[前編]新潟県に訪日外国人を誘致したい場合に知っておくべきことまとめ:新潟県を訪れる訪日客の64.2%がスキーシーズンに宿泊

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近年の訪日外国人観光客は、何を目当てに地方を訪れているのでしょうか?日本政策投資銀行では、2017年4月に新潟県に関するインバウンド観光レポート「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」を発表。新潟県を訪れる訪日外国人観光客の実態を紹介しています。本資料をもとに、2回に分けて新潟県におけるインバウンド観光の特徴をご紹介していきます。

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新潟県の訪日客延べ宿泊者数は過去最高の187,000人に しかし全国比では低下

2016年に新潟県に宿泊した延べ訪日外国人観光客数は、187,000人を記録し、過去最高を記録しました。

2015年の新潟県に宿泊した延べ訪日外国人観光客数と比較した場合、2016年の結果は、5.3%増の結果となりますが、全国平均の対前年伸び率は、5.9%増となっており、全国比では若干の低下傾向が見られます。

新潟県の宿泊した訪日客の中でもっとも多いのが台湾人という結果に 東アジアに加え欧米圏でも比較的人気の観光地

2016年に新潟県に宿泊した訪日外国の割合(国籍別):日本政策投資銀行「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」より数値をグラフ化

2016年に新潟県に宿泊した訪日外国の割合(国籍別):日本政策投資銀行「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」より数値をグラフ化

上記のグラフが示しているように、2016年、新潟県に宿泊した訪日外国人観光客の中で、もっとも多い割合を占めたのが訪日台湾人観光客でした。(43,090人)

2番目に多かったのが訪日中国人観光客(34,500人)、3番目が訪日韓国人観光客(19,230人)となっており、主に東アジアからの訪日外国人観光客に人気の観光地になっている ことが、把握できます。

また、新潟県に宿泊した訪日アメリカ人観光客と訪日オーストラリア人観光客の数は、それぞれ10,670人、8,600人となっており、同地に宿泊したタイやシンガポールなど東南アジア圏出身の訪日外国人観光客の数よりも多い結果になっています。他の地方都市と比較すると、訪日アメリカ人観光客と訪日オーストラリア人観光客が多い傾向にあります。

訪日台湾人観光客のインバウンド

訪日台湾人は2016年の訪問数で417万人と中国、韓国に続く3番目の旅客数となっています。台湾の人口が約2400万人なので、再訪問がなかったと仮定すると毎年6人に1人が日本に旅行に来ている計算になります。親日の方が多いのも訪日客数を伸ばしている要因の一つ。言語は中国本土とは違い繁体字で、中国人と一緒にされることを極端に嫌うため言語の取扱には注意が必要です。また、中国本土と違いyoutubeやSNSの利用にも制限がないため、マーケティングし易いのも一つの特徴です。

訪日アメリカ人観光客のインバウンド

訪日アメリカ人は2016年の訪問数で124万人と5番目となっており、英語圏ではTOPの数値となっています。また、旅行消費額も152,690円と全国籍平均の129,367円の118%と高い数値となっているため、訪日アメリカ人は魅力的なインバウンドマーケットといえます。アメリカ人に人気の旅行先としてはイギリス、フランス、イタリアの順で日本は第8位。PRなどにより日本がアメリカ人にとってより魅力的な渡航先として映るようになれば、今後ますます訪日アメリカ人が増えることになりそうです。

スキーシーズンに新潟県に宿泊した訪日客は全体の64.2%に:ウィンタースポーツをしにくる訪日客が多い

「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」によると、2015年度に新潟県に宿泊した訪日外国人観光客のうち、64.2%は冬場のスキーシーズン(12月~3月)に併せて、新潟県に宿泊しました。

この数値は、2014年には64.6%、2013年には59.0%となっており、毎年、新潟に訪問する訪日外国人観光客のうち、その多くはスキーなどウィンタースポーツ目当てであるということがわかります。

訪日オーストラリア人観光や訪日アメリカ人観光客など欧米圏からの訪日外国人観光客は、一般的に体験型アクティビティを好みます。

スキーなどを活用したスポーツツーリズムを通じて、冬場のスキーシーズンに多くの訪日外国人観光客を呼び込むことに成功しています。

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新潟県に訪れる訪日客は個人で航空券とホテルを手配する傾向にある→FITが比較的多い

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「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」によると、新潟県を訪れる訪日外国人観光客のうち、52.8%は、航空券とホテルを個別で手配しています。また、45.3%の訪日外国人観光客は、旅行代理店などで発売されている旅行パックプランで新潟県を旅行しています。

航空券とホテルを個別手配するFITが多い という点は特筆するべき部分で、同割合の全国平均である35.2%と比べてもだいぶ大きい数値になっています。全国平均では60.7%の訪日外国人観光客が、観光時に旅行パックを使いますが、新潟県に宿泊した訪日外国人観光客の間では、そこまで大きなウェイトを占めていません。

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まとめ:新潟県におけるインバウンド観光の実態:ポイントは「欧米豪圏」「FIT」 「スポーツツーリズム」の3つ

日本政策投資銀行の資料「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」から新潟県におけるインバウンド観光の実態をご紹介してきました。今回は第一回目です。

2016年に新潟県に宿泊した延べ訪日外国人観光客数は、187,000人を記録し、過去最高を記録しました。

新潟は、基本的に訪日台湾人観光客、訪日中国人観光客を筆頭とする東アジア出身の人々に人気の観光地になっていますが、全国比で見た場合、訪日オーストラリア観光客や訪日アメリカ人観光客の訪問も多い結果になっています。

理由としては、2015年度に新潟県に宿泊した訪日外国人観光客のうち、64.2%は冬場のスキーシーズン(12月~3月)に併せて、新潟県に宿泊した ことから、スキーを中心としたウィンタースポーツを楽しめるという点が、訪日外国人観光客にとって高ポイントであったことが予測できます。また、比較的 FITが多い 点にも留意するべきでしょう。

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<参照> - 日本政策投資銀行:新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】


【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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