2012年以降、円安やLCC(格安航空会社)の躍進、ビザ緩和やビジット・ジャパン・キャンペーンによる精力的なプロモーションなどにより、訪日外国人観光客がうなぎ上りで増加しています。
訪日香港人観光客はその中でも極めてリピート率の高くなっており、注力したい国のひとつです。こちらの記事では、訪日香港人観光客に人気のある体験ツアーをご紹介します。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
季節の行事に合わせた訪日香港人観光客向け体験ツアー
日本の四季が体験できるツアーは、訪日外国人観光客に非常に人気があります。その多くが日本文化体験を観光目的にしている訪日香港人観光客も、日本の四季は13.5%(全国籍平均10.0%)が訪日前に期待しています。
日本の四季を楽しむ人気の体験ツアー例
春は訪日香港人観光客にとって花見ができる人気の観光シーズンです。東京の上野公園や新宿御苑の他、北海道の松前公園や五稜郭公園、京都では嵐山、大阪では大阪城、九州では熊本城や小倉城などが訪日外国人観光客に人気の花見スポットとなっています。
また、夏には花火大会が注目を集め、秋にはもみじなどの紅葉鑑賞に秋の味覚体験、冬は北海道の雪まつりが人気が高いです。特に雪に関しては、香港で降らないため、訪日香港人観光客に特に人気の体験となっています。
訪日香港人観光客の旅行目的は「モノ」から「コト」へ
中国や台湾、そして訪日香港人観光客などの中華圏訪日外国人観光客は近年「爆買い」の話題でにぎわっていますが、訪日香港人観光客はそれほどショッピングに傾いてはいません。
むしろ国土の狭い香港では体験できないツアーと日本ならではのグルメ体験を好む傾向が強くあります。リピート率が高い理由のひとつは、「モノ」への興味が「コト」へと移ったことにあると言えます。
訪日香港人観光客に特に人気の県別体験ツアー
訪日香港人観光客には「Rail & Drive」が定着してきており、より体験的な旅行内容にシフトしつつあります。特に人気を集めている体験ツアーは以下の通りです。
- 登山(特に富士山)
- 着物街歩き(京都)
- 寿司づくり(奈良県)
- うどん作り(香川県)
- 農業体験(山形県)
- 漁師体験(長崎県)
- 果物狩り(桃/岡山イチゴ/和歌山)
- エコツアー(知床、屋久島)
- ペット同伴(ペンション利用、清里、伊豆)
- マラソン(北海道、東京、長野、名古屋、京都、奈良、大阪)
- サイクリング(香川県小豆島、しまなみ海道、長崎県伊王島)
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和歌山県が成功した訪日香港人観光客のインバウンド対策
和歌山県は、他県に先駆けて訪日香港人観光客や訪日台湾人観光客の誘致に目をつけていました。10年以上におよぶインバウンド対策を続けた結果、年間30万人を超える誘致に成功しています。どういう対策を講じたのか、持つべき視点とは何なのかという点を考察すると、学べることは非常に多いでしょう。
どういった体験ツアーで訪日香港人観光客を惹きつけたのか
和歌山県もインバウンド対策スタート時は他県と同様にアピール合戦に明け暮れていましたが、次第に「アウトバウンド」の姿勢では限界があることに気付き、インバウンドのニーズを熟慮して体験ツアーを作る「ユーザーイン」の視点に切り替えてから目覚ましい成功を遂げました。
和歌山県の名産みかんや柿などの果物狩りや、黒潮市場のマグロ解体ショー、香港で癒しブームが始まると猫の駅長「たま駅長」をプッシュするなど柔軟な発想で観光ツアーを生み出しています。
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まとめ:訪日香港人観光客向けにインバウンド対策するとしたら?
食に重きを置き、アクティブに体験ツアーを巡ったり、ドライブを楽しんだりすることが好きな訪日香港人観光客を誘致したいと考えるなら、知的好奇心をくすぐる体験と食が一緒に楽しめるようにするのがよいでしょう。このようなプランは、根強い人気があります。
<参照>
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成27年の年間値の推計
- JNTO:訪日旅行データハンドブック2016(世界20市場)
- 東南アジア特派員ビジネスレポート:香港人が訪日時に体験したいこととは?
- 昇龍道プロジェクト推進協議会 中国・台湾合同部会:中国、台湾、香港の市場動向と平成27年度の取り組み
- 日経ビジネスオンライン:香港人が和歌山を好むワケ
訪日香港人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日香港人観光客
2015年の日本政府観光局(JNTO)訪日外国人観光客統計によると、香港は前年比64.6%増の152万4300人と中国本土に次ぐ2番目の大きな伸びを示しました。
訪日香港人観光客の特徴
香港は中国の特別行政区ですが、インバウンドマーケティングを行ううえでは同国とは別途対応が必要な地域です。歴史的な事情からイギリスの強い影響を受けており、香港人は中国とは異なる習慣、感性を持っているためです。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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