2019年には8兆円市場に 富士経済、中国越境ECの市場規模予測 3年で規模倍増と予想

2019年には8兆円市場に 富士経済、中国越境ECの市場規模予測 3年で規模倍増と予想

市場調査などを手掛ける企業・富士経済が平成29年(2017年)2月9日、中国向け越境EC市場に関する予測を発表しました。2019年には中国の越境EC市場は約8兆円にまで拡大し、国籍別に見るとそのうち日本が約2兆に上るとしています。

インターネットが普及し国際的に広く使われるようになったことで、盛り上がりを見せている越境EC。インバウンド観光関連事業とは直接的な関わりはないものの、インバウンドビジネスにおいては「帰国後に日本を楽しんでもらうためのツール」「日本を知ってもらうためのツール」つまり旅アトインバウンド対策として役立ち、プロモーションの一環のような形で利用することができます。

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特に中国からの訪日外国人観光客は群を抜いて数が多く、インバウンド需要を獲得するうえでは決して無視できない存在です。

今回は富士経済の調査から、中国向け越境EC市場の動向予測をご紹介します。

 

中国の越境EC市場は、2019年に約8兆円まで拡大すると予測

富士経済によれば、中国における越境EC市場は、「越境EC実験区プロジェクト」が始動した2012年から2014年までに環境整備が急速に進み、基盤が構築。翌2015年には、「天猫国際(Tmall Global/アリババグループが運営する越境ECサイト)」「京東全球購(JD Worldwide/中国ECモール大手・京東集団の傘下にある海外法人向けECモール)」が国・地域ごとの専門館を開設して以降、商品数が増加し、市場拡大したとのこと。

また、中国で中間層、富裕層が増加し、高品質で安心・安全な商品を求める消費者が増えていることも越境EC市場拡大の一因になっていると見られています。国内の業者が信頼できないという課題の解決策として、海外からの製品が購入しやすい越境ECが人気を博しているというわけです。2016年の物販における中国向け越境EC全体の見込み市場規模は、2,320億元(3兆8,443億円)。2019年には4,700億元(7兆7,879億円)と約2倍にまで膨れ上がると予測されています。

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そもそも中国政府は内需主導型の経済成長を目指しており、その一環としてECの普及を進めています。越境ECもそれに合わせて伸びているのですが、この背景には国外でもいいからまず消費してもらって、それから国内製品の市場拡大につなげていこうという狙いがあります。まず消費文化を根付かせようという考えがあるのでしょう。このため、今は売れ筋の商品でも法改正が行われた途端、興味を示してもらえなくなる……という可能性も考えられるのです。

ただ、現時点では、日本からの中国向け越境ECは年々増加しており、2016年にはアメリカや韓国などを抑えて最大の市場規模になったと想定されています。

 

日本からの売れ筋商品は、紙おむつとスキンケア化粧品

中国では日本の化粧品や雑貨、食品、家電などの認知度が高まっており、日本からの越境EC市場は盛り上がりを見せています。商品カテゴリー別にみると、 生活雑貨、美容関係の製品がそれぞれ30%以上 を占めており、特に大都市圏での需要が高いのだそう。

生活雑貨の主要な商品は、 赤ちゃん用の紙おむつ 。国内製品に対する品質不安から、日本製の紙おむつは以前から利用されることが多く、 転売品の購入 などが行なわれていました。それでも、劣化品、粗悪品が流通してしていたことから、メーカーが越境ECに参入。供給量が多く、価格競争も発生しているといいます。

美容関係では スキンケア化粧品 などが人気を集めています。先に紹介した2016年4月の法改正で、一定額を超える商品が実質的に減税されたため、単価の高い商品の販売が増加しています。その他の商品で販売数を伸ばしているのは、ベビー服、子ども服、マタニティウェアなどの衣類。意外なことに、「爆買い」の売れ筋商品だった炊飯器、空気清浄機といった家電は取り扱いが少なくなっています。

 

まとめ:まだまだ伸びる中国向け越境EC市場

富士経済が、中国向け越境EC市場に関する調査結果を発表しました。中国政府のEC普及を目指す動きもあり、安心・安全な商品を求める消費者による利用が年々増加。2019年には、2016年の2倍となる4,700億元(7兆7,879億円)にまで市場規模が拡大するという予測を明らかにしています。

日本製品で特に人気を集めているのは生活雑貨の紙おむつと、スキンケア化粧品。ベビー服、子ども服、マタニティウェアといった衣類関係も販売数を伸ばしており、女性利用者の多さが伺えます。越境ECは中国政府の対応次第で、売上が左右される分野ではありますが、当面は市場拡大が続くと見られています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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