訪日外国人観光客増加に伴って様々な取り組みを始めている飲食業界。8月24日の日本経済新聞によると、岐阜県高山市のまちづくり推進会社「まちづくり飛騨高山」は市内に訪日外国人観光客を対象とした飲食施設を建設すると発表しました。飲食×インバウンドの動きは全国各地で見ることができます。
アサヒビール株式会社からは、全国の飲食店へインバウンド対策を提起するため「飲食店 おもてなしヒントブック」という資料が配信されています。「海外から日本に訪れるお客さまをおもてなしするためのノウハウ集」と題して作成されており、これからインバウンド対策を検討する飲食店には参考になります。
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「飲食店おもてなし ヒントブック」とは飲食店のインバウンド対策事例集についてまとめた資料:訪日外国人観光客集客へ役立ててもらうことが目的
「飲食店おもてなし ヒントブック」は、訪日外国人観光客集客を検討している飲食店にインバウンド対策を提案するために作成されました。
訪日外国人観光客増加に伴い、飲食店経営者のインバウンド対策に関する悩みも増える中、「何をどういたらいいのか」という初歩的な部分から説明がされています。
「集客」「準備」「接客」の3段階に分けそれぞれの重要ポイントを説明
アサヒビール株式会社は、このヒントブック内で「集客」「準備」「接客」の3段階に分け飲食店のインバウンド対策に役立つ情報を提供しています。
今回はその中から集客編を解説。紹介されていた飲食店のインバウンド対策事例に加え関連情報をご紹介します。
集客編:「店頭ディスプレイ」「媒体活用」「団体誘致」がポイント
飲食店における訪日外国人観光客の集客では、「店頭ディスプレイ」「媒体活用」「団体誘致」の3つがポイントです。
訪日外国人観光客を受け入れるため、既にインバウンド対策に取り組んでいる飲食店の事例を参考にこの3つについて説明していきます。
「店頭ディスプレイ」によるインバウンド対策例:日本料理店「がんこ」
日本食を中心とした飲食店である「がんこ」。銀座四丁目店では、メニューのサンプルに外国語表記を併せて店頭で展示しています。
訪日外国人観光客にとって日本語表記のメニューを読んだだけではなかなか料理の想像が付き辛いという現状があります。「がんこ」ではそこに目を付け、メニューのサンプルと外国語表記を合わせて店頭で展示。イメージと実際の料理のギャップをなくすことにより、訪日外国人観光客により快適な食事を楽しんでもらうことが目的です。
他にも英語対応のHPの作成、中国最大のSNS「Weibo」の活用を実施。
「がんこ」では英語対応のホームページを訪日外国人観光客向けに作成しています。一般的に訪日外国人観光客が好む「和」を感じられるようなデザインに仕上がっていて、高級感があります。メニューや店舗情報も提供。
また、「がんこ」では訪日中国人観光客集客を狙って「Weibo」の運用も行っています。「Weibo」とは中国版Twitter型SNS。個人アカウント登録数は約5.6億、企業アカウントは112万と中国最大のSNSサービスです。
訪日中国人観光客の増加を背景に公式アカウントの運用を開始。サイト内で「Ganko」と検索してみると、「がんこ」に関連した訪日中国人観光客の投稿が多く見つかります。海外向けSNSの活用により、知名度が向上。訪日中国人観光客の集客に成功しています。
<関連記事>
訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(3):Weibo(微博)
訪日中国人観光客が常用するアプリとしてWeChat(微信)とQQを取り上げましたが、Weibo(微博)も忘れてはなりません。「微博」は中国語で“ウェイボー"と読み、ミニブログ、マイクロブログという意味です。
「媒体活用」によるインバウンド対策例:「神戸牛 大地」
「神戸牛 大地」は兵庫県神戸市で神戸牛の使った料理を提供する飲食店。訪日外国人観光客にブランド牛である「神戸牛」の魅力を伝えています。
同店では、東南アジアの日本旅行に関連する冊子へ広告を掲載するところからインバウンド対策を開始。英語・中国語対応のホームページによる情報の発信を開始するなど、順次訪日外国人観光客集客に関する取り組みを強化してきました。その結果、「神戸牛 大地」は訪日外国人観光客からの人気を集め始めました。
「ブランド牛」に着目。知名度向上により訪日外国人観光客に人気の食材に
神戸牛は訪日外国人観光客に人気の食材になっています。
その神戸牛のブランド管理と消費拡大を図るのが神戸肉流通推進協議会。インバウンド対策として、訪日外国人観光客にも神戸牛を知ってもらうため2011年から神戸観光事業に参加。神戸牛の関連情報の発信や、神戸を案内する通訳案内士に「神戸牛」に関する研修会も行っています。
<通訳案内士については以下参照>
制度見直しが進む通訳案内士はどう変わる?:背景には訪日外国人観光客のニーズの多様化など
訪日外国人観光客が旅行しやすい環境づくりを行ううえで、欠かすことのできない通訳案内士。外国語で日本の観光地や伝統文化を解説し、訪日外国人観光客を案内する国家資格に基づいた業務なのですが、観光庁は平成21年(2009年)から「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」を開催し、体制の見直しを図っています。今後、通訳案内士はどのように変わっていくのでしょうか。まだ正確なことは分かりませんが、大まかな見通しを立てることは可能です。今回は、通訳案内士の今後のあり方についてご紹介します。 目次訪日外国人...
アウトバウンド対策としても海外でのプロモーション活動を実行。その結果、現在は東南アジア、EU諸国、アメリカなどに神戸牛の輸出が増えています。訪日外国人観光客からの知名度も向上し人気の食材になりました。
こうした背景を踏まえると、「神戸牛 大地」のように「ブランド牛」を使った料理の提供が訪日外国人観光客に人気となる可能性は大いにあります。
<参考資料>畿の食と農インバウンドの先駆的事例について 農林水産省
「団体誘致」によるインバウンド対策例:「すたみな太郎 NEXT」
「すたみな太郎 NEXT」は全国で130店舗のバイキングレストランチェーンです。ドン・キホーテ浅草店内に位置するドン・キホーテ浅草店では訪日外国人団体観光客の誘致に成功しています。この背景には一体何があるのでしょうか?
本社である「株式会社江戸一」は本社に海外ツアー専門の部署も設立し、「一般社団法人アジアインバウンド観光振興会」(AISO)の会員に登録。これが功を奏し、ランドオペレーター(*)経由で訪日外国人団体観光客の予約が入るケースが増えました。
個人旅行者ではなく、旅行会社へ直接売り込みをかけることで訪日外国人団体観光客の集客の実現が可能になります。
*ランドオペレーター:旅行会社の依頼を受け、旅行先のホテルやレストラン、ガイドやバス・鉄道などの手配・予約を専門に行う会社のこと
外国語対応のチラシを配布。また、外国人スタッフの確保も検討。
その他に「すたみな太郎 NEXT」では、外国語版のチラシを近隣ホテル等に配布、設置しています。また、本社スタッフが簡単な英会話を習得中。外国語対応可能スタッフの確保によって実際の接客時においてもインバウンド対策を進めていくとしています。
まとめ:訪日外国人観光客集客のポイントは「店頭ディスプレイ」「媒体活用」「団体誘致」
- 「店頭ディスプレイ」
- 「媒体活用」
- 「団体誘致」
この3つがポイントになります。この他にも訪日中国人観光客集客を目的とした中国最大のSNS「Weibo」の活用や「神戸牛」の人気に目を付けたインバウンド対策など、飲食店は様々な方法で訪日外国人観光客集客に取り組んでいます。次回は、「飲食店おもてなし ヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策②準備編をお届けします。
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