翻訳業界がガラッと変わる?4月より始まった「翻訳者登録制度」 インバウンド市場への影響とは?

翻訳業界がガラッと変わる?4月より始まった「翻訳者登録制度」 インバウンド市場への影響とは?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、盛り上がりを見せるインバウンド市場。それに付随してあらゆる場面において外国語対応が急務となっている今、翻訳・通訳業者にとって大忙しの日々が続いています。

そんな状況の中、2017年4月から、翻訳業界に新しい制度が立ち上がりました。それが 「翻訳者登録制度」 というものです。翻訳者に与えられる評価制度のようですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

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「翻訳者登録制度」とは:国際規格ISO17100に基づき翻訳者を評価登録する制度

「翻訳者登録制度」とは、翻訳サービスに関する国際規格ISO17100に基づいて翻訳者を評価登録する制度です。

国際規格ISO17100とは、2015年5月に発効された国際標準規格で、翻訳サービスの品質にかかわってくる翻訳プロセスのあらゆる側面に対する要求事項を規定した国際規格です。この規格では、翻訳者に対して翻訳サービスの質を高い基準に保つための要求事項(学歴、職務経験年数、翻訳技術など)が明確に規定されています。

今回ご紹介している「翻訳者登録制度」自体は、第三者機関である「日本規格協会 翻訳者評価登録センター」が運営しており、国際規格ISO17100をもとに日本国内の翻訳者を評価・登録 します。また、同機関が「翻訳試験検定実施機関」に認定した団体が実施する資格試験に合格することで、翻訳者は「翻訳者登録制度」に登録することができます。

日本国内では翻訳者向けに検定試験などがすでに実施されていますが、そもそも「翻訳者登録制度」を立ち上げるメリットは何なのでしょうか?

翻訳業務の質を担保できる点がメリット&翻訳者にとっても第三者から客観的な評価が受けられる

翻訳業界における日本の課題として挙げられるのが、翻訳実務に関する高等教育機関が少ない点と、翻訳業を行うにあたり必要な公的な資格がなかったという点。

翻訳実務を学べる高等教育機関の少なさから、いままで、翻訳者の力量・能力は翻訳会社が独自の基準を設けて評価しているという現状があり、資格に関しても 日本翻訳連盟の「JTFほんやく検定」やサン・フレア・アカデミーによる「翻訳実務検定TQE」、日本翻訳協会による「JTA公認翻訳専門職資格試験」 など翻訳業界でも認められている知名度の高い資格検定試験がありますが、その基準は資格ごとにバラバラ。

こういった背景から生まれたのが「翻訳者登録制度」です。これまでに翻訳者向けに資格試験を実施していた団体を日本規格協会 翻訳者評価登録センターが評価し、「翻訳試験検定実施機関」として認証することで、国際規格ISO17100に基づいた翻訳スキルを身に着けている翻訳者を一括して登録することができます。

翻訳者にとっては、

  • 第三者からの客観的な評価を受けられる
  • 複数の翻訳会社を受けるにあたって何度も試験を受ける必要がなくなる

という2点のメリットがあります。また、「翻訳者登録制度」に認定された翻訳者は、日本規格協会のWebサイト上に公開されます。そのため、仕事を取りにいかずとも翻訳会社の側から声がかかるようになるかもしれません。

翻訳者・翻訳会社の間では翻訳者登録制度に対する反応はさまざまですが、いずれにしろこれからの翻訳業界に影響を与えていくことは間違いないようです。外国語対応という観点において切っても切り離せないインバウンド市場への影響はどのようなものが考えられるのでしょうか?

インバウンド業界でも人力翻訳に対しての需要が増す?!

近年の訪日外国人観光客の急激な増加や2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて外国語対応への需要が高まる中、企業・自治体はWEBサイト(ホームページ)やSNSの投稿、メニューブックや観光パンフレット、POPなどの外国語対応を進めています。

日本語から英語、もしくは英語から日本語へ翻訳を行う方法として、人力翻訳と機械翻訳のいずれかが考えられます。人力翻訳は、人件費がかかるためコストは高くついてしまいますが、人がが翻訳を行うだけあり、機械翻訳に比べて自然な翻訳が可能であることが挙げられます。

今回、「翻訳者登録制度」が設立されたことで経験・実績のある翻訳者を認定する制度が整いました。これは 外国語対応を検討する企業・自治体にとって、翻訳者登録制度に登録している翻訳者や翻訳会社に翻訳を発注すれば、高品質な翻訳成果物が得られる可能性が上がる ことを意味します。

また、今回の「翻訳者登録制度」とはあまり関係がありませんが、機械翻訳を利用するという手もあります。

比較的低コストかつ手軽に外国語対応が可能になっているということから、近年ではGoogle翻訳やWOVN.ioなど機械翻訳の需要も増しています。翻訳精度は上がってきているとはいえ、所々不自然な翻訳箇所も見られるため、人力翻訳ほどの「自然さ」を実現することは難しいかもしれませんが、予算に応じて活用してみるのも一つの手かもしれません。

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まとめ:翻訳者登録制度の設立を機にインバウンド対応における「翻訳」を考え直そう

今回は、2017年4月から始まった翻訳者登録制度に関してご紹介してきました。

「翻訳者登録制度」とは、翻訳サービスに関する国際規格ISO17100に基づいて翻訳者を評価登録する制度。第三者機関である「日本規格協会 翻訳者評価登録センター」が運営しており、同機関が「翻訳試験検定実施機関」に認定した団体が実施する資格試験に合格することで、翻訳者は「翻訳者登録制度」に登録することができます。

「翻訳者登録制度」は、登録された翻訳者の翻訳物の質を担保することにもつながり、外国語対応をすすめるインバウンド市場では人力翻訳の需要がこれから増していくかもしれません。

また、外国語対応として機械翻訳も注目を集めており、インバウンド対応への予算等に応じて人力翻訳か機械翻訳か、どちらを導入するべきか検討すべきでしょう。

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<参照> - togetter:翻訳者登録制度に対する反響 - 翻訳横丁の裏路地:翻訳者登録制度説明会:参加報告 - 翻訳・機械翻訳・ポストエディットなど翻訳に関連する情報を発信するブログ:翻訳者登録制度って何?業界・翻訳者に与える影響は?

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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