日銀が、訪日中国人観光客による爆買いの終焉を宣言!? モノからコトへの旅行スタイルの変化が露わに

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以前から「長続きするわけがない」「もう陰りが見えている」「終焉した」などの報道が続いていた、爆買い訪日中国人観光客による不思議な購買行動として日本中から注目を集めていましたが、ついに日本銀行が「終息に向かっている」と発表しました。インバウンドビジネスの動向を予見する衝撃の内容として見る向きもあるようです。

ですが、同時に訪日外国人観光客一般の消費行動の変化が起こっており、決して悪い話ばかりではありません。今回は、日銀が明らかにしたインバウンドビジネスの現在、それから今後の見通しについてご紹介します。

 


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訪日中国人観光客による爆買いが、ついに終息?

日銀は定期的に、地域経済担当部署からの報告を集約した「地域経済報告(さくらリポート)」という資料を発表しています。客観的なデータに加え、全国で発生している具体的な事例も紹介しており、各地域のの経済動向を知ることができます。平成28年(2016年)10月17日に発表した「地域経済報告(さくらリポート)」では、インバウンド観光市場の変化について特集しています。

爆買いを支えていた代理購入業者、お土産をまとめ買いする訪日中国人観光客が見られなくなった

爆買いでは、同じ商品をいくつも手に入れるといった変わった購買行動が知られていましたが、この原因は転売目的の代理購入業者、親族一同にお土産をまとめ買いする訪日中国人観光客が多かったことにあります。しかし、中国政府の関税率引き上げなどを受け、これらの客層が減少していることから、爆買いは「終息に向かっている」と明言しています。

また、人民元安が発生していることもあり、最近では店頭でレートをチェックする訪日中国人観光客の姿も。このような変化に伴い、爆買いの恩恵を受けていた企業では経営戦略を見直す動きが起こっています。

1~2年前、爆買いインバウンドビジネスの好調を象徴するフレーズだったことを考えるとショッキングな話です。とはいえ、そもそも一部の訪日中国人観光客が起こしていた局所的な購買行動だったことを考えると、当然の成り行きとも考えられるのではないでしょうか。購入する小売店家電量販店や百官店など限定的だったにもかかわらず、新聞、週刊紙などが大々的に取り上げたこと、流行語大賞に輝いたことのほうが異常だったのかもしれません。

 

インバウンドビジネス市場は転換点:都市部から地方へ、高額品から安価な日用品へ

爆買いの終焉以外にも、インバウンドビジネス市場は大きな動きを見せており、現在は転換点にあります。地域、業種、取り扱っている商材などの違いから、企業が受ける影響はそれぞれに異なると思われます。以下に取り上げてみましょう。

リピーター増加やSNSの口コミで、訪日外国人観光客の訪問先が変化

東京、大阪、名古屋、京都などの定番観光ルートは、初めて日本を訪れる訪日外国人観光客が数多く訪れる「ゴールデンルート」と呼ばれています。詳細はこちらの記事からご確認ください。

日本観光の王道?ゴールデンルートとは

みなさんは日本横断ゴールデンルートという言葉を聞いた事がありますか?今回は訪日旅行客向け日本観光の王道、ゴールデンルートについて解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次インバウンドの王道観光ルート「ゴールデンルート」とは?その他インバウンドで人気の観光地まとめ:インバウンドの王道観光ルート「ゴールデンルート」とは?ゴールデンルートとは東京、箱根、富士山、...

訪日中国人観光客に人気の都道府県ランキング

訪日中国人観光客は、日本のインバウンド市場で人数、消費額ともに最も大きな比率を占めています。訪日中国人観光客に人気の目的地は主に東京や大阪といった大都市ですが、近年リピーターの増加や、地方空港と中国核都市を結ぶ直行便の増加、体験の希少性を求める旅行者のトレンドを背景に、日本全国の各都市に対する関心も高まっています。2019年の訪日外国人数は全国籍3,188万人で、そのうち訪日中国人数は959万4,300万人を記録しました。訪日外国人市場全体で、950万人を超えたのは初めてのことです。また中...

しかし、現在、日本観光の経験を持つリピーターが増えていることを背景に、地方の伝統文化体験したりアニメの聖地巡りをしたりと、自分の興味関心に合わせて訪問先を選ぶ訪日外国人観光客が増加傾向にあります。都市部で宿泊料金が上昇していること、国内の交通網が整備され、移動しやすくなっていることなども原因になっているようです。

また、SNS口コミなどによって国内の情報が海外で広まり、訪日外国人観光客の増加につながることもあります。たとえば、北海道羅臼町では、カナダやアラスカでは特定の時期にしか見られない生物が常に見られるという口コミが、海外の写真愛好家のあいだで拡散。これにより、ここ数年で、欧米圏からの訪日外国人観光客が急増しているといいます。

このような訪問先の変化の特徴は、日本人にも知られていないような場所が人気を集める可能性があるということ。一般人が利用しているSNSを企業サイドからコントロールすることは困難ですから、今後も意外な有力観光地が現れるのではないでしょうか。

客層の変化などにより、メイド・イン・ジャパンの医薬品、化粧品が好調

海外ブランド品などの高額品の販売状況が芳しくない一方で、免税対象品目も拡充もあり、安価な日用品は、順調な伸びを見せています。

この原因としては、円高の影響に加え、客層の多様化が挙げられます。東南アジア諸国に対するビザ発給要件の緩和が行われた影響で、タイインドネシアなどからの訪日外国人観光客が増加しています。また、全国の空港でLCCの新規就航・増便が行なわれており、国際クルーズ船の寄港数も数を増しています。

これにより、医薬品、化粧品などの海外需要が増加。増産に向けた設備投資を実施する企業も現れています。

 

まとめ:良くも悪くも市場が大きく変化する時期に

日銀がインバウンドビジネス市場の動向についてまとめたレポートを発表。爆買いが終焉に向かっている一方で、リピーターの増加、客層の変化などによって地方観光や安価な日用品の需要が高まっていることを明らかにしています。企業によって受ける影響はさまざまで、一口に良し悪しを決めることはできません。

このような動きが起こることは以前から予測されており、それを裏付ける内容だといってよいでしょう。地方では外国語に強い人材の不足などの課題が残っており、改善が望まれます。

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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