費用面でリスクの無いインバウンドプロモーションはあるのでしょうか?答えはもちろん「Yes」です。 すぐに思いつく例としては海外向けGoogleのアドワーズ広告運用などクリック課金型広告だと思います。
ただ、クリックされないと課金されないとはいえ、クリックした外国人が必ず集客できる(訪日する)とは限りません。エリア、使用言語、キーワード、その他ユーザーデータなどを活用して様々な絞り込みができる広告運用は、訪日外国人の可能性が高いユーザーや在日外国人などにリーチする確立を高くすることはできると思いますが、100%ではありません。
そこで、今回は 成約が決定して初めて費用が発生する成果報酬型のインバウンドプロモーション を様々な観点からご紹介いたします。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)リスクのないインバウンドプロモーションその①:宿泊予約サイト・体験予約サイト
世界中の旅行者が利用するグローバルな宿泊予約サイトは、宿泊施設限定ではありますが成果報酬型の代表的な形です。宿泊が確定すると予約サイトへ手数料を支払いますが、掲載料など固定費はかからない為、宿泊業者にとっては訪日外国人獲得の代表的なツールです。
ただ、「booking.com」、「Expedia.com」、「agoda.com」、など日本でも有名な宿泊予約サイトへアクセスがある国の上位を見てみると、
- booking.com
- ロシア、アメリカ、ドイツ、英国、ブラジル
- Expedia.com
- アメリア、カナダ、イスラエル、メキシコ、香港
- agoda.com
- タイ、台湾、マレーシア、インドネシア、ベトナム
となっております。※2018年1月 https://www.similarweb.com にて調査。
「booking.com」は上位5ヶ国がそれぞれ5~6%程度のアクセス率となっており、飛び抜けてアクセスが多い国はなく 欧米圏 を中心に多くの国々からアクセスがあります。逆に「Expedia.com」はアクセス数1位のアメリカが70~80%程度締めており アメリカに強い です。最後の「agoda.com」は 東南アジア圏に強い ことが分かります。
上記は一例ではありますが、グローバルな宿泊予約サイトといっても特色があるので、自社ターゲットに合った外国人にリーチができるプラットフォームであるかなどを見極め、プラットフォーム毎に掲載情報を変えていくなどの細かな対応も重要になってきます。
また訪日外国人が利用する「体験予約サイト」に対しても同じことが言えます。
口コミサイトや民泊サービスとの連携をしている「体験予約サイト」など様々なプラットフォームがあるので、予約サイト毎にどのようなユーザーにリーチしているか?自社サービスと相性は良いか?など把握することが大事です。
グローバルな予約サイトに掲載することは、成果報酬型というリスクの少ない仕組みで多くの外国人へリーチできる可能性がある為、参入企業も多く、「比較検討という競争」に常に勝っていく必要があります。
リスクのないインバウンドプロモーションその②:外国人向け決済システム
訪日中国人向けの決済サービスとして日本でも導入企業が増加傾向にある「Alipay決済」、「WeChat Pay」などの決済サービスを導入することで集客のきっかけをつくることが出来ます。
中国人が自国で利用する便利な決済サービスを導入し、店舗、WEB上で導入済みであることをアピールすることはプロモーションという観点からは少し外れますが、自店舗を選んで頂けるきっかけの一つになることは間違いありません。
店舗状況や決済サービスによっては導入時に初期費用が発生する場合もありますが、その他は決済された際の決済手数料となりますので、成果報酬型の集客手段の一つであると言えると思います。
リスクのないインバウンドプロモーションその③:訪日外国人を集客している機関との連携
宿泊施設・レストランとの連携
訪日外国人の獲得に成功している施設やレストランと連携し、外国人ゲストを誘導、宣伝してもらうことも一つの成果報酬型です。ただ、通常宿泊施設などは特定の企業と提携し宿泊者に案内することは手数料の支払い有無関係無しに難しいです。※フロントやロビーにチラシを設置する程度であれば問題ない宿泊施設も多いと思います。
宿泊者(顧客)の満足度を高めるサービスであり且つ押し付けではなく自然な形で案内(誘導)できる仕組みであれば連携できる可能性はあります。例としては、送迎付きのショッピングツアーや体験ツアーなどが考えられます。
富裕層向けの出張販売(百貨店の外商)、店舗(レストラン、ブランドショップ)貸切ツアーなどは現状でも実施されています。ここで最も大事なことは、押し付けではなく訪日外国人の満足度が高まるニーズのあるサービスであること です。
ツアーガイドからの送客
訪日外国人に人気のツアーガイドのツアー行程に組み込むという事も一つの集客手段であると言えます。込み込んでもらった施設やサービスからはガイドへ送客手数料を支払います。
ガイドとしてはあらたな観光スポットやサービスを訪日外国人に提供できるという形を通して、結果として参加したゲストの満足度が上がるような内容にできれば、関わる全員(ゲスト、ガイド、施設業者)にとって良い仕組みとなる のではないでしょうか。
もちろん、訪日外国人のニーズがあることがツアー行程に組み込む為の大前提ですが、このような視点から訪日外国人の集客を考えることも重要であると言えます。
SIMカードやWi-Fiルーターなどの通信機器サービスとの連携
その他、訪日外国人の獲得に成功しているという観点からプリペイドSIMカードやWiFiルーターレンタル、最近ではスマホのレンタルなど通信機器との連携も考えられるのではないでしょうか。
弊社でもWiFiルーターをレンタルする訪日外国人にチラシやクーポンの同梱などは可能ですが、固定費(広告費)を頂く形で実施することがほとんどです。ただスマホのレンタルの場合、地図アプリやクーポンアプリなどスマホ内のコンテンツを提供する代わりに成果報酬としてレンタル業者側に手数料を支払うなどの連携は想定できます。
アプリ提供だけではなく、オンラインからオフラインの誘導として観光地(自治体)や観光施設業者にとっても利用できるプロモーションツール になります。
まとめ
いかがだったでしょうか?確実に成約した時点で費用が発生する成果報酬型のインバウンドプロモーションは究極のダイレクトプロモーションとも言えるかもしれません。
ただ、成果報酬型の仕組みに乗ったとしてもただ露出しているだけではなく、自社サービスの強みや同業他社との違いを外国人へ伝える努力を行わないと継続して集客していくことは難しくなります。
その為には、外国人視点を取り入れた記事広告や動画を活用したプロモーション、外国人インフルエンサーからの紹介など様々な媒体からより有効なターゲットに継続的に訴求していくことが大事です。
今回ご紹介した仕組みやプラットフォームはあくまでも予約や販売の受け皿となる要素が強いので、自社に合ったインバウンドプロモーションの全体設計をしっかりと検討しましょう。
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