京都の民泊 1月と2月しか営業できなくなる!? 2018年6月に施行される民泊新法を前に、各地で進む「民泊規制強化の」独自条例

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2018年6月に民泊新法が施行されますが、この民泊に関する自治体独自の条例制定について色々な動きが見られます。今回ご紹介する京都市の民泊に関する独自の条例は、厳しいところもあれば逆に緩和の方向となる部分もあるもので、日本のその他自治体とは一線を画すものです。

解禁に向かう民泊、しかし自治体は独自規制を強化!?…何故自治体は民泊に消極的なのか、民泊のメリット・デメリットを比較しながら考察

先日3月10日、政府は民泊新法(正式名称:住宅宿泊事業法案)を閣議決定しました。同法案は、自役やマンションの空き部屋を旅行者(主に訪日外国人観光客)に有償で貸し出す「民泊」サービスに対し、ある意味で規制、またある意味で緩和をするルールです。主な内容は、緩和今まで民泊を適法に運営するには「旅館業法」の厳しいルールに則らねばならなかったのが、 各種手続き、申請をすることで簡単に民泊を営業できる ようになる規制民泊の 年間営業日数の上限が180日 になるといったもので、政府は早ければ来年2018...

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そもそも2018年6月施行の民泊新法(住宅宿泊事業法)のポイントとは?

京都市の独自の取り組みを知る前に、まず2018年6月の民泊新法のポイントについておさらいしましょう。

  • 民泊新法(住宅宿泊事業法)は「住宅」が対象
    • 民泊は今まで法律上の扱いとしてどのような建物であるのかといった点が曖昧でしたが、民泊新法では民泊を行うのは「住宅」という位置づけとなり、住宅街であっても民泊営業が出来るようになります。
  • 形態に関わらず民泊ホスト(住宅宿泊事業者)は都道府県知事への届出が必要
    • 新しい民泊では、民泊ホストが同じ住居内に居住する「家主同居型」、民泊ホストが同じ住居内にいない「家主不在型」に別れます。しかし、いずれの場合であっても都道府県知事への届出書が必要となります。届出が受理された場合は旅館業法許可が不要で民泊を行う事が可能です。
  • 年間の営業日数は180日以内
    • 民泊新法(住宅宿泊事業法)の元で運営出来る民泊の年間営業日数は、最大で180日以内となります。ただし、この日数に関しては自治体によって制定した条例によって日数を削減するということが可能です。
  • 民泊新法(住宅宿泊事業法)の対象となるのは、「住宅宿泊事業者」、「住宅宿泊管理業者」、「住宅宿泊仲介業者」の3つ
    • 民泊新法(住宅宿泊事業法)の対象となるのは3つの関係者となります。「住宅宿泊事業者」とは住宅を使用して宿泊事業を行う民泊ホスト、「住宅宿泊管理業者」とは民泊ホストの代行でホスト業務を行う民泊運営代行業者などを指します。「住宅宿泊仲介業者」とは、宿泊者に民泊物件を紹介する仲介サイトの事を指します。
  • 住宅宿泊仲介業者は観光庁長官への登録義務あり
    • 民泊物件を紹介する「住宅宿泊仲介業者」に関しては、観光庁長官に登録を行う義務が課せられます。

京都市独自の条例の特徴

  • 住居専用地域の営業期間は1月と2月に限定。家主同居型と京町家は例外とする
    • 民泊新法(住宅宿泊事業法)においては年間の営業日数は180日以内とされていますが、その中でも京都市の住居専用地域にある民泊の営業期間は1月と2月のみに限定されます。ただ、民泊ホストが同じ住居内に居住する「家主同居型」は例外とされるため、年間180日以内の営業が可能です。また、京町家(1950年以前に京都市内に建てられた町屋を含む木造家屋で京都市内に29棟点存在する)に関しても例外とされています。
  • 家主同居型は家主が3ヶ月以上継続して居住している必要ある
    • 民泊ホストが居住している「家主同居型」の民泊に関しては、家主がこの民泊に3ヶ月以上継続して居住している必要があります。これは家主同居型だからといって、申請だけして家主は実際はほとんど民泊内に同居していないなどの形だけの民泊が生まれないようにするためと言えるでしょう。
  • 施設の半径800m以内に管理者が駐在
    • 緊急時、もしくは苦情などがあった場合にすぐに対応出来るよう、民泊の半径800m以内に管理者が駐在している必要があります。これは実質的には、家主同居型ではない民泊を京都市内では誕生させたくないという狙いが透けて見えます。
  • 分譲マンションで民泊を行う場合は、管理規約で民泊営業を禁止していないという旨が確認出来る書類の提出が必要
    • 今までも苦情が非常に多かった分譲マンションによる民泊営業に関しては、そもそもマンションの管理規約の中で民泊営業に関する制限がないことを明記した管理規約などの提出が必要となります。これに関しても、実質的に分譲マンションによる民泊営業は認めたくないという方向性が見て取れます。
  • 届出を行う前に自治会や周辺住民に事業計画を説明すること
    • 民泊の届出を行う前に、先に自治会や周辺住民に対し民泊を行う旨を説明し、その中で理解を得ることが必要となります。こちらも分譲マンションと同様に、近隣の住民や自治会からの苦情が多いことを受けて盛り込まれた内容と言えるでしょう。
  • 条例施行から3年を経過した時点で再検討、必要がある場合は見直しを行う
    • 京都市が独自に定める独自の条例については、施行から3年を経過した時点で、それまでに集まった事例や意見を元に再検討を行うことが盛り込まれています。

東京都でも同様に独自条例制定が進む

今回話題にしている京都市独自の民泊に関する条例ですが、東京都でも同様に独自条例の導入が検討されています。例えば世田谷区では、民泊ホストが同じ住居内に居住する「家主同居型」、民泊ホストが同じ住居内にいない「家主不在型」に関わらず、住居専用地域で月曜正午から土曜正午までの利用について禁止、同様に新宿区、中野区では、住居専用地域で月曜から木曜の宿泊を禁止する方向で調整が進んでいます。また、大田区では住居専用地域などでの民泊の営業を全面禁止とする条例が区議会で可決されています。

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近年、急速に注目度が高まっている民泊ビジネス。Airbnbなどの民泊サービスを経由して、空き部屋や所有物件を旅行客に貸し出し、お金を稼ぐ というビジネスモデルで、日本全国で行われはじめています。特に訪日外国人観光客の訪問が多い東京都では、民泊マーケットの市場規模は 約78億円 ともいわれ、年々民泊ビジネスを始める人が増えています。民泊についてより詳しい資料のダウンロードはこちら民泊の運用について詳しい資料を見てみる目次78億円とも言われる東京の民泊市場:新宿では民泊物件数が昨年の3倍に!民...

しかし、これは実質的には2018年6月から施行の民泊新法住宅宿泊事業法)による民泊を規制するのと同様の内容とも言えるため、現場からは強い不満の声が上がっています。

まとめ:自治体や住民が抱く民泊新法への不安を解消出来るかが課題

こうした自治体による独自条例の設定について、石井啓一 国土交通大臣は、12月1日行われた記者会見の中で、住居専用地域での営業を規制する内容の独自条例が多いのではないかという質問に対し、「法律の趣旨を踏まえて、条例が検討されることが必要であり、国としてもその状況を注視していきたい」と述べています。

国としては2020年に向けてさらに訪日外国人を日本に迎えるため、その受け入れ先となる民泊を増やしたい。しかし、地域住民をはじめとする自治体側としては治安の面などから不安を抱えているため、実質的に民泊新法による民泊を規制する方向の独自条例を制定しています。こうした自治体の反発を防ぎつつ、国として望む方向に日本の民泊を進めていくためにも、国と自治体が連携した民泊の環境整備が求められます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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