なぜ今、インバウンド対策は必要なのか?【意外と知らないインバウンドの基本 vol.1】

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昨今、多くの企業が訪日外国人観光客をターゲットにした「インバウンド対策」に取り組んでいます。

インバウンド対策の重要性は認識しているものの、情報が多すぎて何から手を付ければいいか迷ってしまう方も少なくないのではないでしょうか。

本連載では、ローカルビジネスコンサルティング・店舗マネジメント業を行い、デジタル、アナログ両面で小売・飲食・宿泊業、観光業に豊富な経験を持つ永山氏が、知っているようで意外と知らない「インバウンド対策の基本」について解説します。

これからインバウンド対策を始めようとしている方はもちろん、自社の対策を見直したい方も必見の内容です。

関連記事:【2026年版】インバウンドカレンダー 訪日プロモーションを行うタイミングはいつ?

<プロフィール>
永山卓也:株式会社ユニットティ代表取締役

ローカルビジネスコンサルティング、店舗マネジメント業を行い、 デジタル、アナログ両面で小売・飲食・宿泊業、観光業に豊富な経験。各都道府県の地方自治体、地域団体などを中心にセミナー、講演実績多数。株式会社ユニットティ代表取締役。観光庁 2025年度 地域周遊・長期滞在促進のための専門家。GoogleビジネスプロフィールGoogleマイビジネス)ダイアモンドプロダクトエキスパート。Google Maps, Google広告プロダクトエキスパート。東京観光財団 観光おもてなしアドバイザー。京都府観光連盟 観光アドバイザー。株式会社movが運営するお客様の声のDXサービス口コミコム 」テクニカルアドバイザー&インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」アドバイザー。

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なぜ今「インバウンド対策」は重要か

「うちは地元のお客さんだけで回っているから、インバウンドなんて関係ない」「外国語対応は大変。そのうち観光客が来るようになったら対策したい」

現場を回っていると、こうした声を耳にすることがあります。しかし今この瞬間も、私たちの足元では「じわじわと真綿で首を絞められるような状況」が進んでいます。

連載の第1回は、具体的な施策を行う前に、なぜ今、すべての事業者がインバウンド対策に向き合わなければならないのかをお話します。

変化に弱い構造はリスク

そもそも、なぜ私たちはインバウンド対策をやる必要があるのでしょうか。

理由はシンプルで、今の日本は、少子高齢化・人口減少の一途をたどっているからです。日本人客だけを相手にビジネスをするのは、日本が今後人口増加に転じたり、別の要因で景気が良くなるという前提がない限り、どこかで立ち行かなくなる可能性が高いのです。

もちろん、政治による前向きな変化にも期待したいところです。しかし私たちは、来るべき少子高齢化・人口減少に備え、できる限り自分たちの力で生き残る道をつくっていかなければなりません。

まさに私たちはコロナ禍で、特定の客層に依存するリスクを痛感しました。

移動が制限された途端、観光客を頼りにしていたお店は閉店の危機に追い込まれました。一方、地元客でにぎわっていた店は何とか持ちこたえました。

しかし、今後もずっと地元の人だけを相手にしていると、「真綿で首を絞められる」ように状況は苦しくなります。

つまり、特定の層に依存する「変化に弱い」構造をやめることが、事業を続けていくためのリスクヘッジになるのです。

インバウンド市場の変化にもチャンスはある

こうした話をすると、最近の中国政府による訪日自粛要請のように、インバウンドにも変化のリスクはあるのでは、と思う方がいるかもしれません。


たしかにインバウンド対策では、中国など、まず訪日者数が多い市場に対応することが一般的です。一方で、他の店舗がまだ手を付けられていない“マイナーな市場”に目を向けることで、思わぬ可能性が広がることもあります。

例えば私たちが海外旅行に行った際、日本人があまり訪れない観光地で日本語の口コミがあれば、「ここにしよう」と選びやすくなりますよね。

同じように、自分たちのエリアを訪れる旅行者にとっても、たとえ1件でも母語の口コミがあるだけで安心感が生まれ、来店につながる可能性が高まります。

そうして訪れた観光客がリピートしてくれたり、口コミで他の人に勧めてくれたりして来店が広がれば、事業はより安定し、地域の盛り上がりにもつながっていくでしょう。

地元向けの町中華にもポテンシャルが

また、地域の中華料理屋やカレー屋など、「うちは地元向けの店だから観光は関係ない」と思っているお店も、観光客、さらには外国人にとって魅力的な観光資源になり得る可能性があります。

そうしたお店に話を聞くと、実は来店客の中にツーリングなどで県外からお店に来てくれる方がいたりするのです。

それは、そのお店にわざわざ遠方から来る価値があるという証拠です。自分たちが意識していないだけで、実はすでに観光の文脈に立っているんですね。

そうしたお店が、観光客向けの発信をしていないだけで埋もれてしまうのは、本当にもったいないことです。だからこそ、遠方から来る人やインバウンドの来店も視野に入れ、新しい客層の獲得につなげてほしいと思います。

オーバーツーリズムをどう考えるか

こうしたインバウンド対策の話題になると、あわせて「オーバーツーリズム」の問題も取り上げられがちです。

もちろん、今までとは異なる客層(今回だとインバウンド客)が地域を訪れることや、来訪者の増加によって混雑が生まれることに、懸念を抱く気持ちは理解できます。

しかし、浅草や京都のような一部の地域を除き、日本のほとんどの地域では、国内・海外関係なく「もっと観光客が来てほしい」状況にあると思います。

日本は人口減少の一途をたどっています。オーバーツーリズムを理由にインバウンドそのものをシャットアウトしてしまうのは、将来の自分たちの首を絞める行為になりかねません。

今後、日本の人口減少が止まり、景気が回復して、日本人だけで全国のあらゆる地域に観光客があふれる――そんな可能性もゼロではありません。ただ、そのシナリオにすべてを委ねてしまうと、もし別の未来が訪れたとき(むしろ現状では、その可能性のほうが高い)、私たちは立ち行かなくなってしまいます。

そのため、自分たちの事業や地域を活性化させるためのインバウンド対策とは、観点を分けて考えるべきでしょう。

まずは一歩を踏み出すこと

とはいえ、最初から完璧なインバウンド対策をする必要はありません。

たとえば、Google翻訳を使ってメニューに外国語を併記してみる。その少しの手間をかけるだけで、1,000人に1人だったとしても、新しいお客さまが来てくれるかもしれません。そうしたら、比率的には少しでも、キャッシュレス決済の手数料分くらいは利益が改善する可能性もあります。

このように、お金をかけなくてもできる対策は色々あります。新しいことを始める不安もあると思いますが、まずはハードルを下げて試してみると、案外上手くいくかもしれません。

私は、地元の人に愛されるお店は、誰からも愛されるお店になる可能性が高いと思います。そういうお店に、インバウンドの方々も行きたいと思うのではないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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この記事の監修者

永山卓也

永山卓也

ローカルビジネスコンサルティング、店舗マネジメント業を行い、 デジタル、アナログ両面で小売・飲食・宿泊業、観光業に豊富な経験。各都道府県の地方自治体、地域団体などを中心にセミナー、講演実績多数。株式会社ユニットティ代表取締役。

観光庁 インバウンド地方誘客促進のための専門家。GoogleビジネスプロフィールGoogleマイビジネス)ダイアモンドプロダクトエキスパート。Google Maps, Google広告プロダクトエキスパート。東京観光財団 観光おもてなしアドバイザー。京都府観光連盟 観光アドバイザー。

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