海外で「くまモン解禁」で何が起こるのか? 5~7%の使用料で誰でもくまモン起用可能に 背景には中華圏で巻き起こる熊本ブーム・インバウンド誘致のチャンスなるか

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日本国内ではご当地キャラクターが人気を集めています。千葉県船橋市の「ふなっしー」熊本県の「くまモン」がその代表例でしょう。こうした ご当地マスコットキャラクターを通じた地域活性化、観光PRは注目されており、マスコットの関連グッズから得られる収益や観光客の増加による経済効果など、そのメリットは計り知れない ものです。このような状況の中、熊本県はPRマスコット「くまモン」を通じた観光PRを、日本国内のみならず海外でも強化するようです。

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「くまモン」が海外解禁!小売価格の5~7%を使用料として支払えば海外企業でも「くまモン」のイラストが利用可能に

2018年1月8日から、熊本県では同県の観光PRキャラクターである「くまモン」のイラストを小売価格の5%から7%を支払えば、海外の企業でも利用できる新制度を導入 しています。

「誰でも使えるようになったら熊本の企業が潤わない…」など地元の企業からは反発も

これにより海外の企業では「くまモン」のイラストが今までよりも使いやすくなり、熊本県にとっても 「くまモン」を通じて熊本の知名度を海外でもアップさせる ことができますが、熊本の地元企業からは 「商売のチャンスが失われる」「誰でも利用できるようになってしまったら熊本の企業にメリットがないと思う」 など反対の声も出ている模様です。しかし、今回の熊本県の取り組みは「インバウンド観光」という観点から見ると違った良いことづく氏なのかもしれません。

実際には「くまモン解禁」は熊本にとって良いことづくし?

訪日客の方が観光地にお金をたくさん落とす:その額なんと日本人観光客の4倍以上

  日本人観光客 訪日外国人観光客
年間の旅行者数 6億4,100万人 2,400万人
一人あたりの旅行消費額 3万2,687円 15万5,896円
年間の旅行消費額 20兆9,547億円 3兆7,476億円

少子高齢化により地方部で人口減少に歯止めが利かない状態に陥っている日本では、地方の観光資材をアピールすることで観光客を呼び込んだり、近隣の自治体とDMOを組織することで、観光を通じて 「地域の稼ぐ力」を醸成 しています。こうした状況の中、注目されているのが 地方におけるインバウンド誘致 です。

上記の表は、2016年に日本を旅行した人の数、一人当たり旅行消費額、年間の旅行消費額を日本人観光客と訪日外国人観光客に分けてまとめたものです。着目すべき点は一人当たり旅行消費額。日本人一人当たり旅行消費額が3万2,687円となっているのに対して、訪日外国人観光客の場合、15万5,896円 となっており、訪日外国人観光客は一度の旅行につき日本人観光客の4倍以上、観光地にお金を落としている ことがわかります。

なぜ地方創生にインバウンドが重要なのか?交流人口から考える訪日客地方誘致の重要性

2017年7月19日の観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2017年前半期のインバウンド消費額は史上初めて 2兆円 を突破しました。また、2017年に入ってからも 7カ月連続で前年を上回る訪日外国人観光客数を記録 しており、日本国内で「インバウンド誘致」はホットなキーワードになっています。加えて、インバウンド誘致は地方の過疎化・人口減少など 日本の抱える諸問題を解決する手立てとしても注目を集めています。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが...

こうした背景から熊本県でも訪日客の誘致に注力:「くまモン」をフックに中華圏を狙う

こうした背景から熊本県でも、インバウンド誘致に注力しています。熊本県では 特に中華圏のインバウンドをターゲットに しており、2017年10月10日には、熊本と香港線の新路線の就航が開始。熊本商工会議所のウェブサイトを確認してみると香港でのPRに力を入れているなども把握できます。

中華圏出身の訪日外国人観光客を熊本に呼び込むにあたって重要な役割を果たしているのが「くまモン」であり、実際に中国のショッピングモールには「くまモン」の関連グッズが置かれていたり、上海には「くまモン」がテーマになったカフェである「KUMA Cafe」もオープンしていたりと 「くまモン」は中華圏で大きな人気 を集めています。

結果として2016年に熊本県を訪れた訪日外国人観光客の数は、大都市から遠い地方に位置し熊本地震の影響もありながらも全 国20位と健闘約50%を占めた中華圏出身の訪日外国人観光客は熊本県のインバウンド観光の成長に重要な役割を果たしました。 この成功に裏には少なからず「くまモン」の人気が関係しているとも予測できるでしょう。今後も引き続き海外でPRを実施し、より多くのインバウンド誘致に成功するためにも今回の「くまモン解禁」は合理的な選択だといえるでのはないでしょうか。

まとめ:「くまモン解禁」でさらに熊本県の海外向けPRが進みそう:インバウンド観光にも好影響

今回ご紹介した「くまモン解禁」には、熊本県に位置する地元企業からは反対の声も上がっている模様。しかし、昨今のインバウンド観光の好調ぶり、訪日外国人観光客の旅行支出額の高さから考えると、「くまモン」のイラスト使用条件を緩和し中華圏を中心とした海外により広く認知させ、熊本に訪れる外国人観光客を増やすといった方向の方が熊本県にとってより良い のかもしれません。

動物はインバウンドに"ウケる"!「動物インバウンドプロモーション」事例まとめ6選:「かわいい」はインバウンドでもキラーコ

「コト消費」によって多様化するインバウンドのニーズに対応するかのように、各地で”動物”を活用したインバウンドプロモーションが各地で繰り広げられています。トリップアドバイザーを見ても、動物と触れ合える観光地は、訪日外国人観光客からの人気・評価も高い傾向にあります。都心部にはない体験をできるということもあって、インバウンドの地方誘致とも相性のよい、この「動物インバウンドプロモーション」の事例を見てみましょう。目次事例1:瀬戸内の小さな島 大久野島が「ウサギ島」として世界中で話題に事例2:鹿せん...

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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