中国でGoogleマップが使えないのはなぜ?訪日中国人が使う地図アプリの活用方法を解説!

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Googleマップは世界中で毎月20億人以上のユーザーが利用していることから、訪日客向けの情報発信ツールとして欠かせない存在となっています。

しかし中国人向けにインバウンド対策を必要とする場合、中国ではGoogleマップを使用できないため、別のツールが必要になります。

中国市場は、訪日客数が回復途上であるなかでも消費額が1位になるなど、日本の観光業界にとって重要な国です。だからこそ、訪日中国人を集客するにあたって適切な情報発信ツールを使うことが求められています。

そこで本記事では、中国Googleマップが使えない理由を解説するとともに、中国人が実際に使っている地図アプリについて紹介します。

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中国ではGoogleマップが使えない、その理由とは?

中国では、政府の規制によってGoogleマップが利用できません。中国ではグレートファイアウォールと呼ばれる大規模な情報検閲システムが敷かれており、Google関連サービスやFacebook、Instagramといったサイト・SNSが規制されています。

そのため中国独自のアプリやツールが国民に広く浸透しており、さまざまな場面で活用されています。

一方で、最近では一部の訪日客Googleマップを利用しているようです。実際に、中国SNSでは「日本旅行でインストールしておくべきアプリ」という投稿でGoogleマップが挙げられていることも。とはいえ、中国国内ではVPNに接続しなければGoogleマップをダウンロードできないため、気軽には利用できないといえるでしょう。

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中国人が使っているマップ2選

中国では政府の規制によりGoogleマップを使用できないため、中国向けのインバウンド対策では別のツールが必要になります。そこで候補として挙げられるのが、中国独自の地図検索サービスです。

中国人が使用する代表的な地図アプリとして、「高徳地図」と「百度地図」があります。日常生活から旅行まで幅広く活用され、中国国内だけでなく国外のマップも利用可能です。

ここでは、高徳地図百度地図のそれぞれの特徴を紹介していきます。

「高徳地図(amap)」:中国最大級のシェア

高徳地図は、中国の代表的なIT企業「アリババグループ」が運営する、中国国内シェアナンバーワンを誇る地図アプリです。

▲高徳地図(amap)目的地検索:訪日ラボ編集部スクリーンショット
▲高徳地図(amap)目的地検索:訪日ラボ編集部スクリーンショット

地図やナビゲーション機能のほか、複数のパートナー企業と提携していることから、旅行のホテル予約やチケット購入、ネット配車サービスなど生活に関わるさまざまなサービスを利用でき、日常生活を送るうえで欠かせないアプリとなっています。

ナビや交通情報が充実しており、特にカーナビとして活用されていてドライバーや若者を中心に人気を集めています。

2024年6月には、高徳地図の月間アクティブユーザー数が8億人を突破したと発表されました。

また、高徳地図は言語設定として簡体字繁体字英語の3種類が用意されています。

関連記事:中国人が使う地図アプリ「高徳地図(amap)」とは?登録方法や使い方まで徹底解説!

「百度地図(バイドゥマップ)」:200以上の国と地域に対応

百度地図(バイドゥマップ)は、中国の大手検索エンジンである「百度(バイドゥ)」が提供する地図検索サービスです。運営元の会社の百度は、インターネット検索などの情報通信事業を中心に、中国最大級の検索エンジンを提供している会社です。

▲百度地図(Baidu map)目的地検索:訪日ラボ編集部スクリーンショット
▲百度地図(Baidu map)目的地検索:訪日ラボ編集部スクリーンショット

百度地図はWeb・アプリの両方で利用可能で、ユーザーは百度地図で地図を検索できるほか、混雑状況や交通情報、気象情報、周辺の施設情報など、さまざまな情報を得られます。200以上の国と地域に対応しており、海外旅行で使用する際には、百度地図を利用して目的地までの経路を調べたり、周辺散策を楽しんだりする人も多いようです。

ユーザー数は5億人程度となっており、シンプルで直感的な操作感から人気となっています。

また百度地図では、iPhone(iOS)の場合、スマートフォンの言語設定を英語にすることで、英語版のアプリを利用できるようになります。

関連記事:3.6億人が利用する「百度地図」とは:機能や訪日中国人集客への活用法も紹介

中国人の地図活用方法4選

中国人は、高徳地図や百度地図を活用しながら、旅行中の情報収集を行っています。旅行に役立つさまざまな情報が中国語で提供されているため、快適に旅行を過ごすためのツールとして欠かせない存在です。

ここでは、中国人の旅行中の地図アプリの活用方法について紹介します。またここで紹介する活用方法は、日本でも使用可能です。

1. ルート案内として活用

中国人が目的地に移動する際、地図アプリの情報や案内が役立ちます。現在地から目的地までのルート案内を確認できるほか、バスや電車の時刻表、乗り換え案内が細かく表示されます。最適なルート順に距離や所要時間、運賃などが表示され、一つを選ぶと詳細なルートを確認可能です。

そのほかにも、自転車でのルートを表示したり、タクシーやライドシェアを配車したりといったことも可能で、複数の選択肢の中から最適な手段を選ぶのに有効です。

2. 店舗や観光地を探す

地図アプリは店舗や観光スポットを探す際にも活用されています。検索したエリア周辺のショッピングエリアや飲食店の位置情報が表示されるため、時間を有効活用して観光地を巡れます。

位置情報のほかにも近隣店舗で利用できる特典やクーポン情報が表示される機能もあり、買い物の際に活用している人もいるようです。

3. 口コミをチェック

地図アプリには他のユーザーが投稿した口コミが掲載されており、口コミ情報をもとに行き先を比較検討する人も多いようです。

中国人は旅行や買い物をする際の判断基準として、他の人の評価や口コミを重視する傾向があります。地図アプリで他のユーザーのレビューをチェックして、具体的な感想や体験談などから実際の雰囲気やサービスを事前に把握し、行き先選びに活用しているようです。

4. ホテルなどを予約

地図アプリを使って、ホテルやチケットを予約することも可能です。宿泊施設によっては、地図アプリの写真や口コミなどの情報から比較し、アプリ上からそのまま予約できる場合もあります。

宿泊当日は地図アプリで目的地までのルートや交通手段も案内してくれるため、移動もスムーズに行えます。地図アプリは旅行前の計画から旅行中の移動や行き先選びまで、旅行を楽しむために欠かせないツールになっているようです。

「高徳地図」と「百度地図」はインバウンド集客でも使える?

高徳地図百度地図は、実際に訪日中国人客を集客するツールとして利用できるのでしょうか。

現段階では、高徳地図百度地図は誰でも簡単に利用できるわけではなさそうですが、インバウンド対策として活用できる方法があります。

代理店経由で店舗情報の登録・広告出稿が可能

現時点では、高徳地図百度地図も日本の電話番号ではアカウントを作成できず、店舗情報を登録できないという壁があります。

一方で、日本の事業者でも代理店を経由すればアカウント登録と広告出稿が可能になります。

高徳地図百度地図は多くの中国人が使うアプリであることから、中国語での情報掲載と広告出稿が実現すれば、集客機会の拡大につながるといえそうです。

代理店を経由する必要があるため、SNS口コミサイトによる情報発信と比べたらハードルが高くなってしまいますが、地図アプリインバウンド集客に使えるといえるでしょう。

日本の情報が充実していない可能性には注意

高徳地図百度地図のマップを実際に確認してみると、地域によっては店舗情報が掲載されていなかったり、店名は記載されていても詳細情報がなかったりと、必要な情報が不足している状態が見受けられます。

とはいえ、どちらも徐々に店舗情報などは増えているようです。また高徳地図百度地図も中国人にとっては使い慣れたアプリであることから、訪日旅行で一切使用しないというのは考えにくいでしょう。

現段階では地図アプリはナビとして活用し、SNSなどで詳しい情報を収集するなど使い分けられていると考えられます。今後、日本側の情報がさらに充実した場合、訪日中国人客にとって主要ツールとなる可能性もありえます。

中国人が使っているマップで集客する方法

ここでは、高徳地図百度地図で中国人を集客する方法について紹介します。

中国人が使用している地図アプリは、代理店を経由する方法によって、訪日中国人客の集客対策における選択肢の一つになります。

代理店を経由して店舗情報を登録

高徳地図百度地図どちらも、日本の電話番号を使う場合は、日本の代理店を経由することで店舗情報の登録・更新が行えるようになります。

また中国の電話番号のスマートフォンか、中国電話番号付きのSIMカードを用意できる場合は、事業者自身でも店舗情報の登録が可能です。

地図広告やクーポンを掲載

店舗情報の登録と同様、日本の代理店を経由することによって地図広告やクーポン掲載といった有料プロモーションを実施できます。

中国人がよく使う地図アプリに広告を掲載することで、ターゲット層に向けた効果的なアプローチにつながります。

百度地図では検索エンジンへの広告出稿を同時に検討可能で、高徳地図はユーザーに若い世代を多く抱えているといった特徴があります。

広告出稿の際には、それぞれの地図アプリの特徴を踏まえた上で掲載先を選ぶことで、より効果的なインバウンド集客につながりやすくなります。

中国人が訪日旅行情報を調べるツールは?

中国人にとって高徳地図百度地図は地図アプリとして馴染み深い一方で、現段階ではインバウンド対策ツールとしての第一候補ではなさそうです。

とはいえ多くの中国人ユーザーを抱える地図アプリは、他のツールと組み合わせることでインバウンド対策にも活用できると考えられます。

では、中国人が訪日旅行情報を調べる際、どのようなツールを使用しているのでしょうか。

1. 口コミサイト

中国人は旅行や買い物の際に口コミを重視しています。特に「中国食べログ」とも呼ばれる「大衆点評」は訪日中国人の2人に1人が利用しており、訪日中国人の集客対策として注目しておきたいツールです。

その他にも世界最大級の旅行コミュニティサイトである「トリップアドバイザー」なども使われており、旅行者は多くの口コミを比較した上で予約しています。

関連記事:訪日中国人の2人に1人が使う「大衆点評」プロモーション活用のポイントは【訪日ラボ中国人スタッフが解説】

2. SNS

訪日中国人を集客したい場合、最近では中国独自のSNSの活用も重要になっています。

特に中国人に向けたプロモーションで注目してほしいのは、以下の3つのアプリです。

  • Weibo:中国国内最大のソーシャルメディア
  • WeChat:メッセンジャー機能を備えたマルチサービスアプリ
  • RED:中国版Instagramとも呼ばれるSNS

たとえば中国Instagramとも呼ばれる「RED小紅書)」は、近年日本企業のアカウント解説が相次いでいます。特に若い世代や女性が積極的に活用しており、実際に日本旅行に関する情報が数多く投稿されていることから、情報収集には必須ともいえるツールです。

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地図アプリを活用して訪日中国人の集客手段を増やそう

訪日中国人客数はコロナ前の水準に向けて着実に回復しており、消費額の高さからも日本のインバウンド市場への影響力が高まっています。そのため、訪日中国人の集客はインバウンド対策をするうえで重要です。

そのなかで、幅広い中国人ユーザーから支持を集める「高徳地図」や「百度地図」は、訪日中国人の集客機会を拡大する上で役に立つツールといえるでしょう。

中国人が活用する口コミサイトSNSと地図アプリを組み合わせた上で、中国人観光客への認知度向上や利用促進に向けて、インバウンド対策を実施してみてください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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