NEXCO西日本のインバウンド対策の取り組みとして、インバウンド向け高速乗り放題企画「山陰・瀬戸内・四国エクスプレスウェイパス」の発売について、先日訪日ラボでお伝えしました。そこで海外では「フリーウェイ」などとの名称がつくように、高速道路が無料で走れることが多く、それに対して日本の高速は高額であることについて言及しました。
日本の高速道路は世界一高い、インバウンドのレンタカー利用の障壁に…NEXCO西日本
訪日外国人観光客が日本を訪れて驚く事はいくつもありますが、その中の1つに高速道路が有料かつ高額だという事があります。海外では高速道路は通常フリーウェイとして知られ、無料で走る事が出来ることが多いものです。その感覚で日本を訪れると高額な高速代、またガソリンの高さにも驚かれる事が多いようです。そうした声を受けてかNEXCO西日本は、平成29年3月25日からインバウンド向けの周遊型の高速道路割引企画「山陰・瀬戸内・四国エクスプレスウェイパス(San’in ‐Setouchi‐Shikoku Ex...
その日本の高速料金、諸外国と比較するとどれぐらい高いかご存知でしょうか?高速利用が有料の国と比較すると、およそ2〜6倍の高額設定となっています。
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インバウンド主要国のなかでも無料で高速道路を使える国が
インバウンドビジネスにおいて、 「あちらの国での常識」を知ることはインバウンド受け入れ体制の整備のために重要なキーポイント と言えます。インバウンドで訪れる訪日外国人観光客の出身国のなかには、高速道路の利用が無料の国があります。
欧州では高速道路利用が原則無料である国が多く、ドイツ、イギリス、スイス、オーストリア、オランダがこれに該当します。またインバウンド市場において人数ランク第5位のアメリカ、そしてカナダ、さらに近年インバウンド需要が急増しているシンガポールも高速道路利用が原則無料となっています。
欧米諸国では有料区間が100%でないことが多い上、かかっても日本より安い
それでは、利用料が有料の国の利用料金と日本の料金を比較してみましょう。
2010年時点での日本と欧米諸国の高速道路の利用料金を比較してみると、日本の料金の高額さがわかります。 日本の高速は、基本的に普通車で1kmあたり24.6円+ターミナルチャージとして150円 となっています。仮に100kmほど移動すると2500円程度の高速料金となります。
昨年からアニメ映画「君の名は。」でインバウンドでも脚光を浴びる飛騨地方の飛騨トンネルなどの長大トンネル区間については、 1kmあたり39.36円 に跳ね上がります。また、全高速道路中の有料区間の割合を示す有料化率は100%となっています。
長野・岐阜でインバウンド需要3倍増見込み!? 映画「君の名は。」が海外でも大躍進
今年8月26日に公開された新海誠監督のアニメーション映画「君の名は。」。10月21日の台湾での配給開始を皮切りに、海外での配給が続々とスタートしています。中国では日本映画新記録を樹立しており、昨年100万人が実施した聖地巡礼に拍車がかかることが推測されます。 目次映画「君の名は。」の日本での興行収入、反響「君の名は。」の海外での公開状況:11月以降、主要訪日国で次々と公開「君の名は。」の海外での躍進:米映画賞受賞、中国では新記録インバウンドビジネスへの影響は?昨年は100万人弱の訪日外国人...
一方、先ほど「原則無料」として紹介したアメリカは、有料化率はわずか7%。しかも 高速利用料金はわずか4.8円/km で、日本の価格よりもずっと安価です。また、ドイツも原則無料の国としてご紹介しましたが、利用料がかかるのは12t以上の貨物車のみであり、普通車は無料です。
その他の国を見ても、有料化率が100%であることはまれで、また高速料金もおおよそ日本の1/6〜1/2程度で安価に利用できることが見てとれます。
インバウンド重要国、中国の高速は有料ながらも利用料金は日本の1/6
そして、インバウンド市場においてシェア率1位、2位を独占する中国、韓国は、高速道路有料国ながらも日本よりずっと安価に高速道路を利用できます。(※以下、中国と韓国のデータは2011年時点の料金体系および為替レート)
中国においては有料化率95%で、 利用料金はなんと1kmあたり4円で日本のおよそ1/6以下 となっています。また、韓国も有料化率89%ながらも、 利用料金は5円 。やはり日本の1/6程度となっています。2011年の為替相場よりも現在多少円安になっているものの、これだけ料金が違えば、訪日中国人観光客や訪日韓国人観光客はやはり割高感を覚えることでしょう。
まとめ:レンタカーの利用促進を図るには高速道路料金の見直しが必要?
インバウンドのFIT化、コト消費化が進むにつれ、インバウンドの地方誘致の可能性が広がりつつあります。インバウンドにおいても日本ならではの体験をしたい、そして、地方でゆっくり過ごしたいというニーズが徐々にあらわれつつあるからです。
そのためには地方ならではの周遊コンテンツの開発が重要になりますが、そのために重要なのが「足」でしょう。地方では都市部ほど公共交通機関の自由がないことから、レンタカーの利用促進がキーポイントになりうります。とすれば、中距離移動に便利な高速道路の利用促進もインバウンドの課題と考えられ、諸外国と比較した際の日本の高速道路利用料金の割高感の解消も、地方誘致の鍵になるのではないでしょうか。
<参考>
- 国土交通省:諸外国における高速道路料金の動向
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング:「高速道路の原則無料化」の検証
- NEXCO中日本:料金の計算方法を教えてください。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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