観光庁による「訪日外国人消費動向調査」(平成27年)には、各国からの訪日外国人観光客の宿泊日数が記されています。欧米圏からの訪日外国人観光客は長期滞在、アジア圏からは比較的短期滞在との傾向があるなか、中国や韓国についで多く訪れる訪日台湾人観光客の宿泊日数はどうなっているでしょう。
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他国と比較した訪日台湾人観光客の宿泊日数
欧米圏からの訪日外国人観光客の平均宿泊日数はアメリカの14.7泊、フランスは14.8泊、スペインにいたっては15.4泊と長期間なのに対し、アジア圏は長くて中国の12.7泊、タイでは11.1泊、短いと韓国の5.2泊、香港で5.9泊と、地理的に日本に近くなるに連れ短くなる傾向があります。
訪日台湾人観光客も宿泊日数は少なく、6.4日と訪日香港人観光客についで短期間の滞在です。
日本滞在の宿泊日数が示す傾向
欧米圏では長期の休暇をとる習慣があります。また、日本までの移動距離が長いため、1度の旅行でなるべく多くを楽しみたいと考えるのも当然の事といえるでしょう。
反対に訪日台湾人観光客は滞在日数が少ない反面、訪日回数が多い=リピーターが多い傾向があります。訪日回数は2〜5回が49.0%、3〜9回が6~9回目となっており、2回以上(リピーター)の合計は80%弱にのぼります。親日的で距離も近い訪日台湾人観光客は「短期の訪日観光で複数回訪れる」という特徴があるといえるでしょう。
入国空港からみた訪日台湾人観光客の宿泊日数
訪日台湾人観光客が来日の際に降り立つ空港は成田国際空港が27.1%、関西国際空港が26.3%と多いなか、新千歳空港(9.3%、各国全体平均は5.0%)と那覇空港(9.5%、各国全体平均は5.5%)が各国からの訪日観光客の平均よりそれぞれ1.8倍ほど多いのが目立ちます。またそれは宿泊日数とも興味深い関連性があります。
沖縄と北海道から入国する訪日台湾人観光客の特徴
新千歳空港と那覇空港はそれぞれ北海道と沖縄にあります。日本全国各地に観光スポットがありますが、中でも北海道では雪やウインタースポーツ、沖縄ではマリンリゾートやウェディングツーリズムなど、気候や観光資源からも訪日台湾人観光客に人気な観光地といえます。
沖縄県では28億円のインバウンド収益:「ブライダル」で訪日外国人観光客を誘致する動きが加速
訪日外国人観光客の増加を受け、政府は東京オリンピックが開催される2020年までに、現在の約2倍である4,000万人、2030年までには6,000万人の訪日外国人観光客を誘致することを目標としています。それを受け、国内市場が縮小傾向にある業界にとっては、訪日外国人観光客は魅力的なターゲットになっています。その例の一つが、主に結婚披露宴、結婚祝賀会の運営を行う、ブライダル業界。市場の縮小傾向から訪日外国人観光客にも、ターゲットを広めています。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと...
訪日台湾人観光客の宿泊日数は新千歳空港では4.6泊、那覇空港で3.7日です。成田国際空港や関西国際空港から入国した場合と比較すると日数は1日~2日少なく、「観光目的を絞って短期間」が特徴的といえるでしょう。
宿泊施設からみた訪日台湾人観光客の特徴
訪日台湾人観光客が利用した宿泊施設は洋室中心のホテルが88.2%、和室中心の旅館が27.4%です。アジア圏のなかでは中国(34.7 %)についで旅館の利用が多い結果となっています。
宿泊施設別の宿泊日数からわかること
各国からの訪日観光客全体共通に見られることとしてホテルを利用した観光客と旅館を利用した観光客では、旅館の方がやや宿泊日数が多い傾向があり、ホテルの場合6.9泊、旅館の場合8.1泊となります。
対して訪日台湾人観光客は、ホテル、旅館両方共で5.3泊となっており差が見られません。別荘の利用で38.3日、ユースホステルの利用で8.8日、親族や知人宅の利用では16.1日と目立って長くなっています。移動距離が短いという利便性から複数回の短期旅行が特徴的な訪日台湾人観光客ですが、宿泊費用が安ければ宿泊日数も増えるといえるでしょう。
まとめ:滞在日数と訪日台湾人観光客
インバウンド消費額は中国についで多い訪日台湾人観光客です。親日的で距離の近さから複数回の訪日が今後も期待されますが、宿泊日数に関しては少ないのが現状です。そして、訪日台湾人観光客に長く日本に留まってもらうためには、宿泊費用へのアプローチが効果的と考えらるでしょう。
<参照>
訪日台湾人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日台湾人観光客
インバウンド施策をしていく上ではターゲットとなる方々がどのような特性や国民性を持っているのかを知るのは非常に重要です。このページでは台湾人は国として国民性としてどのような特徴や特性を持っているのか、訪日台湾人は日本国内でどのような行動を取っているのかを実際のデータを元に紐解いていきたいと思います。
訪日台湾人観光客の特徴
親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域です。訪日台湾人観光客はテレビ番組などから日本の最新情報を入手していることが多く、人気のエンターテイメントや話題の商品についてよく知っています。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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