広域観光周遊ルートが新たに4つ発表され、全11種類に:日本のほぼ全ての地域が組み込まれた形

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平成27年(2015年)度から観光庁が行っている、広域観光周遊ルート形成促進事業。同年6月に7つの広域観光周遊ルートが決定され、日本各地の観光資源を活用したモデルコースの策定などが行われてきましたが、関東地方や沖縄県は含まれていませんでした。なお、広域観光周遊ルートの詳細については、こちらの記事でご確認ください(広域観光周遊ルートで分かる、地域による訪日外国人観光客のニーズの違いとは?:訪日ラボ)。

しかし、これらの地域を含む広域観光周遊ルート4つが2016年6月14日、新たに決定されました。これで日本のほぼ全地域が組み込まれた形になります。今回は、新たに決定された広域観光周遊ルートの詳細を確認してみましょう。

 


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新たに決まった広域観光周遊ルートは北海道、関東地方、山陰地方、沖縄県の4つ

平成27年度に決定された広域観光周遊ルート

平成27年度に決定された広域観光周遊ルート

新たに広域観光周遊ルートとして決定されたのは北海道の一部を対象とした「日本のてっぺん。きた北海道ルート。」、東京都、その周辺地域を対象とした「東京回廊(仮称)」、山陰地方を対象とした「縁の道~山陰~」、沖縄県を対象とした「Be.Okinawa 琉球列島周遊ルート」の全4種類。

平成27年度に決定した7つのルートでは漏れてしまった地域がメインになっています。ほぼすべての広域観光周遊ルートで、広く欧米、アジア諸国の訪日外国人観光客を対象としていますが、各国の訪日外国人観光客の傾向が大きく異なります。このことを考慮すると、新たに登場した4ルートでも、平成27年度に決定した広域観光周遊ルート同様、複数のモデルコースが設定されると思われます。

日本のてっぺん。きた北海道ルート。

日本のてっぺん。きた北海道ルート。

日本のてっぺん。きた北海道ルート。

「日本のてっぺん。きた北海道ルート。」は、訪日外国人観光客が数多く訪れる札幌、旭川と北北海道の各地を広域観光周遊ルートとして繋いだもの。空知総合振興局、石狩振興局、上川総合振興局、留萌振興局、宗谷総合振興局が対象地域となっています。

欧米、アジア圏のFIT個人旅行者)、リピーターを主要なターゲットとしており、グルメや自然、森、湖、鳥などに焦点を当てたテーマ型ツーリズムが可能だとしています。目標は、平成32年(2020年)度に旅行者数300万人を達成すること。これは平成26年(2014年)度の旅行者数の約2倍にあたります。

東京回廊(仮称)

東京回廊(仮称)

東京回廊(仮称)

「東京回廊(仮称)」は東京都とその周辺地域からなる広域観光周遊ルート。2020年東京オリンピック、パラリンピックの影響で東京に一極集中する訪日外国人観光客を、周辺の都道府県に周遊させることを目的としています。

対象となるのは福島県茨城県栃木県群馬県千葉県埼玉県東京都神奈川県新潟県山梨県長野県(11都県)。大都市として知られる東京と周辺地域の自然景勝地のギャップを活用したプロモーションを行うとしています。

ターゲットとなるのは中国台湾韓国タイなどのアジア諸国に加え、欧米などのFITリピーター層。11都県の広域観光促進地域の外国人宿泊者数を、平成32年度内に約1,600万に増加させることを目標としています。

縁の道~山陰~

縁の道~山陰~

縁の道~山陰~

「縁の道~山陰~」は、鳥取県島根県山口県萩市の広域観光周遊ルート。これらの地域は日本の最も古い歴史を持っており、神話や伝説をテーマに山陰地方の自然伝統文化などが体験できるとしています。

目標は、平成32年(2020年)までに外国人宿泊者数25万を達成すること。ターゲットは日本を旅慣れており、新たな日本の一面を探している欧米や香港台湾リピーターです。今後はレンタカーを活用した観光ルートの模索などを行う予定。

Be.Okinawa 琉球列島周遊ルート

Be.Okinawa 琉球列島周遊ルート

Be.Okinawa 琉球列島周遊ルート

「Be.Okinawa 琉球列島周遊ルート」は沖縄圏の島々を巡る広域観光周遊ルート。沖縄本島に加え、久米島地域、宮古諸島地域、八重山諸島地域の離島15か所が対象となります。

それぞれの島の自然が主な観光資源で、台湾香港韓国中国シンガポールタイなどのアジア諸国に加え、欧米、オーストラリアが対象市場。他の広域観光周遊ルートとは異なり、ロシアからの訪日外国人観光客の需要も見込んでいます。

目標は、外国人宿泊数を平成30年度(2020年)までに868万、平成32年度(2022年)までに1,325万まで増加させること。今後は交通機関の整備、多言語対応の強化などのインバウンド対策を行うとしています。

 

まとめ:日本のほぼすべてが広域観光周遊ルートに

今回の広域観光周遊ルートの決定により、日本のほぼ全地域が組み込まれた形になります。これにより、プロモーションの切り口や訪日外国人観光客が利用する交通機関、旅行スタイル、訪問する観光地などに影響があると思われ、各地域の観光業者は詳細に把握しておきたいものです。

執筆時点ではモデルコースなどの詳細は発表されていません。今後の動向にも注意していきましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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