海外のDMOと日本のDMOの違いとは?【ココが違う!海外DMOのリアル vol.1】

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連載:ココが違う!海外DMOのリアル

北米を中心とした海外DMOの事情に詳しい公益社団法人日本観光振興協会 大須賀氏より、海外DMOの「リアルな取り組み」をお届けしていく連載。海外DMOとの違いから日本のDMOにおける課題をあぶり出すとともに、今後取るべき方針や具体的な施策について考える。

観光地域づくり法人(DMO)の設立が日本で本格的に始まり10年が経とうとしている。この間、インバウンドの急増、それに伴うオーバーツーリズム問題、コロナ禍での急激な観光需要の減少、ポストコロナ時代の新たな観光のかたちの模索などDMOをめぐる環境も大きく変化してきた。そのような環境のなかで、日本のDMOが更なる発展をめざすためには、海外のDMOの活動を知ることも重要な視点ではないかと考える。

観光立国として日本が海外の市場と競合していることは、日本国内に住んでいると意識しづらいことかもしれない。とくにDMOの現役職員の方は、目の前の業務遂行が多忙を極め、それをこなすことで精一杯になり、視点を大きく、広く持って自分のDMOの姿を客観的に俯瞰することはなかなか難しいと思う。筆者もある東北地方のDMOで勤務経験があり、DMOの業務がいかに大変かは誰よりも身をもって理解していると思うので、なおさらそう思う。

しかし、現実として、日本は、アジアや世界の観光立国、たとえばタイフランスアメリカスペインイタリアなどと競合し、観光客から選ばれる立場なのだ。DMOのマネジメントする地域ももちろんこの比較対象としてそれらの国の観光地と比較され、観光客に見られていることを忘れてはならないと思う。

翻って、その受入れ体制整備の「旗振り役」のDMOが、他国のDMO政府観光局などと比べてどうなのかを客観的に知る機会は、普段なかなかないのではないだろうか。

筆者が所属する公益社団法人日本観光振興協会は、世界29か国に1,000近くの団体会員を擁する世界的なDMO統括団体、Destinations International(以下DI。米国ワシントンD.C.が本拠地)の会員である。毎年北米で開催される同組織の年次総会に参加し、委員会活動なども積極的にこなし、開催されるウェビナーなどをすべて視聴して日々最新の情報を得るように心がけている。主に同組織との関わりを通して知る海外のDMOの姿を、この連載を通して、DMO関係者のみならず、「観光地経営」に日々奮闘されている多くの方にお伝えできればと考え、連載記事を執筆させていただこうと思っている。

文/大須賀 信(公益社団法人日本観光振興協会

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北米のDMOと日本のDMOの違い

はじめに、日々、北米DMOとの関りを通して感じている、日本のDMOとの大きな違いをいくつか述べていきたい。

観光地域診断ツール「DestinationNEXT」とは

DIはいくつかのオフィシャルツールを有しているが、その中に観光地域診断ツールDestinationNEXT(通称D-NEXT)がある。 「D-NEXT」はDIの財団であるDestinations International Foundationの支援を受け、NEXT FACTOR社が開発した地域の合意形成を促進支援する観光地域診断ツールだ。診断は、その地域の行政や地域関係者(議員、住民組織等)、事業者(ステークホルダー)を対象に実施する、約200項目からなるオンラインアンケート調査結果を元に行うもので、DMOのマネジメント地域のポジションが可視化される。

調査結果は、「Destination Strength(観光地の強み)」と「Community Alignment(地域の連携)」の二つの観点から分割された4象限に分類される。各象限にはそれぞれシナリオモデルとして

  1. 確立した観光地であり地域連携が強い「先駆者」
  2. 開発途上の観光地であり地域連携が弱い「探検者」
  3. 開発途上の観光地であるが地域連携は強い「航海者」
  4. 確立した観光地であるが地域連携が弱い「登山家」

が設定されている。自分たちの地域がどのモデルに該当するか、調査結果から客観的に診断・評価することができる。さらに、ステークホルダー毎にも集計されるので、例えば宿泊事業者が重視していることと飲食事業者が重視していることの相違なども明らかとなる。

北米DMOは「地域の連携」を最も重視

この続きから読める内容

  • 北米のDMOと日本のDMOの違いを表したイメージ図
  • 北米DMOと日本のDMOにおける「DX」の違い
  • Destination Stewardshipの概念
  • 実は、求められるのは「マネージメント」ではない?
  • DMOが行うべきこととは?
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この記事の筆者

大須賀信

大須賀信

公益社団法人 日本観光振興協会 事業推進グループ 観光地域づくり・人材育成部長

千葉県出身。米系航空会社などを経て2018年より地域連携DMOの(一社)秋田犬ツーリズムへ。2022年3月まで事務局長を務めた後、同年4月より(公社)日本観光振興協会へ。企画政策や交流促進を担当した後、観光地域づくり・人材育成部門観光地域マネジメント担当としてDMOのサポート、海外事例などの情報発信などを手がける。
観光庁「地域周遊・長期滞在促進のための専門家派遣事業」登録専門家、東京都 観光まちづくり アドバイザー(東京都・東京観光財団)、秋田県観光振興ビジョン有識者会議委員(秋田県)。
Destinations InternationalのSocial Impact Committee所属。PDM(Professional in Destination Management), Intellectual Capital, Business Intelligence (Sales, Services, Marketing and Communications)の5種全種の資格取得。

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