成田空港がロゴ・WEBサイトを刷新:サイトはWEBインバウンド対応のお手本的なリニューアル内容

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昨年末ごろに、ドコモとのコラボガチャで何かと話題となった成田国際空港(成田空港)。成田国際空港は先月12月22日、新ブランドロゴを発表。それに伴いWEBサイトを全面リニューアルしました。WEBサイトのリニューアルは12年ぶりのことで、近年急増している訪日外国人観光客を意識したシンプルでわかりやすいデザイン・構成になっています。

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成田空港、ブランドロゴ刷新

成田空港の新ブランドロゴ:naa.jpより引用

成田空港の新ブランドロゴ:naa.jpより引用

成田空港を運営する成田国際空港株式会社は、昨年12月22日、成田空港の新ブランドロゴを発表しました。プレスリリースによれば、

昨今増加の一途を辿る訪日外国人のお客様、乗り継ぎで利用される世界中のお客様に向けて、成田空港は日本と世界を 『つなぐ』 扉として、これからも成長と発展を続け、世界最高水準と評される高品質な空港を目指すことを力強くアピールするため、成田空港ブランドロゴをリニューアルすることといたしました!―成田国際空港株式会社:成田空港ブランドロゴが新しくなります!より引用
とのことで、ロゴのリニューアルについてもインバウンドを意識している模様。3本のラインのデザインは、空港の主要機能である、出発・到着・乗り継ぎが、日本の伝統工芸「組紐」のようにつながっていることをイメージしています。

この新ブランドロゴについては、後述する同時にリニューアルしたWEBサイトでの採用を皮切りに、今年1月1日から成田空港グループで着用するピンバッジなどに順次展開していくとのことです。

 

同時にWEBサイトも全面リニューアル

成田空港のWEBサイトリニューアル概要:naa.jpより引用

成田空港のWEBサイトリニューアル概要:naa.jpより引用

成田国際空港株式会社は、ブランドロゴリニューアルの発表と同日に、成田国際空港公式WEBサイトのリニューアルしました。同社のプレスリリースによれば、

今回のリニューアルでは、ページデザイン全体を新空港ロゴに合わせて一新し、近年急増する訪日外国人も情報をスムーズに入手できるような、シンプルでわかりやすい構成に刷新するとともに、タブレット端末の普及など日々進化する環境に対応した機能的且つ魅力溢れるサイトに生まれ変わりました!―成田国際空港株式会社:成田国際空港公式 WEB サイトが全面リニューアル! より引用
とのこと。こちらも急増するインバウンドを意識してのリニューアル。対応言語はリニューアル前と同じく日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)の5言語、デザインや構成はフルリニューアルとなっています。

リニューアルの特徴その1:フルレスポンシブデザイン

今回のリニューアルを期に、PC、スマホ、タブレットなどのあらゆる画面サイズに併せて表示デザインを最適化するレスポンシブデザインが採用されています。

レスポンシブデザインを採用した成田空港WEBサイト:タブレット・スマホでは画面左上のマークをタップするとメニューが展開する

レスポンシブデザインを採用した成田空港WEBサイト:タブレット・スマホでは画面左上のマークをタップするとメニューが展開する

観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成27年 年間値より引用

観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成27年 年間値より引用

観光庁訪日外国人消費動向調査によれば、全訪日外国人観光客の過半数が、スマホが訪日旅行中の情報源として役に立ったと回答しており、インバウンド向けのWEBサイトでの情報提供においては、スマホ対応が必須といえます。

また、その他ではパソコンが第2位の22.1%、タブレットも12.5%が訪日旅行中の情報源として活用しています。そのため、「スマホ版WEBサイト」を作るよりかは、「どの端末でも統一された掲載内容が見られ、なおかつそれぞれの端末での閲覧に最適化されたレスポンシブ対応」が適切なインバウンド対応と言えるでしょう。

リニューアルの特徴その2:訪日外国人目線でのシンプルさを徹底した構成の変更

今回のリニューアルで最も重要なデザインの変更はグローバルナビゲーション*1 の項目整理にあると言えます。

*1グローバルナビゲーション:WEBサイトの全てのページに共通して設置されたメニュー。通常、WEBサイトじの上部に設置され、サイト内の主要なページに対してリンクされる。WEBサイト内のショートカット機能として活用することが一般的。

3つの項目に整理されたグローバルナビゲーション:naa.jpより引用

3つの項目に整理されたグローバルナビゲーション:naa.jpより引用

旧WEBサイトでのグローバルナビゲーションの大項目は「フライト」「出発・到着・乗継」「交通アクセス」「ターミナル案内」「レストラン ショップ」「トラベルサポート」「イベント お楽しみ」の7項目だったものが、新デザインでは「飛行機にのる」「空港で過ごす」「交通アクセス」の3項目に削減されています。

グローバルナビゲーションの新旧比較

グローバルナビゲーションの新旧比較

これは、成田空港WEBサイトへの訪問者(ユーザー)が、何を求めてアクセスしてくるのか、を熟考した結果の整理なのだと考えられます。

例えば、成田空港WEBサイトにアクセスしたユーザーはいきなり「イベント お楽しみ」を見たいと思うでしょうか。この項目は重要度が低いと考えられ、したがって新デザインでは「空港で過ごす」という大項目の配下に設置されています。

また、旧サイトでは開発・運用の都合なのか、LCC専用の第3ターミナルの情報は全く別のページとして独立していました。こちらも、今回のリニューアルによって統合され、ユーザビリティ(使いやすさ・使い勝手)の向上に寄与しています。

 

まとめ:成田空港のWEBサイトリニューアルはWEBでのインバウンド対策のお手本

慣れない外国で旅する訪日外国人観光客にとって、旅の始まりと終わりの情報を持つ空港WEBサイトのユーザビリティは非常に重要なものと言えるでしょう。そういった意味で、項目がシンプルになっていること、そしてPC・タブレット・スマホといったどのような端末でも同一の内容が閲覧でき、また表示が最適化されていることは訪日外国人観光客にとって利便性がかなり向上したのではないでしょうか。

また、新旧どちらにおいても言語切替機能がページ上部にあることも注目ポイントです。こちらも、ユーザーが訪問してすぐに目につく場所に設置しないとユーザビリティの低下を招きます。

リニューアル後の成田空港公式WEBサイトは、このような基本的かつ重要な対応がとられており、WEBでのインバウンド対策としてお手本といえるでしょう。

<参考>

 

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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