日本に外国人観光客を呼び込むという視点から様々なインバウンド誘致への取り組みが行われている近年の日本。しかし、インバウンド誘致を目指している国は、日本のみではなく他国もまた然り。時には、海外のインバウンド対策事例を参考にしてみても面白いかもしれません。
フィリピンのセブパシフィック航空では、外国人観光客の誘致策として面白い試みを行っています。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
セブパシフィック航空では外国人観光客に無料SIMを配布している
フィリピンを代表する航空会社であるセブパシフィック航空では、2017年7月から機内にて外国人観光客にプリペイド式無料SIMを配布しています。 プリペイド式無料SIM配布対象とされるのは、セブパシフィック航空が提供する便を利用してフィリピンに向かう中国・香港・日本・韓国出身の外国人観光客。
上記の画像のような 封筒に入った無料SIMが機内で配布され、外国人観光客はフィリピン滞在中に最大で1GBまで快適にインターネットに接続できます。
外国人観光客は快適にフィリピンを周遊できるように:またインバウンド動向データの収集にも役立つ
フィリピンを旅行する外国人観光客は、以前のように無料Wi-Fiを探すのではまく、SIMを起動させていればどこでもインターネットに接続できるようになります。
以前の記事でもご紹介した通り、外国人観光客にとって必要な時にインターネットが使える環境を整備することはとても重要なことです。
石巻市 訪日客のSNS拡散狙い無料SIMを配布:SIMカード配布は地方創生・地方誘致の新たなインバウンド対策になりうるのか
増え続ける訪日外国人観光客の通信手段を整備するために日本国内では、無料Wi-Fiの増設が進められてきました。しかし、ソフトバンクの孫正義氏が無料Wi-Fiではなく国際ローミングに注目しているように、最近では訪日外国人観光客の通信手段は無料Wi-Fi一択ではなく、国際ローミングやプリペイドSIMの利用も人気になってきています。そんな状況の中、宮城県石巻市では、インバウンドの通信環境整備へ来年1月から新たな試みを開始します。目次石巻市 インバウンド向けにSIM無料配布へネット環境整備を通じてS...
例えば、外国人観光客がSNSでシェアをしたい風景や景色に出会った場合に、SIMをカードを使っていればその場でSNSにアップロードできます。その投稿を他の人がネット上で閲覧することでその観光地のPRにもつながります。
また、ホテルやフライトの予約もいつでも可能になり、天気や飲食店・観光スポット情報の取得もスムーズになるため、外国人観光客にとっても旅行時の予定が立てやすくなり、間接的により多くのお金を観光地に落としてくれるようになるという利点もあります。
加えて、通信履歴などから外国人観光客がどこに訪れたのか、何を検索してるいるのかなどの インバウンドの動向に関するデータとしても蓄積可能になります。
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近年インバウンド観光市場で注目されているSIMカード:日本の自治体では石巻市が無料SIMを訪日客に配布
近年、インバウンド観光市場でSIMカードの無料配布が話題になっています。国内の事例でいうと、宮城県石巻市では、来年の1月より訪日外国人観光客にSIMカードの無料配布の実施を開始します。
「ISHINOMAKI TRAVEL SIM」 と名付けられたこの取り組みは、訪日外国人観光客にインターネットを通じて情報を発信してもらう点 にあり、手軽にネットに接続できる環境を整備することで、訪日外国人観光客は、石巻付近の自然景観や穴場スポット・グルメ情報などをSNSなどをその場で海外に向けて発信してもらうことができます。
このように国内外問わず、外国人観光客に無料SIMを配布し、快適なネット環境とともに観光を楽しんでもらう動きが活発化しています。 観光客の出入り口となる空港・フライト内で無料SIMを配布するセブパシフィック航空の試みは、日本の交通業界のインバウンド対策案として参考になるものでしょう。
まとめ:セブパシフィック航空の試みを日本のインバウンド業界も参考に!
セブパシフィック航空では、中国・香港・日本・韓国出身の外国人観光客に無料SIMを配布して、国内の観光時の快適なネット接続環境を提供しています。
国内でも来年1月より、宮城県石巻市にて外国人観光客に無料SIMの配布を開始します。無料SIM配布により、観光地を訪れる外国人観光客は快適なネット環境のもと旅行を楽しむことができ、SNS等のツールを通じて知り合いなどにその土地の観光情報を配信してくれます。
孫正義氏が「無料Wi-Fiの時代ではない」と発言 したように、無料SIM配布などの通信環境整備による恩恵は想像以上に大きいものです。今回ご紹介したセブパシフィック航空による取り組みは、日本におけるインバウンド誘致策としても参考になります。
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<参照> - OUT OF TOWN BLOG:Smart and Cebu Pacific partner for launch of complimentary SMART LTE Tourist Sim
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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