インバウンド宿泊38,000人泊を目指す 伊勢志摩サミットで注目を集めた三重県・鳥羽市の今後のインバウンド対策を探る

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三重県では三重県誕生から140年の節目である平成28年に伊勢志摩サミットが開催。県内でジュニアサミット、プレスツアーなどが行われ、世界中から注目を浴びました。これを受けて三重県を訪れる訪日外国人観光客の数が増加、鳥羽では海女文化、真珠などがインバウンド注目を集めたようです。

なぜサミットによって膨大な経済効果が発生するのか:インバウンドビジネスでは開催中より開催後が重要

5月26、27日に三重県で開催される伊勢志摩サミット。三重県が発表した3月時点での試算によれば、県内で約480億円、全国で1071億円の経済効果があるとのこと。2008年に開催された北海道洞爺湖サミットの道内への経済効果437億円を上回る数値です。このことは各新聞社が取り上げており、すでにご存知の方も多いでしょう。サミットで訪日するのは政府要人、海外のマスコミなど一部の人々に限られます。どうして、このような大きな経済効果が発生するのでしょうか。また、一般人の訪日外国人観光客を対象とするイン...

一般的にはサミット開催前後で国内外の観光客が増加すると言われていますが、三重県・鳥羽市の場合はどうだったのでしょうか?また、国内外の観光客誘致に対する鳥羽市の今後の方針とはどのようなものなのか見ていきましょう。

 

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三重県のインバウンド動向:観光客数・宿泊数

三重県を訪れた訪日外国人観光客数は平成27年には41,020人でしたが、平成28年は 53,041人と30.2%増加 。同時にインバウンド宿泊客数は平成27年に40,679人だったものが、平成28年には 41,784人へと2.8%増加 しています。これは「伊勢志摩サミット」開催決定後から海外メディアによる取材が増加、海女文化や真珠を中心とした鳥羽市の知名度が向上したためと考えられます。

 

鳥羽市のインバウンド観光地としての魅力

鳥羽市は愛知県の中部国際空港から遠くない場所に立地しています。また、外国人観光客の多くが訪れるゴールデンルート(東京-名古屋-大阪)に比較的近い距離にあり、京都、大阪、名古屋といった訪日外国人観光客に人気の観光地に直通で訪問出来るのも大きな魅力です。

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また、海女漁の技術としては日本ではじめて、平成29年3月3日に 「鳥羽・志摩の海女漁の技術」が国の重要無形民俗文化財に指定 されました。伊勢志摩サミットの開催前後で国内外で海女漁への関心が高まっており、海の幸、伊勢志摩国立公園の風景などと合わせて外国人観光客への訴求要素となり得ると言えるでしょう。

 

第2次鳥羽市観光基本計画前期アクションプログラム

伊勢志摩サミットで国内外から大きな注目を集めた鳥羽市では、平成28年から3カ年にかけて実施される第2次鳥羽市観光基本計画前期アクションプログラムが始まっています。

これは目指す10年後の姿を見据えながら、鳥羽市の魅力を国内外に発信していくための実施計画です。「大小様々な島々を擁したり、内海と外洋が交じり合ったりすることで創出される独特で特長ある海そのものと、海を通じて生まれた歴史や生活文化、漁業文化の総体」、すなわち「鳥羽うみ文化」という”鳥羽らしさという魅力”を継承・創造していくことが目標に掲げられており、88つの基本戦略のもとで計30の主要施策が定められています。

また上記の基本戦略および主要施策に基づいて「鳥羽うみ文化」の継承と創造を通じた魅力ある観光地鳥羽を市内全体で形成するために、重点的に取り組むべき6つのプロジェクトを設定しています。

 

鳥羽市がインバウンドにおいて目指す10年後の姿

鳥羽市では第2次鳥羽市観光基本計画において、訪日外国人観光客数(宿泊者数および入り込み客数)の目標を定めており、数値目標として平成32年までに、 日本人および外国人の延べ宿泊者数を合わせた延べ宿泊者数とし189万人泊外国人の延べ宿泊者数の目標を38,000人泊 としています。その中で鳥羽市はインバウンドにおいて、下記の4つを「目指す10年後の姿」としています。

  • 鳥羽市が伊勢神宮などを訪れる訪日外国人観光客の滞在拠点となっている。
  • 鳥羽市を含む広域観光ルートが確立している。
  • 外国人観光客向けに提供できるプログラムが充実している(食や海女文化、伊勢神宮との関係性など)。
  • 外国人観光客数の目標数値が達成されている。

 

インバウンド受入推進に向けて必要とされる4つの取組み

鳥羽市では、鳥羽市の魅力をもとにインバウンド誘致、受け入れ戦略を策定することが必要としており、鳥羽市や観光協会、伊勢志摩地域・鳥羽市外国人観光客誘致促進協議会を中心に下記の取り組みを進めています。

鳥羽市のインバウンド取組み1:外国人観光客向けに魅力の創造や発掘。

海女文化や歴史文化、伊勢神宮との関係性などの鳥羽の魅力を、外国人観光客が理解できるようなプログラムへと作り上げることが必要。

鳥羽市のインバウンド取組み2:受入体制の構築

訪日外国人観光客の受入を進めるに当たり、市民の理解を促進するための取り組みを実施。外国人観光客を受け入れるための事業者向けの支援として、おもてなし講習や指さし会話帳の作成、外国人観光客受入相談窓口の設置などに取り組む。外国人観光客が鳥羽で快適に過ごせるような整備にも取り組み、具体的には公衆無線LANの設置、外国人観光客向けの案内拠点の市内全域における設置、案内サイン整備、パンフレットの見直しなど。域内及び域外からの交通アクセスの向上に向けて、市内二次交通の改善や空港からのアクセス改善、周辺市町村とともに広域観光ルートの構築など。

鳥羽市のインバウンド取組み3:対外的な発信

伊勢志摩サミットに併せたプロモーション活動や伊勢志摩地域一帯となったプロモーション活動の実施、外国人旅行者向け情報案内サイトの構築。

鳥羽市のインバウンド取組み4:インバウンドに関する統計データを的確に取り、動向を把握。

統計整備については、民間事業者の協力を得ながらデータの構築体制を整えていく。

 

まとめ:国内外の観光客誘致のチャンスは今後も続く

三重県では、現在開催中(4月1日〜5月14日)の第27回全国菓子大博覧会・三重に続き、平成30年には全国高等学校総合体育大会、平成33年には国民体育大会の開催など、観光客誘致のチャンスが続きます。

また、伊勢志摩国立公園が国立公園指定70周年を迎えたと共に、国が進める「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、全国8箇所の国立公園満喫プロジェクトプロジェクトに選定されています。

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2023年年間の訪日外客数は2,500万人を突破。外国人消費額は5兆円で、過去最高額となっています。また、2024年1月の訪日外客数が268万8100人となり、2019年1月(268万9339人)とほぼ同数となったと発表され、今後さらなる伸びが見込まれます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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