インバウンド・越境EC攻略企画 STEP3「やるべき対策・集客施策の洗い出し」

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ターゲットについて、ある程度イメージが明確になってきて、実際にターゲットへのヒアリングを通じて購買意欲の核心やツボ(インサイト)がわかってきたものの、次に多くの方が 「そもそも海外向けの効果的なPR・宣伝の方法がわからない」 といったことに直面されます。

ここで大切なことは、ターゲットとなる顧客が使っている言語やツール、メディアが何であるのかを把握して、シンプルに対策を行っていくこと、その精度を高めていくこと に尽きるのですが、ともすると周囲からの入れ知恵もあり、何をやってよいのかわからなくなってしまいがちだったりします。

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やるべき対策

今回は、そういった方のために、外国人向けにPR・宣伝するために、まず何をすべきかを列挙したいと思います。

<前回記事>

インバウンド・越境EC攻略企画 STEP2「ターゲットのカスタマージャーニー作り」〜どのように訪日客の行動心理を読み解くのかを徹底解説〜

マーケティング方針の策定と大前提について整理できたところで、『インバウンド・越境EC攻略企画』STEP2では 、「ターゲットのカスタマージャーニー作り」を通じて、訪日外国人がどのようなタイミングでどのような情報に触れて、どのような態度変容を起こしていくのかについて可視化していきたいと思います。<前回記事>目次ターゲットの明確化カスタマージャーニーの作成手順①旅前②旅中③旅後まとめGMO TECH(GMO テック) の執筆記事一覧ターゲットの明確化まずは、これまでの購買層や来訪者の層の「ター...

①言語対応

Webサイトやアプリの言語が日本語のみでしたら、すぐにでも多言語対応を行うことをお勧めします。特にターゲットが使う言語には必ず対応してください。ターゲットが広い場合、言語数が多くなればなるほど、当然ながら翻訳コストがかかるため、どこまで対応すべきか議論して決定すべきですが、世界共通で使われる英語と、訪日外国人数の多い順で中国語(繁体字と簡体字)、韓国語にまずは対応してはいかがでしょうか。

また、Webサイトに掲載している画像が日本語のままですと、離脱の原因となりますので、画像も合わせて翻訳または注釈をつける などしてください。

スタッフが複数の言語に精通している場合を除いて、ネイティブを要している専門の制作会社に依頼することが一番の近道です。コストはまちまちですが、1文字数円からネット注文できる翻訳会社もありますので、いくつか見積もりを取ってみるとよいかと思います。

まずは費用をかけないで機械翻訳ツールを導入するというのも1つの選択肢ですが、手軽に導入できる反面、精度が高いとは言えないため、売り文句や料金プランなどの間違って伝わっては困る内容だけは翻訳するなどしてみてはいかがでしょうか。

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②SEO対策

私たちが普段利用している検索サイトには、一定のルールがあり、そのルールに則ったWebサイトのコンテンツ作りや設定を行うことで、より検索結果に反映されやすくなります。 日本語で作られたWebサイトは、当然ながら日本語での検索に対応していますが、日本語がわからない外国人にはそれでは伝わりません。タイトルやディスクリプション(説明文)をターゲットの使用言語で設定する必要があります。

また、Googleをはじめ検索サービスのロジックは常に変化していることから、専門家にお任せすることをお勧めします。SEOの専門家に相談した上で、多言語対応できる制作会社を紹介してもらうとスムーズです。その際、専門家にペルソナやカスタマージャーニーマップを示すことで、ターゲットと施策に一貫性を持たせた対策プランを作ってもらうと無駄がありません。

③コンテンツ拡充

私たちも同様ですが、顧客は慣れない土地の慣れない製品やサービスの購入を検討する時、少しでも多くの情報に触れて、損をしないようにしようとします。SEO対策にも通じるのですが、顧客の視点にたって、顧客の体験を後押しするようなコンテンツを拡充していきましょう。

具体的には、製品やサービスの特性や価格、ラインナップなどのアウトラインを説明するためのコンテンツはもちろんのこと、その製品やサービスを体験することが、顧客にとっていかに素晴らしいことなのかをお伝えしていくことです。手法としては、訪日外国人のインタビュー記事や動画を掲載するなど事例を盛り込むことが、効果的 であるといえます。顧客目線 でコンテンツを拡充していってみてください。

④販促・集客(メディアプランニング)

ともすると、マーケティング施策イコールこの項目だけになってしまっている販促・集客のご担当者様によくお会いします。結局、誰に対してどのような態度変容を狙うのかが明確であれば、この項目は自ずとイメージできてきますし、直接メディアや広告サービスを買い付けるよりも、専門の広告代理店に依頼し、メディアプランから提案してもらったほうがよいでしょう。 雑誌やTVによく触れている層には雑誌やTVからアプローチすべきですし、SNSを多用している層にはSNSからアプローチすべきです。

また、認知を目的とした施策を行うのか、販促・集客を目的とした施策を行うのか、ハイブリットなのか。目的と予算に合わせた組み立てをした上で、施策を実行に移していきます。

そして何より大切なのは 施策実行後の効果検証なのですが、どのような施策に価値があったのか、なかったのかを判断し、次の施策に活かすこと です。前年より効果をあげ続けていくために、その効果検証結果を基にした次のプランニングを行っていく。そのPDCAサイクルを回していってみてください。

⑤その他/中国本土について

私たちが普段ターゲットにしている国・地域の中で、中国本土だけは普及しているWebサービスがまったく異なります。 中国政府の情報検閲システム「グレートファイアウォール」の存在により、GoogleやFacebook、Twitterが使えない、中国国内から日本のWebサイトを閲覧しようとするとものすごく時間がかかる、といった事情を考慮しておく必要があります。

中国語に翻訳されたWebサイトであっても、日本など中国国外のサーバを利用していてはその問題は解決されません。

  • 中国国内(または香港など)のサーバを利用する
  • 関係当局にWebサイトの登録(ICPサイト登録)を行う
  • 販促/集客も中国国内で利用されているメディア、広告サービスを利用する

といった必要があります。このあたりも中国向けのWebマーケティングに強い広告代理店に相談することをお勧めします。

また、弊社GMOTECHでは訪日客向けの包括的なマーケティングサービス「AsiAD」を展開しています。中国のみならずアジア圏向けに多言語対応しており、対象国の普及状況に合わせた適切なソーシャルメディア、検索サイト、DSPなどの提案から出稿・運用・レポート分析まで一貫した広告マーケティング活動をサポート致します。

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まとめ

最初から多くのターゲットとその言語に対応しようとすると、費用面や実際に対応するスタッフの育成面に尻込みしてしまいがちです。悩んで進まないよりは、まずは英語だけでもよいので早々に進めてみることをお勧めします。

年々、訪日外国人数は増加していて、今後も増加傾向は続きます。早い段階で外国のお客様を受け入れていき、たくさん失敗して経験を積んだ上で2020年を迎える こと、その先は当たり前に外国のお客様に対して商売が出来ていることが今まさにやるべきことなのだと考えます。

次回は、インバウンド対応をするにあたり、上司にどのように報告すればよいのか、その方法についてお伝えしていきます。

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この記事の筆者

GMO TECH(GMO テック)

GMO TECH(GMO テック)

GMO TECH株式会社 経営企画室 部長 猪野 佑一。主に日本企業や外資企業の日本法人の国内外向けのマーケティングのプランニングからディレクションまでを手がけてきている。インバウンドに有効なウェブマーケティングのノウハウについて発信してゆきます。

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