「雪」に感じる魅力 アジアと欧米で全く違うことが明らかに:アンケート調査からわかる訪日外国人にとっての東北 求められる観光地としてのPRとは

公開日:2017年11月21日

訪日外国人観光客にとっては未だに日本観光=ゴールデンルート、つまり、東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪という日本の人気5都市を巡るルートの人気が高い 状況です。しかしながら、政府目標である2020年に4000万人の訪日外国人を呼び込むためには、既存のゴールデンルート以外の地方部への訪日外国人観光客の誘致が必須 と言われています。

そうした背景の中、日本人にはお馴染みの観光地の1つである 東北地方 が、訪日外国人観光客にどのように認知されているのかという内容について、株式会社日本投資政策銀行の東北支店がアジア8地域(韓国、中国、香港、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)と欧米豪4地域(アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア)の合計12地域の出身者を対象に、2017年6月29日から2017年7月12日にかけて調査を行っています。

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東北の認知度:アジア8地域、欧米豪4地域でも低く、訪問意欲も少ない傾向に

アジア8地域と欧米豪4地域の出身者にそれぞれ、日本の地方ごとの認知を尋ねたところ、東北を認知しているのは アジア8地域で12.6%、欧米豪では僅かに4.4%に留まりました。

アジア8地域で最も認知度が高かったのは北海道の62.9%、次いで沖縄の50.7%、九州の39.6%となりました。訪問意欲に関しても同様に認知度が高い順番に北海道43.2%、沖縄25.2%、九州14.6%という結果となっています。

対する欧米豪の場合は最も認知されているのは沖縄の26.4%という結果に。2番目が北海道で17.5%、3番目が九州の9.6%となりました。訪問意欲に関しては沖縄14.5%、北海道8.6%、九州が4.6%となっています。

東北の主要都市で最も認知されているのは”東日本大震災被災地としての”福島 その他の東北の主要都市の認知度は低い

アジア8地域と欧米豪4地域の出身者にそれぞれ日本の主要都市と東北の主要都市の認知度、訪問意欲を聞いたところ、アジア地域、欧米豪共に最も認知されていたのはやはり東京となり、アジア8地域では69.6%、欧米豪4地域では57.3%の人が東京を認知していました。アジア8地域では東京の後に大阪64.0%、京都59.7%と続き、対する欧米豪4地域では広島39.4%、京都39.1%と続きました。東北の主要都市で最も認知度が高かったのは福島で、アジア8地域では32.5%、欧米豪4地域では29.0%の人が福島を認識 している結果に。

しかし、それ以外の東北の主要都市である 仙台/松島はアジア8地域で20.5%、欧米豪4地域では4.5%、青森についてはアジア8地域で19.8%、欧米豪4地域では3.5%の人しか認知していないことが明らかにとなりました。 また、福島に関しては観光地というイメージではなく、東日本大震災の被災地という形で認識している外国人がほとんどだと予想されます。 訪問意欲が最も高い東北の主要都市は青森で、アジア8地域で6.2%、欧米豪4地域で1.7%となりました。

国・地域別では、東北を最も認知しているのは訪日台湾人と訪日香港人:訪問意欲も高い

国と地域別に東北の主要都市を認知している人を見ていくと、台湾、香港出身の訪日外国人は、福島以外の東北主要都市に関してもしっかりと認知 をしており、台湾出身に関しては東北の主要都市というと青森をイメージしているのだということがわかります。また同様に訪問意欲についても国と地域別に見ていくと、台湾、香港出身の人は訪問意欲も特筆して高い事が伺えます。また、調査内容から台湾、香港出身の人が最も訪れたいと思っている東北の主要都市は青森が1位、2位が仙台/松山、3位が秋田/角館であることもわかります。

台湾は前年比153%増で倍増以上 急速にインバウンドで成長を見せる東北6県 平成29年3月延べ外国人宿泊者数では前年同月比47%増

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東北に訪れた訪日外国人が他にも行きたいのは北海道、関西、中国、九州、東海地方

東北訪問経験者に訪問希望先を聞いたところ、東北を除いて希望が多かったのが 北海道、九州、東海地方 でした。アジア8地域の訪日外国人に関しては、東北以外に北海道を訪れたいと回答した人が65.6%と最も多く 、次いで東海地方が59.6%、関西地方が54.4%という結果になりました。欧米豪4地域に関しては 九州が53.6%と最も希望が多く 、次いで関西、中国地方が50.7%と続き、その次に北海道が49.3%となっています。

また東北訪問経験のうち、アジア8地域からの訪日外国人は、首都圏を訪れた事がある人が71.9%、北海道を訪れた事がある人が67.4%、東海地方を訪れた事がある人は61.4%、関西地方を訪れた事がある人は61.1%という結果となりました。一方欧米豪4地域の訪日外国人は、首都圏と北関東甲信地方を訪れた事がある人が最も多く、共に47.8%、そして次に訪れているのは関西、中国地方の43.5%という結果になりました。

東北・北海道に期待するものとしてはアジアと欧米豪で意識の差が明確に

東北、北海道に行ってみたいと回答した人に対して、観光の際に期待するものを聞いたところアジア8地域の人は、「自然や風景の見物」と回答した人が最も多く65.7%、次いで「雪景色観賞」と回答した人が64.7%、「伝統的日本料理を食べる」と回答した人が57.6%、「温泉への入浴」が52.8% となりました。しかしこの数値はいずれも北海道訪問希望者のもので、東北訪問希望者の場合は、「自然や風景の見物」と回答した人が51.4%、次いで「雪景色観賞」と回答した人が33.5%、「伝統的日本料理を食べる」と回答した人が42.3%、「温泉への入浴」39.1%となっています。特に「雪景色観賞」に関しては北海道と東北の乖離が大きい事が伺えます。

欧米豪4地域の場合は最も期待されているものは「伝統的日本料理を食べる」となっており、次いで「自然や風景の見物」となります。特筆すべきはアジア8地域に比べると 「雪景色観賞」と回答している人が圧倒的に少なく 、「自然や資源を損なうことのないよう配慮されている観光地・観光ツアーに行く」という回答が非常に多い事でしょう。これは環境意識が非常に高い欧米諸国とアジア諸国の差であるとも言えます。

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まとめ:東北地方を訪れる訪日外国人の求めるものを出身地域別に理解して効果的な対策を

今回の調査からはアジア8地域、欧米豪4地域だけでも、東北に対する認知度、イメージなどがばらばらであることが伺え、逆に宿泊先としては各国の出身者とも「日本旅館」を希望するなど、共通する内容もあることがわかりました。

しかし同時に英語や母国語が使えないと感じていることも訪日外国人共通の悩みともなっており、こうした各国の訪日外国人に共通する不満は早急に解消が必要と言えますし、東北自体の認知度も全国と比較して非常に低いことが伺えます。

日本人のイメージでは「伝統的な料理、風景」「雪景色」「米どころ、酒どころ」「伊達政宗など戦国武将ゆかりの土地」などのイメージがある東北ですが、こうした東北の魅力を、海外旅行展、KOL、海外へ向けたSNS運用などを通じてPRしていくことが必要と言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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