爆買いに続く新トレンド『爆学』とは?:モノ消費からコト消費に移る訪日中国人 日本のビジネスや文化を学びに訪日する中国人が増加中

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あなたは「爆学」という言葉を知っていますか?近年、訪日中国人が、百貨店やドラックストアで化粧品やブランド品を大量に買うことは「爆買い」としてインバウンド業界のみならず一世を風靡しました。2015年には流行語大賞にノミネートされるなど、世間的にも認知された「爆買い」の次のブームになるであろう「爆学」という言葉も登場してきました。今回は、その訪日中国人の新消費トレンド「爆学」について解説していきます。

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爆学とは:要するに爆買いの「学び」版

爆学とは 訪日中国人が、日本企業の取り組みや日本の文化、芸能などを学ぶことに時間とお金を大量に費やすこと です。元々は「爆買い」という言葉がありましたが、この「爆買い」は一言でまとめると訪日中国人が一度に大量にブランド品を買うことでした。一方、「爆学」は 爆買いの「コト消費」の中のさらに「学び」にフォーカスしたもの です。

例えば、近年、中国で話題になりつつあるのが、中国人ビジネスマンの日本企業視察 です。中国では、京セラ創業者である稲盛和夫氏がビジネスマンに人気を博しており、稲盛氏の著書でもある『生き方―人間として一番大切なこと』が中国のベストセラーランキングにも入っています。その稲盛氏が提唱する「アメーバ経営」という経営手法を見学するツアーが人気を博しており、稲盛氏の経営を学びたくて日本に訪れる中国人経営者やビジネスマンが後を絶たないのです。

また、ビジネスマンだけではなく、中国人の主婦層には、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんのベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』が人気となっています。このように、中国ではビジネスマンから主婦まであらゆる層において、日本の企業の取り組みや日本発信のノウハウ、文化や芸能を学びたい、というニーズがあるのです。

爆学がトレンドとなる3つの理由

では、なぜ今、「爆学」がトレンドとなりつつあるのか?そこには3つの理由があります。それぞれ見ていきましょう。

爆学がトレンドとなる理由その①:中国国内での「学び」への意識が高さ

中国では受験戦争がとてつもなく激しいことで知られています。大学受験を目指す高校3年生は一日15時間〜16時間勉強するのは当たり前で、高校の校則で恋愛を禁止していることもままある、と聞けば、その激しさを理解できるでしょう。また、大学に入ってからも成績争いは激しいままです。

その受験戦争や競争意識の根底にあるのが、「良い大学に入らないと、社会人になってから苦労する」という風潮です。そのような環境で育っている中国人の大半は、「学び」への意識が高く、またその意識は社会人になってからも継続します。近年、中国国内でもMBAが取れる学校が増えてきており、語学を学んだりやMBAを取得を目指したりといった社会人からの学習ニーズが高まっていることがわかります。

爆学がトレンドとなる理由その②:良いものを模倣することを良しとする文化

中国に関して「他国の流行っているものを模倣して自国で展開する」といったイメージはありませんか?悪く言えば「パクる」ということですが、この「パクる」ことは著作権などの知的財産権の話はさておき、一概には悪いとは言えません。日本の経営学者、早稲田大学教授である井上雄彦氏の著書「模倣の経営学」では「古今東西、新たなイノベーションは徹底した模倣からこそ生まれている。」と記されているとおり、新しいイノベーションのためには「パクる」ことからスタートすることがままあるものです。

それを知ってか知らずか、中国人の気質として 良いと思ったものをすぐに取り入れる というものがあります。そのため、日本でうまく行っていることや企業経営の手法を貪欲に取り入れていくのです。必然と日本の良いものを学ぶ土台あるといえます。

爆学がトレンドとなる理由その③:意識が高い分、インバウンド消費へつながる期待も

上記の「爆学がトレンドとなる理由その①:中国国内での「学び」への意識が高さ」でも解説したとおり、中国の「学び」に対する意識が高い分、日本での学びに対するインバウンド消費が期待できます。少し古いデータではあるものの、中国国家統計局「全国教育経費執行状況統計公告」によれば、中学生1人当たりの教育予算は、2005年の約1,500元から、2010年では3倍超の約5,000元に伸びています。このように「学び」に対して意識だけでなくカネも集中しているのが現代中国であり、それだけインバウンド消費にも還元されうるポテンシャルも持ち合わせていると考えられます。

まとめ:中国全体の消費行動がモノ→コトへシフト だからこそ、今後のインバウンドでも「爆学」に期待

冒頭でも触れたとおり、中国市場では2015年に「爆買い」がブームになりました。もちろん、日用品や医薬品など、少額商品群については引き続き「爆買い」に近しい現象が続いているものの、家電やブランド品と高額商品類の消費が下がったため、中国市場のインバウンド消費額全体で見ると、「モノ」を買うことへの勢いは下火になってきています。

これは、インバウンドのみならず、中国国内の消費行動が「モノ消費」から「コト消費」へと移り変わってきているのかもしれません。日本も同じく、高度経済成長期やバブルでは「高いモノ」「ブランド品」などが飛ぶように売れていました。今ではどうでしょうか?「物が売れない時代」と言われるように、商品よりも「体験」や「学び」を消費する人が多くなっています。中国も同じ流れをたどると考えれば、「コト消費」とくに「爆学」は新たなブームの火付け役になるポテンシャルがあるではないでしょうか?

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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