ありがたいことに、日本に旅行に訪れる外国人数はうなぎのぼりです。それにつれて、各種のトラブルもニュースに取り上げられるようになりました。
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【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
アメ横で倒れた訪日タイ人観光客
2017年1月には、タイからの訪日外国人観光客が上野のアメ横で倒れ、緊急搬送。一命を取り留めたという一件がありました。ニュースになりましたので、ご記憶の方も多いでしょう。該当の旅行客は若いタイ人女性でしたが、彼女は 旅行保険に未加入で医療費の問題に直面しました。
普段、日本で暮らしていますと健康保険の制度のありがたさには無頓着ですが、健康保険なしでの日本の医療費はかなり高額となります。タイ人女性は、保険未加入ですから、当然この高額の医療費が請求されました。幸いにも、在日本タイ大使館が、足りない分の彼女の医療費を建て替えてくれました。ですが、莫大な額の借金がひとりの若いタイ人女性の人生を狂わせる可能性がでてきたわけです。
旅行保険に入らない訪日外国人
もちろん、「ちょっと短期間、旅行に行くくらいだから旅行保険に加入せずとも大丈夫だろう」という訪日外国人観光客の甘い考え方が一番の問題ではあるのは事実です。一方で、受け入れ先の日本のインバウンドを取り扱う旅行業関係者の知識、また日本の医療機関の受け入れ態勢にも問題がある ことも一つの事実でしょう。
3割の訪日外国人は、旅行保険に入らない
旅行保険に入らずに日本旅行をしている訪日外国人は、およそ 3割 にのぼるというデータがあります。不幸にも病気や怪我のため病院にかかっても、医療費が払えないケースもあります。前述のタイ人女性の場合は、大使館が医療費を建て替えてくれたのでよかったのですが、医療費が払えずに、そのまま自主的に退院し帰国してしまうケースもあり、医療機関が医療費の回収ができないという問題 が起こっています。
新たな観光公害 訪日客の「医療費未払い問題」…解決策はあるのか?
訪日外国人観光客が増加することは、日本の観光立国において、また2020年の東京オリンピックに向けて取り組んでいかねばらなないことです。しかしながら、訪日外国人観光客が増える事で発生するリスク、問題もないわけではありません。このような観光によって発生するリスク・問題を 「観光公害」 と呼びますが、今回はそんな中から少々変わり種の、訪日外国人観光客が日本で病院を受診した際の医療費の未払いに 関する問題をご紹介します。目次訪日外国人観光客が、医療費を未払いのまま帰国してしまう「医療費の未払い問題...
日本独自の医療の会計にも問題あり
訪日外国人の医療の問題について研究している、国際医療福祉大学大学院の岡村世里奈准教授にお話を伺いました。旅行保険に未加入で日本に旅行にくることも問題ではありますが、受け入れ側となる日本の医療機関にも問題がある そうです。
まずは、これまでは日本在住の外国人の対応はしたことはあるものの、訪日外国人観光客の受け入れには慣れていないという点が問題 です。最も問題となるのが、会計のシステム です。
日本の医療機関は、治療が終わった後に総額を提示されて支払をします。ところが、世界的に見てこれは一般的ではありません。この治療に対してはいくら、という所謂「お品書き」を提示され、自分に必要な治療をしてもらうというのが一般的 です。ところが日本の医療機関には「お品書き」はなく、患者に施すベストな治療が思わぬ高額料金となり、トラブルを引き起こします。こんなに高額になるならば、自分は治療を望まなかった、というわけです。
有名ガイドブックには、「大学病院に行け」と書かれています
町のクリニックの医師には、海外の業者の旅行保険に慣れていない、また日本語が通じないという理由から、訪日外国人の受け入れを拒む 方がいらっしゃるそうです。何かあった場合、面倒を引き受けたくないという心理からのようですが、これも問題です。
アメリカで出版されている有名なガイドブックの日本版には、町のクリニックは訪日外国人観光客を受け入れないから、大学病院に行け、と書かれています。確かに、大学病院ではしっかり対応はしてもらえますが、訪日外国人の患者が押し寄せるため、日本人の緊急医療に支障がでてきています。
町のクリニックや薬局でも、対応可能では?
データがないので、正確な割合はわからないのですが、大学病院に押し寄せる訪日外国人の患者のほとんどが軽症 だといわれています。ほとんどが、町のクリニックで治療可能、また薬局で処方箋なしで購入可能なごく一般的な常備薬で対応可能です。ですが、町のクリニックの医師には対応を断る方もおられますし、ごく一般的な風邪薬や胃薬の注意書きは日本語のみです。ここに問題があるといえましょう。
旅行保険のガリバー、損害保険ジャパン日本興亜株式会社の試み
保険会社大手、損害保険ジャパン日本興亜は、個人客にも対応する訪日外国人向けの旅行保険を発売しています。日本滞在中の病気やケガによる治療費を補償するシンプルなインターネット加入専用保険です。損害保険ジャパン日本興亜が間に入るのですから、町のクリニックで訪日外国人の患者が拒否される事例も少なくなることが期待され画期的です。
この保険は日本入国後に加入してもらうもので、プロモーションのためにつくられた動画は、洗練されており、マーケティングとコミュニケーションの国際的コンテスト「23rd Communicator Awards(コミュニケイター・アワード)」で、金賞を受賞しています。ですが、それほど認知されているとはいえない状況です。
プロモーション動画
インバウンド向け旅行保険の認知が進まない理由は、インバウンド旅行業者の保険の知識不足?
アウトバウンドでは、企画旅行を販売する折には、海外旅行保険の加入の有無を顧客に訪ね、未加入の場合は保険加入をお勧めするのは常識です。ところが、インバウンドについては、旅行以外の業界からの転身者も多いため、保険の知識に乏しく、保険募集人の資格を持っているスタッフが少ない という実情があります。これでは、せっかく保険会社がよい商品を用意しても的確に案内することができません。
まとめ:旅行業界全体で「インバウンド×医療×保険」の問題解決を!
旅行保険の重要さを訪日外国人にアピールする必要があります。それには、インバウンドを取り扱う旅行会社にも、保険の知識を持つ人材がいなくてはならないでしょう。ことばの問題、医療費の問題の解決は必須です。旅行業界全体で、この問題を考え、増え続ける訪日外国人に安全で快適な日本を満喫していただきましょう。
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<参考>
- https://withnews.jp/article/f0170904000qq000000000000000W06s10101qq000015798A
- http://www.asahi.com/articles/ASK835F3BK83UHBI00Y.html
- https://news.yahoo.co.jp/byline/yokohanawa/20170915-00075736/
- http://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/topics/2017/20170616_1.pdf
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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