SNSは手軽に国内外の人々とコミュニケーションが取れるツールとして広く利用されています。
中国国内では独自に発展したWeiboが主流です。よく“中国版Twitter”とも言われますが、近年のWeiboはX(Twitter)にはないさまざまな機能を取り入れ、より幅広いサービスを提供しており、中国国内最大のソーシャルメディアとなっています。
市場規模が大きい中国に向けた宣伝やPR、自社サービスの運用にはWeiboの活用が有効であり、インバウンド対策において押さえておきたいツールのひとつでもあります。
そんな中国最大のソーシャルメディアであるWeiboの特徴と、インバウンド向けに効率的に活用するための事例を紹介していきます。
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Weiboとは
国家による検閲(グレートファイアウォール)が存在する中国では、世界中で広く使われるX(Twitter)やInstagramなどのSNSを利用できません。
Weiboとは、そういったSNSの代わりに発展した、検閲による制限がされない中国独自のSNSサービスです。
Weiboの概要と機能
Weiboは正式には新浪微博(シンラン・ウェイボー)といいます。中国のIT企業である新浪公司が運営するソーシャルメディアプラットフォームです。
アカウントを開設しログインすることでWeibo上の投稿を閲覧でき、基本的には短文でミニブログとして運用できます。ハッシュタグは日本で広く使われている形式とは異なり、「#◯◯◯#」のように、前後を記号で挟む形式が使われています。
テキストや画像・動画投稿などといった基本機能のほか、多くの中国人が利用している決済アプリ「アリペイ」と提携したキャッシュレス決済の機能も併せ持っています。
Weiboが中国で利用されている理由
中国ではマスメディアよりも口コミを信頼する傾向があります。中国の報道機関は政府を批判するための組織ではなく、政府の広報としての側面が強くなっています。そのため、中国人はマスメディアの情報には体制側の主張が含まれているものとして認識する傾向にあるようです。
広告も同様、広告主の都合で情報が整理されていると受け止めるため、広告内容をもとに購入を検討することはあっても、情報の真偽については基本的に懐疑的です。
一方、SNSに投稿される一般ユーザーのコメントについては、企業や組織の利益のための情報ではないと考える傾向にあります。身近な人物や、信頼を寄せる芸能人やネット上の著名人の発信も同様、何かを購入したり旅先を決定したりする際の判断の参考にしています。
Weiboには地域のニュースや芸能ニュースも随時更新されています。1日に膨大な量のコンテンツが投稿されており、一種の検索エンジンのような役割も果たしているといえるでしょう。
日本人もWeiboアカウントを運営可能
Weiboは日本人でも利用可能で、基本的な表記は英語で設定できます。参入障壁はそれほど高くなく、日本の企業や有名人もWeiboを利用した宣伝・PRを行なっています。
ファッション通販サイトZOZOTOWNの創業者である前澤友作氏も、Weiboを中国向け広報に活用しているひとりです。その他アイドルやアーティスト、スポーツ選手など、さまざまなジャンルの著名人が活用しており、中国市場での認知度アップを目的に活用する例が増えています。
Weiboの登録方法については、「Weibo(微博・ウェイボー)に登録するには?PCとスマホそれぞれの方法・企業公式アカウント・そのメリットを解説」の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
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Weiboは危険なのか?安全性を高めるセキュリティ設定や登録の方法
Weiboの人気日本人アカウントは?
Weiboを使ったプロモーション事例3選
法人の場合、ガイドラインに従って申請することでWeiboの公式アカウントを解説できます。Weiboアカウント名の横に表示される「V」マークが認証済の印です。
公式アカウントからの投稿は信用性の高い情報となり、ユーザーからも信頼されています。ここでは、Weiboの公式アカウントの実例をいくつか紹介します。
1. マツモトキヨシ
ドラッグストアのマツモトキヨシはWeiboの公式アカウントを2017年7月に開設しています。2024年10月、同アカウントのフォロワー数はおよそ18万人にもおよんでいます。アカウント上では、キャンペーン告知やおすすめ商品の紹介、クーポン掲載などをメインに展開しています。
マツモトキヨシのWeiboアカウントはこちら
2. 青森県
Weiboの公式アカウントを持つ日本の地方自治体のなかでも、青森県は抜きんでたフォロワー数を記録しています。2024年10月現在のフォロワー数は130万人です。たとえば「ねぶた祭り」のようにその土地特有の伝統文化を発信することで、中国人からの人気を得ていると推測できます。
東京や大阪といった訪日観光のゴールデンルートは当然訪日中国人にも人気ですが、近年訪日中国人市場では「大多数とは違う経験がしたい」と考える旅行者も増えています。
こうした層に対して、いち早く知名度を獲得してその土地ならではの特有の魅力を発信したことが、フォロワー数増につながったと考えられます。
青森県のWeiboアカウントはこちら
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3. ドン・キホーテ
関東地方を中心に総合ディスカウントストアを展開するドン・キホーテは、2011年にWeiboのアカウントを開設しています。2024年10月現在、50万を超えるフォロワー数を誇る人気アカウントとなっています。
セールや商品の案内を中心に発信しているほか、Weibo上で話題となっているおもしろい投稿をアレンジして配信するなど、工夫を凝らして投稿している様子がうかがえます。
このようにWeiboでの流行や最新の情報をいち早くキャッチし、利用者が興味をひかれる投稿をすることがフォロワー獲得につながっていると考えられます。
ドン・キホーテのWeiboアカウントはこちら
関連記事:ドン・キホーテ、CMに世界的スターのブルーノ・マーズを起用 その背景は
Weiboを活用する際のポイント
実際にWeiboをインバウンド客の集客に活用していくためには、どのような運用が効果的なのでしょうか。インバウンドプロモーションを成功させるためのポイントなど、具体的な活用方法を紹介します。
現地文化に即し、ターゲットを明確にしたコンテンツ配信
インバウンドプロモーションを実践していくうえで、日本人向けのプロモーションをただ流用するだけでは効果が出にくい傾向にあります。
どの国の観光客をターゲットにするのかをまずは明確に定め、その国の目線で投稿します。国によって文化や価値観が異なるため、「外国人」でひとくくりにするのではなく、プロモーションする相手を明確にする必要があります。また、観光客からの投稿にこまめに返信することでより信用度も高くなります。
公式アカウント開設で信頼度を高める
一般アカウントと企業公式アカウントでは、ユーザーの信頼度や使える機能に大きな違いが生まれます。一般アカウントは誰でも作れることからアカウントとしての信頼度が低く、広告の運用ができません。その一方で、公式の目印でもある「V」マークが表示されている公式アカウントから発信される情報は、ユーザーにとって大きな信頼を意味しています。
公式アカウントは、Weiboの広告を設定したターゲットに向けて配信することもできます。閲覧者の属性など詳細なデータも確認でき、中国市場の傾向分析が可能になる点もメリットのひとつです。
中国人へのプロモーションならWeibo
Weiboは中国国内の電話番号がなくともアカウントを開設でき、日本人でもはじめやすいSNSのひとつです。戦略的に運用すればインバウンド集客においても費用対効果の高い手法となります。
中国人ユーザーの興味関心をひくコンテンツ作りや更新のタイミングなど、運用にはいくつかの基本的なコツがあるため、中国市場でのファンづくりの際にはこうしたポイントを理解する必要があります。
注目を集め、自社商品の購入や観光施設への誘客を狙う場合にも、まずはしっかりと信頼されるアカウントに育てることが大切です。Weiboを正しく理解したうえで効果的かつ効率的に取り入れることが、中国人への効果的なプロモーションにつながるでしょう。
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