な要素です。

上記で設定したキーワードを必ずタイトルや説明文に入れるようにしましょう。

説明文は、共感性や具体的なメリットを強調し、ユーザーの興味を引く内容になっているか、確認しましょう。

5. 予算と入札単価の設定

リスティング広告は、クリック課金制(PPC:Pay Per Click)であるため、1クリックあたりの入札単価(CPC)と1日の広告予算を設定します。

入札戦略の種類は、手動入札(自分でクリック単価を調整)と、自動入札(AIが最適な入札額を自動で調整)があります。

近年では、AIが最適な入札額を設定してくれる自動入札が基本になっています。

6. 広告の審査と配信開始

広告の作成が完了したら、広告プラットフォームの審査を通過する必要があります(通常数時間~1日以内)。審査に通ると、設定したターゲットに向けて広告が配信されます。

7. 効果測定と改善

広告配信後は、効果を分析し、改善を繰り返すことが重要です。

主な指標(KPI)を確認し、必要に応じて改善します。

  • クリック率(CTR) = クリック数 ÷ 表示回数(高いほど効果的)
  • コンバージョン率(CVR) = コンバージョン数 ÷ クリック数(購入・問い合わせにつながっているか)
  • 広告の費用対効果(ROAS) = 売上 ÷ 広告費(広告投資が適切か判断)

改善ポイントの例を紹介します。

  • クリック率が低い → 広告文の改善(魅力的なフレーズ追加)
  • コンバージョン率が低い → ランディングページ(LP)の改善
  • 費用対効果が低い → キーワードや入札単価の調整

リスティング広告を活用し、効率的なプロモーションを

リスティング広告はユーザーのニーズを汲み取った上で広告を表示するという特徴を持っており、多くの企業や店舗がオンライン集客対策として認識しています。

オンラインの広告出稿には、リスティング広告(検索連動型)の他にもコンテンツ連動型があります。自社や自店の広告において重視するターゲット層に応じて、適した広告形態を選択することが重要です。

また、設定キーワードや広告文を工夫することによって低額な広告料で大きな集客効果につなげられる可能性も秘めています。リスティング広告をうまく活用することで、コストパフォーマンスの高いプロモーションすることも不可能ではありません。こうした広告について理解を深めて導入していくことは、一考に値するでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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